老化速度は人によって異なる!!
日本人の平均寿命は1984年以来世界一となっている。2005年版の世界保健報告によると女性が85歳、男性が78歳となり男女あわせた平均が82歳となり世界最長寿国である。残念ながら、人は加齢とともに身体機能がだんだん衰退していく。この減少を老化と呼んでいる。しかし、この老化の進行は個人差が大きく一律ではないことがわかっている。継続的な運動を行っている人はその衰えは抑制されるのである。持久的な運動能力の指標として最大酸素摂取量があるが、30歳代後半から男性で年間に約1.2%減少する実態が認められているが、運動習慣のある人では、その減少率は1%未満といわれている。特に、筋肉の種類では、酸素を使わないで活動し運動の力強さを担っているタイプ2線維が、老化によって細くなることがわかっている。1990年代から高齢者でも、このタイプ2線維を増やすトレーニング効果が実証され、持久的なトレーニングとともに脚光を浴びている。中高齢者において、持久的なトレーニングを行うことによって、虚血性心臓病や高血圧といった心臓血管系の疾患、その他の生活習慣病予防に効果があるという報告が多かったが、最近では、このタイプ2線維の増大をもたらすトレーニングを行い、将来的に自律した生活を送るための介護予防にも重点が置かれるようになっている。体力の低下から「おっくう」となってしまう運動も、できることからすればよいのである。無理をせず、始めの一歩を、多くの人に踏み出してもらいたい。継続した運動習慣を身につけるキャンペーンを実施したいと思っている。
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