|
カテゴリ:カテゴリ未分類
一ドル紙幣の「全能の目」は、なにを見つめているのか? 本書のはじめの方で、一ドル札に「ピラミッドと全能の目」があるのは、フリーメーソンとなにか関係があるのだろうか、ということを綴りました。 「ピラミッドと全能の目」 これは是非とも押さえておかなければならない重要な課題だと思います。 なぜなら、それを論じるということは、アメリカという国家のはじまりとフリーメーソンのかかわりを論じることに他ならないからです。 それは飛躍のし過ぎだ、と思う人がいるかもしれません。 しかし、よく考えてください。ことは国家の基軸通貨、ドルのデザインなのです。最も重要とさえ言えるかもしれない紙幣に、フリーメーソンが刷りこまれているとすれば、いったいその国家はなにものか? と思うのは私だけでしょうか? (略) 紙幣委員会 1776年、アメリカに紙幣委員会が設立されました。一ドル札のデザインを決める機関です。 その委員の中にベンジャミン・フランクリンがおりました。 フランクリンは、押しも押されもしない高名なメーソンです。 断っておきますが、本書であの人物はメーソンだと断定するのは、メーソンの名簿に載っている故人か(故人の場合、特別なことがないかぎり、遺族に断わりなくメーソンだと公表していいことになっています)、存命であっても、公然と自ら名乗っているメンバーに限っています。 (略) で、ベンジャミン・フランクリンはフィラデルフィアのセント・ジョーンズ・ロッジに籍を置くフリーメーソンでした。 同時に、アメリカで3本の指に入る重要議員であり、アメリカ合衆国憲法制定委員会にも参与していた実力ある人物です。 前提から言いますと、そのフランクリンが、一ドル札にメーソンの象徴を刷り込む誘惑にかられたとしても、なんら不思議はないということです。 そんな馬鹿な、とお思いでしょうが、当時のアメリカという社会全体が放つエネルギーを充分考慮すれば、この説に頷いてくれると確信します。 1775年 アメリカ独立戦争勃発 1776年 アメリカ独立宣言 1776年 紙幣委員会設置 1777年 サラトガの戦いで米軍が英軍に勝利する 1781年 ヨークタウンの戦いで英軍降伏 1788年 アメリカ合衆国憲法発効 1789年 初代大統領ワシントン就任 見た通り戦争一色です。 合衆国のドル紙幣を作ろうと動き出したのは、独立宣言の真っ只中の出来事です。気運はまさに英国なにするものぞという、輝ける波動が、大きくうねりを見せていた時分です。 この時期に、アメリカ独自の一ドル札を作ろうというのです。 にもかかわらず、ピラミッドを持ってきた。これは不自然だ、と思わない人はいないでしょう。 精神的には唯我独尊の状態にあるアメリカ合衆国。それなのになぜ他国、イスラム国家、エジプトの象徴であるピラミッドを自国の国璽として通貨にとり入れなければならないのか、ということです。 まともに考えれば許されないことです。 アメリカ合衆国の中枢は、東部エスタブリッシュメント、つまり白人、アングロサクソン、プロテスタントという通称「WASP」に代表される保守的な面々に握られていました。 人種差別などあたりまえで、黒人などは家畜扱い、実際に黒人牧場というのがあって、そこで馬のように丈夫な黒人を生産しては売り買いしていた時代です。 人種差別は国の差別に直結します。エジプト人などは扱いは黒人並みか、それ以下でした。そういう環境にあって、なぜピラミッドなどという、見下した国の象徴をぶつけたのか? たとえば、我が国に置き換えてみてください。独立宣言といえば、日本なら明治維新と考えていいと思いますが、そんな時、新札の一円札に、当時は蔑んでいた中国の万里の長城とか、カンボジアのアンコールワットを刷り込んだりするでしょうか。そんなことをしたら、国辱だと大問題になったはずです。 しかし、アメリカの紙幣委員会は「ピラミッド」を推し、議会はそれを承認してしまったのです。 どうしてなのか? 表面的には奇異に見えることでも、違う世界から見ると納得のいくことだったのです。いみじくも、フランス革命が起った年とアメリカの連邦政府成立は同じ年でした。 そして、双方とも、陰に陽に自由、平等、平和を掲げるフリーメーソン思想の影響が囁かれているのです。 あちこちで「あれはフリーメーソンが起こした革命だ」という声が上がっていたように、まさに彼らの思想の反映と言っていい結論です。 アメリカの独立から百年後、フランスのメーソンが、アメリカのブラザー達に自由の女神をプレゼントしたように、両国のフリーメーソンもそのことを強く意識しておりました。 2つの革命のことは、ここで論じませんが、メーソンの自由、平等の思想の根底にあったのは明らかです。 ですから、新生アメリカの議員の中にも、圧倒的多数のメーソンが含まれておりました。 たとえば、「アメリカニズム」という言葉を独立宣言に著した、ジョン・ウィザースプーンという議員もメーソンですし、一説によると当時の議員の半数以上が、メンバーであったと言われているくらいの勢力だったのです。 その頂点に居座っていたのが、アメリカ合衆国初代大統領、ジョージ・ワシントンです。 彼は1752年にフリーメーソンに入会し、それ以来ずっと熱心な活動を続け、またそれを公言して大統領に就任した人物です。 メーソンが、アメリカ大統領の席に座る。ご存知のとおり、米国の大統領というのは、官僚を即座に総入換えできるほどの権限を有し、日本の首相など足元にも及ばないパワーを持っています。その座に、メーソンを公言した人物が深々と腰をおろしたのです。 この事実を、当時のメーソンたちはどう考えたのでしょう? ここが肝心です。 情勢をかんがみれば、フリーメーソンにとって、自分たちがとうとう国の玉座についたのだ、という錯覚を起こしかねないほどの出来事だった、と推測するのが妥当です。 その熱狂と興奮の渦の中で、フリーメーソンであるベンジャミン・フランクリンはドル紙幣作成という任務を与えられたのです。 絶対権限のあるワシントン、そしてナンバー2といっていい地位にあるフランクリン。2人のフリーメーソンが、紙幣にメーソンのなんたるかを溶け込ませたいという思いが、めらめらとわきおこったとしても、不思議ではありません。 やがて、紙幣委員会に、数種類の紙幣デザインサンプルが提出されます。 その一つに、当時、ヨーロッパ、とくにフランスのメーソンの間で流行りつつあったマーク、「ピラミッドと全能の目」がありました。 形ばかりの採決が行われます。もちろん示し合わせたとおり、万事おこたりなくそれが採用されます。 そしてあとは、議会の承認を待つばかりです。これもまた、主流を固めていたフリーメーソン議員たちはすでに包囲網を完成させて、議会通過という儀式が行われたということです。 当時のメーソン議員たちは、あまりにも圧倒的でした。そのため、一ドル紙幣に、メーソンのマーキングを施すこと自体、あまり大きなことだという認識を持っていなかった。 なぜなら、アメリカ合衆国にもっと大きな楔を打ちこむことを頭に描いていたからです。 (略) 一ドル紙幣に込められた真実 ところで、一ドル札のピラミッドは、何段あると思いますか? 13段です。 この数字、なんだか奇妙だと思いませんか? われわれ日本人からするとどうということもないのですが、アメリカでは一番、忌み嫌われている数字です。 13日の金曜日はご存知のようにキリストが処刑された日とされ、13階段は絞首刑の階段を表し、現在でも13階段のないビルやアパートを目にするお国柄です。 ところが、一ドル紙幣は13という数字だらけなのです。 まずピラミッドの階段が13段。 紙幣の右側には、鷲の図柄があります。 その鷲の胴体のストライプの数は13本、鷲が左足に握っている矢の数も13本、右足に握っているオリーブの葉の数も13枚です。 さらに、鷲の頭上の星の数さえ13個です。これでもかと現れる、凶数字。これはいったいどういうことなのか? インチキ本なら、そこには反キリストの悪魔教が隠されているからだ、というストーリーをでっち上げるのでしょう。しかし、そうではありません。 アメリカの小学校では、こう教えています。 当時の州の数が13あったのだと。 白頭鷲の左足が握っている矢は、軍事を意味し、右足のオリーブの枝は平和を表しています。 ですから学校では、アメリカ(白頭鷲)という国が、13州と軍事と平和を一つに束ねているのだ、という意味だと教わります。 ピラミッドが、13段になっているのも同じ伝です。 しかし、13という数は、ほんとうに州の数を指しているだけでしょうか? それを話すまえに、またピラミッドに立ち戻ります。問題の「全能の目」は脇に除けておくとして、再度じっくり一ドル札のイラストを見てください。 奇妙なことがまだあることに気がつくと思います。 それは言葉です。自国語の英語を排し、ラテン語が書かれているのです。 アメリカ合衆国の通貨なのに、なぜ英語ではなく、わざわざラテン語を並べたのか? 日本の千円札に、韓国語を書くようなもので、まことにおかしな話だと言わざるをえません。 それはラテン語でこう綴られています。 「NOVUS ORDO SECLORUM」 「新しい世紀の秩序」という意味です。ではなぜ、A new order of the age という、英語ではいけないのでしょう。 だれからも、異論はでなかったのでしょうか? そして、ピラミッドの上空には、これまたラテン語です。 「ANNUIT COEPTTIS」 私の知り合いのアメリカ人で、この意味を知る人はいなかったし、彼らにとっても、発音するだに難しいことなのです。 一般人に分からないものを載せる。これにどういう意味があるのでしょう。 このラテン語の解釈は微妙ですが、おおむね「我々の計画に同意せよ」というほどのことです。これも、さっぱり分かりません。 「我々の計画」とは? 国造りの計画を指しているのなら、そうはっきりと明記すればいいし、法律を守れ、ということであれば、そう述べればいいわけです。 そして「我々」とはいったい誰のことなのか? アメリカ国民のことをさすのでしょうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年08月17日 07時06分55秒
コメント(0) | コメントを書く |
|