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テーマ:世界を動かす国際金融(373)
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最近、金価格が500ドルを超えている。12月23日のNY商品取引所の06年2月物は、505.2ドルで終了した。金価格が500ドルを超えたのは11月30日で、これは22年10カ月ぶりの高値であった。その後、12月12日には終値で531.5ドル、瞬間では544.5ドルまで跳ね上がっていた(金価格)。12月8日のブルームバーグの記事は、貴金属調査会社の英GFMSが予測する金価格は1年半のうちに1オンス当たり850ドルまで上昇する可能性があると報じていた(その記事)。 金価格に興味をもっているひとなら、先物取引業者、三井物産、三菱商事・・などが「金価格は1000ドル(を目指す)」なんてことを言ったり書いたりしていることはご存知だと思う。信用するかどうかは別として、予測では4000ドル説だってある。2004年に出版された『円高+株高そして金急騰!』という本では、2006年に金価格は1000ドルに達すると予測されていた。そしてこの本では「25%部分的金本位制」になれば、金価格は4000ドルへ向かうと予測してた。 金価格は、2~3年前から(911後からか?)長期上昇トレンドに入っている。 まあ、さまざまな予測がどうであれ、ドル供給(流通)量が(金産出量より)増加しているのは事実なんだから、相対的に金価格(価値)が上昇することは正しいとも言えるわけだ。実際、ロシア中央銀行は外貨準備高に占める金の割合を5%から10%に高めるとしているし、中国政府も金の準備を増やしている。ヘッジファンドも、高騰した原油から資金を金へと移しているようにも見える。 さて、相場の話はここではいいとして、「世界最大の産金会社が誕生」する。10月31日に表面化したこの敵対的買収劇が先日合意に達したと報じられた。買収されたのは、産金業界で世界5位の「プレーサー・ドーム」というカナダの会社。買収側が世界3位の「バリック・ゴールド」である。この買収によって、現在世界1位の「ニューモント・マイニング」を産金高(埋蔵量)で抜き、世界最大の産金会社が誕生することになる。これでオッペンハイマー家のアングロ・ゴールド(アングロ・アメリカン)がニューモント・マイニングに次いで3位になるのだから、今回買収合意した規模や意味がかなり大きいことは想像できる。買収額も104億ドル(1兆2150億円)と巨大である。 バリック・ゴールドは、ピーター・ムンク創立者兼会長が率いる1983年に創業した比較的に新しい会社である。現在のCEOは、グレゴリー・ウィルキンス48歳。ピーター・ムンクくらい米国政権中枢に食い込んだ経営者は少ないと言われる老獪な経営者がバリックの創立者である。本社はカナダ・トロント。上述したように、創業20年ほどのバリックが老舗のアングロ・ゴールドを産金量で抜いたのだから、その「急成長」ぶりは突出している。プレーサー・ドームを吸収することで、埋蔵量も、2位のニューモント・マイニングと3位のアングロ・ゴールドを遥かに(5割以上)上回ることになる。 ピーター・ムンクが米国政権中枢に食い込んだと言われる理由を知るには、バリック・ゴールドの国際諮問委員会(顧問団)に注目すればよい。 ● 初代上級顧問はブッシュ(父)元大統領である(2002年退任)。 ● 今年2月に大使を離任したハワード・ベーカー駐日大使もいた。 ● ウィリアム・コーエン元国防長官もいた。 ● カナダで1984年から1993年まで第24代首相を務めたブライアン・マルルーニーは議長を務めた。現在も理事会のメンバーである。 ● ジャーデン・マセソン・ホールディングやルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシーLVMHなどの会長を務めたパウエル卿。 ● ラザード・フレールのバーノン・ジョーダン。ジョーダンはクリントンの親友として知られるが、彼はビルダーバーグの常任理事であり、リップルウッドのティモシー・コリンズの後見人でもあり、新生銀行のシニア・アドバイザーも務めている。(バーノン・ジョーダン)。 ● ブンデスバンク(ドイツの中央銀行)元総裁カール・オットー・ぺール。ブンデスバンクは欧州中央銀行(ECB)のモデルであり、オットー・ぺールはECB創設に大きく関わった人物である。中央銀行家として知られるオットー・ペールは、ドイツの投資銀行サル・オッペンハイムとその親会社であるスイスのサル・オッペンハイム銀行の取締役である。ユニリーバやロイヤル・ダッチ・シェルの取締役を務めた経歴も持つ。さらに、過去も含めて、J・P・モルガン、ロールス・ロイス、カーライル・グループの諮問委員会のメンバーにもなっている。 ※ ブッシュ(父)の人脈の中核に位置するのがカーライルであるが、ピーター・ムンク(バリック・ゴールド)は、オットー・ぺールも合わせるとカーライルとは二重に深々と繋がっているのである。 ピーター・ムンク グレゴリー・ウィルキンス最高経営責任者 簡単にピーター・ムンクを紹介する。 ピーター・ムンクは1927年にハンガリーで生まれたユダヤ系である。妻はリンダ・ムンク。息子アンソニーは現在、バリック・ゴールドの理事会に名を連ねている。娘ニーナはサイトを持っている(ニーナ・ムンク)。 ピーター・ムンクは、83年にバリック・ゴールド社を創業し金採掘事業に参加してから、いくつも企業を買収してバリック社を大きくしてきた(History)。いきなり現われ「大物」になったこいつはどうも臭い。こいつの80年代以前を調べてみる価値はあるだろう。 ムンクのバックには大きな資金源が存在した考えるべきなので、少し調べてみた。すると出てきた名前は、なんと“死の商人”としてあまりにも有名なアドナン・カショギであった(英文記事)。カショギはカーライルに関わってきた人物でもある。すなわち、ブッシュ(父)とカーライルがここに絡まってくることになる。 画像クリックで拡大、英文サイトに飛ぶ 右のハゲがカショギ、中央はブッシュ父 日本語でも検索してみたら、記事が1件だけ「日経BP」から出てきた。そこには最後に次のように書いてあった。 身を起こしたこのハンガリー系ユダヤ人は、「大統領の陰謀」で舞 台となったウォーターゲートビル(ワシントン)、シアーズタワー (シカゴ)など著名物件を持つ不動産王でもある。(日経BP) 文中に出てくる「ハンガリー系ユダヤ人」がピーター・ムンクである。「不動産王」とも書いてある。ウォーターゲート事件の上院特別委員会副委員長を務めたのは、バリック・ゴールド顧問団のハワード・ベーカー元駐日大使であった。 【シアーズタワー】 443m 110階 また時間のあるときにでもピーター・ムンクを詳しく調べる必要がありそうだな。カーライルとカショギとのつながりだけでも、“地球の統治権力”がイモずる式に出てくるはず。ダイアナ妃と一緒に死んだドディ・アル=ファイドもカショギ一族である(ダイアナ妃)。 「Barrick Gold, JP Morgan Chase Sued for Gold Fraud 」 http://www.conspiracyplanet.com/channel.cfm?ChannelID=53 世界最大の産金会社誕生へ、バリックがプレーサー買収 12月22日、世界最大の産金会社が誕生へ。 買収合意し握手するバリック・ゴールドのウィルキンス最高経営責任者(CEO)(左)と プレーサー・ドームのトムセットCEO [トロント 22日 ロイター] カナダの産金大手バリック・ゴールドは、同国の鉱業大手プレーサー・ドームに対する買収提示額を104億米ドルに引き上げ、プレーサーの合意を取り付けた。これにより、世界最大の産金会社が誕生する。 バリックは、プレーサーに対する買収提示額を、従来の1株当たり20.50米ドルから、同22.50米ドルに引き上げた。 この買収が実現すれば、バリックは、米ニューモント・マイニング、南アのアングロゴールド・アシャンティを抜いて世界最大手となる。また、買収後のバリックの2005年推定生産高は830万─840万オンスとなる。 バリックは従来の買収提示額を引き上げないと繰り返し表明していたが、最終的に引き上げを決定した。 (ロイター)- 12月24日13時22分更新 バリック・ゴールド社とは http://www.jogmec.go.jp/mric_web/major/1999/17barrick.html 『ゴールド』金と人間の文明史 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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