吾が輩は野良猫である

2006/01/18(水)21:55

天使がくれたピアノ最終楽章

詩集小説(111)

みなさん、これまで私の長い話に付き合って頂いてどうもありがとう。今私はどこにいると思う?私のベッドは綿菓子のようにふわふわな雲のベッドよ。寝心地は最高なの。此処から地上を見下ろすとピアノに憧れている自分がみえるわ。でもひとりぼっちよね。此処には本当の天使がいる所。なにより嬉しいのは母がいて祖母がいる。そして天使が私のプレゼントにくれた白いピアノがある。此処で私は永遠のピアニストになれたのよ。世界一のピアニスト。でも私がここで奏でる乙女の祈りは貴方達には届かない。でもいいの、死んで夢が叶うなんて思っても見なかったけれど、私は夢を果たしたわ。それがどんな形であれ、現世が全てじゃないわ。私はいずれ舞い戻る、今度は私が天使になってピアノを弾きに貴方たちのところへ舞い戻る。約束するわ。それまで待っていてくれる?ピアノに憧れ、ピアノの素晴らしさに気づき、音楽をこの上なく愛する人々の為に私からの贈り物、一粒の涙をピアノの海に沈めます。さようなら…。香葉子より。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る