2009/07/06(月)17:49
余命三ヶ月の友人。
今年の5月19日、わたしの友人が「食道癌」により他界した。
彼の死を知ったのは二日前の夜だった。
今年の2月15日に、わたしは彼に電話をしている。
「もしもし、修、お前元気かよ…」
「何回電話しても留守電で繋がらないから、心配していたんだぞ」
「おお、神戸か、悪い悪い…」
「俺、実はさぁ食道癌でな、仕事辞めたのさ…」
「はぁ?…」
全く予期せぬ言葉が彼の口から零れ、わたしは言葉を失った。
「いつから…」
「去年の10月に検査で分かったんだ」
「入院は…?」
「通院して治療を受けている」
「放射線治療を受ける時だけ一週間入院するんだ」
「俺も心臓が悪くなって、去年死にかけたんだよ…」
「つい三日前まで入院していたよ…」
「本当か…」
「おい、もう何年も会っていないんだから、近い内に会おうぜ…」
「まだ日吉のアパートにいるんだろ?」
「ああ、変わってないよ」
「俺、今高砂に住んでいるんだけど、日吉までそんな時間かからんから、会おうぜ」
「おお、いいよ、またその時に電話くれ…」
この電話が最後になるとは思わなかった。
皆さんもご存知の通り、わたしは心不全をぶり返し、今年2回目の入院をした。
退院後、早速彼に電話をしてみたが、何度電話しても留守電状態だった。 そしてとうとうその携帯が「現在使われておりません」になったのである。
彼の安否を確認するため、彼が勤めていた「パブ」に連絡を取った。
そうして彼の死を知ったのである。
余命三ヶ月…。
10月8日に病院へ行った時点で、彼の寿命は余命三ヶ月だったのである。
その事について本人には告知しなかったようである。食道癌だと分かった時、既に癌細胞は身体中の臓器に転移しており、治療の施しようがなかったそうである。
21年前の結婚式の時、友人代表として「祝辞」を読んでくれた彼。
そのビデオに映った彼の姿が、こんなに早く最後の姿になってしまうとは…。
彼は自分が癌で死ぬと思っていただろうか?
もしそうであるならば、「遺言」くらいは残しているだろう。
自分が死んだら友人たちに連絡して欲しいくらいの事は残すだろう。
もし、彼が余命三ヶ月を知っていたら、きっとまた違った生き方をしたかも知れない。
わたしも彼に会うことが出来たかも知れない。
2月にわたしと交わした「会う」約束を持ったまま、彼は天国に逝ってしまった。
わたしの心からまた一つ大事な星が消えて行った。