2010/07/02(金)19:53
菅さん、旅に出る。
「このタイミングで消費税を口にするのはまずいだろう…」
小沢元幹事長が苦虫を潰したような顔をして呟いた。
菅総理が自ら消費税10%に言及した事で、参議院選挙の行方に民主党幹部たちから溜息が漏れている。
過去の例から見ても、選挙戦に「消費税」を掲げた自民党は常に敗北を帰して来た。
財政難に喘ぐ日本は借金の穴埋めに消費税を導入し、国民にそのツケを回してきたが、その目的は果たされず、借金は減るどころか益々増え続け、挙句の果てに景気後退と異常なまでのデフレに見舞われて、底なしの不況にまみれることとなった。
出口の見えないこの状況を打破するには、税金の無駄を無くし、スリムな国家体制を整える必要があった。そして始まったのが「事業仕分け」であったが、それが功を奏するには数年の歳月がかかる。
最も効果的なのはやはり「増税」で、国民に負担を押し付けてしまうのが手っ取り早い確実な方法であるが、民主党内で「消費税」についての扱いが吟味されていないまま、菅総理の増税発言が一人歩きし始め、選挙にマイナスイメージを植えつけてしまった。
選挙の争点が「消費税」ばかりに向いてしまうのも政治バランスとしては、あまり好ましくない。
人間の身体と同じで、国も歳を取るし老体化する。
血気盛んな若かりし頃の勢いは既になく、現状維持もままならない状況下で、日本列島に栄養が行き渡らず、一極集中型の経済には景気回復の兆しは見えない。
少子高齢化がもたらす、医療と社会保障制度の崩壊が既に始まっていると言うのに、税金の使い道さえ、定まらない政治に日本を建て直す力などある筈がないと思う。
政治家全員が頭を丸めて修行から出直した方が良さそうだ。