2006/04/29(土)10:50
今日の日記はね、「蚕」にするか「カレー」にするか「なごり雪」にするか迷ったの
「停車中の電車から煙 駅員消す」
なるタイトルのニュースを見て、
駅員が消えたのだと思った兎です。
いやさ、電車が駅に止まってたら、
運転室から、わーって煙が出てきて、
乗客がびっくりして運転室のぞいたら、
運転手がどろん、と消えてた、
ってことかと思ったわけです。
神隠しっていうの?
もうね、これ以上ないくらいに、
がぶり寄ってニュース見ました。
内容。
電車からぼやで出た煙を
運転手が消しました。
火は消えました。
・・・・そういうことね。
さて、今日は久しぶりにお蚕様話。
余談ですが、昔養蚕農家では、
蚕を「お蚕様」
と呼んでいました。
大昔、日本で製糸業が花形産業だったころ、
蚕=お金
で、養蚕でいくらでもお金が入ってきたからです。
「お」も「様」もつけて
あがめるほど
蚕は金の卵であったわけです。
実際は金の卵じゃなくて、
白い繭なんですが。
そんな時代も日本にあったんだなあ、
ということです。
現在の日本の養蚕は、
手間ひまお金をくうくせに、
全然儲けのないただの趣味産業でしょう。
さてさて、シルクって糸です。
繭は糸をぐるぐる巻きにしてできています。
そのぐるぐる巻きにされた糸を
ほぐして1本に戻すと、
絹糸になるわけです。
毛糸玉みたいなイメージ。
毛糸をぐるぐる巻いていくと
ボール状になるけど、
ほぐせば1本の毛糸にもどりますよね。
あんな感じです。
じゃあ、蚕の体は解剖したら、
糸がどさっと入ってるのか、
ってことでしょ?
糸巻きみたいんが、体の中にあるのか、と。
もちろんありません。
あんなもん体の中にあったら、
蚕窒息しますがな。
というか、蚕の内臓量よりも、
吐き出した糸の量のが
はるかに多いですから。
あんなに大量の糸は
蚕の体には入りません。
実は絹は、蚕の体の中では液体状です。
これを液状絹(えきじょうけん)と言います。
【絹糸の作り方図解 ↓】
+ ○ -
蚕の頭を↑の○だとしましょう。
蚕は、頭を左右に振って、繭を作っていきます。
まず、+に頭を持っていって、
液体状の絹をぴたっ、とくっつけます。
そのまま一気に頭を-の部分まで持っていきます。
そうすると、あら不思議。
液体状だった、絹がなんと糸状に。
実は、液体状の絹は、
急速に力を加えて伸ばしてやると、
なんと糸に変化する性質を持っているのです。
-まで頭を持っていった蚕は、
今度は-の部分に、
やはり液体状の絹をぴたっ、とくっつけて、
今度は一気に+まで頭をもっていく。
また、糸ができるわけです。
それの繰り返し。
延々頭を左右に振り続けて、
繭を作っていくわけです。
液体状の絹に、一気に力を加えると、糸ができる。
ということはですよ。
蚕の体の中には、
液体状の絹が詰まってるわけですから、
蚕そのものを、
ぶちっと胴体で真っ二つに引き裂いたら、
どうなるか。
蚕の頭とお尻を持って、
思いっきりひっぱったら
どうなるか、ということです。
そうすると、あらまあ。
引きちぎられた蚕の間には、立派な絹糸が。
こうやって作った絹糸ね、
実は釣り糸にいいんですって。
高級な釣り糸になるらしいです。
だから、昔はそうやって
釣り糸を作っていた人もけっこういたそうな。
と言う説明をしながら、先生がいきなり、
手にしていた蚕を
目の前でぶちっ、とやった時には、
さすがのあたしもヒキました・・・
ちなみにあたしは、
さすがにこれはやったことありません。
絹糸は見てみたいけど、
生きたまま真っ二つは、
いくらなんでも蚕がかわいそうだろう、と。
ぐっ、とこらえました。
やっぱり、ちゃんと麻酔かけて
解剖してあげないと。
ちなみに、蚕ならどれでも
真っ二つにすれば絹ができる、って
わけではありません。
繭を作る直前の蚕でないと、
液状絹は体内に作られないので、
皆さんが真っ二つにする時には、
よく見て選んでやってくださいね。 (o^-')b