1609 幸せのレシピ
1609 幸せのレシピ※オモテ面【スタッフ】・監 督 スコット・ヒックス・製 作 ケリー・ヘイセン・製作総指揮 ブルース・バーマン【キャスト】・ケイト・アームストロング… キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(深見梨加)・ニック・パーマー…… アーロン・エッカート(津田健次郎)・ゾーイ…アビゲイル・ブレスリン(宇山玲加)※ウラ面【仕 様】・型 番 DLR-Y14314・製作年度 2007年・製 作 国 アメリカ・原 題 NO RESERVATIONS・発 売 元 ワーナー・ホーム・ビデオ・販 売 ----・提 供 ----・価 格 ----・字幕翻訳 瀧ノ島ルナ・吹替翻訳 杉田朋子・吹替監修 ----・吹替演出 ----・日本公開 ----・リリース ----・収 録 本編 104分 映像特典 21分・サ イ ズ 16: 9 LB シネマスコープサイズ・音 声 1.オリジナル (5.1chサラウンド) 2.日本語 (5.1chサラウンド)・字 幕 1.日本語字幕 2.英語字幕 3.日本語吹替用字幕・そ の 他 片面 1層、COLOR、MPEG-2、 DOLBY DIGITAL、 NTSC 日本市場向 輸出禁止商品、 DVD VIDEO、レンタル専用・映像特典 “幸せのレシピ”が出来るまで (キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、 アーロン・エッカート インタビューと メイキング映像)※ピクチャディスク【ジャケット】・オモテ面:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ × アーロン・エッカート “日々がんばるあなたに贈る とっておきの ハートフル・ロマンス!!” ――Clay Smith, THE INSIDER・ウラ面 :“二大スターが醸し出すケミストリーが スクリーンに充満して爆発寸前!” “…ピリッとスパイスがきいた 極上フルコース…” ――Clay Smith, “THE INSIDER”ターゲットを女性に向けたジャケットだと思う。邦題のレタリングにしろ、使われている画像、キャッチコピー、そして賛辞……。シンプルながら訴求力の高い仕上がりだ。うん、いいジャケットだ。【感 想】「粗にして野だが卑ではない」以前、劇場で前半だけ観て、結末が気になっていた作品。なぜ後半を観ていないかと言うと、“呼び出し”を受けたからである。(苦笑)映画に限らず、ライブでも演劇でも会場に入ったらケータイの電源はオフにすることにしている。ところが、この時はマナーモードのままだった。切り忘れである。“虫の知らせ”とでも言うか、そういう時に限って緊急連絡が入る。確かな予感があったわけではないが、何かが電源をオフにさせなかったわけだ。私は、慌ただしく劇場を出て、映画の後半は未見のままとなった。前半は良いテンポで展開していたので、後半はどうなるのか、ずっと気になっていた。TVでも幾度か放送されていたからボンヤリと粗筋は知っていたが、ちゃんと観たのは今回が初めてである。キャサリン・ゼタ=ジョーンズがシェフのケイトを演じるラブ・ストーリー。レストランを舞台にしたオーソドックスな作りだった。ドイツ映画『マーサの幸せレシピ』のリメイクだそうだ。オリジナルの方は未見である。今回、積年の思いを晴らすことが出来て嬉しかったが、正直なところピクサーのアニメ『レミーのおいしいレストラン』を彷彿させるエンディングには少しガッカリした。ステキだけど、「なぁんだ」という感じ。(笑)見せ方がよく似ていたからである。尤も、オリジナルが2001年の製作だから、2007年製作の『レミー~』の方が後になる。ピクサーは勉強熱心でリサーチに手を抜かないから、『マーサの幸せレシピ』を観ていないことはあるまい。元ネタがあったわけだ。機会があったらオリジナルの方も観なければ……。宿題が増えてしまった。(汗)共演のアーロン・エッカートは思いの外、料理人役が似合っていた。男子たるもの厨房に立つ姿が格好良くなければならない、と私は思っている。(笑)『ゲッタウェイ』にスティーブ・マックィーンが料理をする短い場面がある。これがまたカッコいいのだ。銃でドンパチするのと同じくらい、フライパンのタマゴにケチャップをかける姿が凛々しい。(ホントか?)料理ってヤツは適当に粗雑で適当に繊細でなければならない。昔、『料理の鉄人』を見ていて、アメリカから来た料理人の粗雑さにビックリしたことがある。材料を大切にしない上に、額の汗を拭った手で食材にさわる。帽子もかぶらない。パネライのゴツい腕時計をしたまま調理する姿は、とても教育を受けた人には見えなかった。ヒドいものだった。お米ひと粒にも神様が宿ると教えられて育って来た人の目には、極悪人のように映った。料理に対して“粗雑なだけ”の料理人の典型だった。また、そんな料理人を呼んで来るTV局の見識と品位の低さは、目をおおうばかりである。料理には、その人の生き方が現れる。美味しいものを食べさせたい、喜ぶ顔が見たい、元気になって欲しい、そう思う心が料理にこもる。A.エッカート演じるニックと姪のゾーイが、ケイトにピザを作るシーンがある。実に楽しそう。それがそのまま食卓に現れる。ジャングルの中でキャンプをしている、という設定。手で食事をして、終わったらみんなでゲーム。やがて、子供ははしゃぎ疲れて寝てしまう。きっと彼女には忘れ得ぬ夕食となることだろう。そんな食事が多ければ多いほど人生は豊かになる。アンバサダーホテルの“シェフ・ミッキー”で着ぐるみのキャラクタたちに囲まれた誕生会もいいだろうけど、もっと有意義な誕生日の過ごし方が家庭で出来るはすだ、と私は思う。そんなことを思わずにはおれないシーンだった。主人公ケイトの姪のゾーイ役は、『幸せの1ページ』でニムを演じたアビゲイル・プレスリン。実年齢に近い役だったのではなかろうか、自然体の演技が好ましかった。ドキュメンタリー畑の監督さんらしい演出だとも言える。観ていて心地よい作品だ。オススメ!