「矯正」の言葉の意味ってご存知でしょうか?辞書で調べると「欠点・悪習などを正常な状態に直すこと」とあります。歯科矯正的に言うならば、「間違った口・顔・体の使い方を改めて、健康で健やかな成長を促す」といったところだと思います。
この 「矯正」という言葉は、本当に的を射た言葉だと思います。
矯正治療というと皆さん「歯にワイヤーを着けて」といったイメージを持たれる方が多いと思います、ブラケット治療と呼ばれているものです。確かにそれも矯正治療に違いないのですが、数ある矯正治療の手段の中で、最後の最後の仕上げで使われる一方法にすぎません。
私がこれから書いてゆくのは、ブラケット治療が行われるずーっとずーっと前に行われる治療についてのお話です。
矯正治療で最初に行われるものは、何をさておき「欠点・悪習などを正常な状態に直すこと」です。日頃の間違った体の使い方を矯正することからスタートします。そういう意味では、矯正治療は出生時から既に始まっていると言えます。
「矯正治療は一筋縄はいかない」と前回のブログに書きました。その理由は身体に染みついてしまった悪習慣はなかなか改めることはできないからです。出生以来ずっと24時間365日続けてきて身体に染みついてしまったものを改めるというのは並大抵な事ではありません。
典型的な悪習慣の一つに、口呼吸があります。「口ぽかん」の子供さんよく見かけませんか?歯科検診に行くと、その多さにビックリさせられます。
「口呼吸の為害性と鼻呼吸の重要性」を伝えても、根気よくトレーニングを続けてくれる方は極少数です。続けられない理由の一つ目は、いくら言っても子供が出来ないので、、という親根負けケース。
何度言ってもできない、それが自分の子供となると本当に辛いと思います。でもくじけず続けてください、最後には報われるはずです。
2つ目の理由は鼻呼吸の重要性をお伝えしても、事の重大さに気付いていただけないケース。虫歯ができることにはとても敏感なのに、口呼吸については全く無関心といったケースです。
極端なな言い方かもしれませんが、鼻呼吸ができることの方が、虫歯が1本もないということよりずーっと重要です。というか、しっかり鼻呼吸ができている子供さんにはおそらくむし歯はないと思います。
思い出してほしいのですが、赤ちゃんの頃って口呼吸していましたか?鼻呼吸だったでしょう!動物は全て鼻で呼吸します。口で呼吸するのは鼻の詰まった人間だけです。
元々鼻呼吸だったわけですから、一番簡単な治療法は、「鼻呼吸のよい習慣を続けさせる」ことです。逆に言えば、口呼吸に変わってしまうキッカケを与えないようにするということです。これはとてもとってもとーっても重要な矯正治療です!
ですから矯正治療は出生時から始まっていますよ、となるのです。。多くの子供さんは1歳半検診で初めて歯科医と対面するわけですが、今までの1年半をどのように過ごしてきたか?結果はしっかり口元や顔立ちに出てきます。
日頃から正しい口・顔・体の使い方をすることこそが、「一番大切な矯正治療法」ということを覚えておいてください。