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テーマ:結婚(618)
カテゴリ:結婚
ニッセイ基礎研究所研究員 天野馨南子氏による『「生涯未婚率」男性が圧倒的に高いワケ』と題した文章が読売新聞提供でYahoo newsに掲載された。(2018/8/13) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180813-00010000-yomonline-bus_all&p=1 『「再婚男性と初婚女性」が9.7%、「再婚女性と初婚男性」が6.9%で、前者が後者の1.4倍に上っていた。』 これが男性未婚率が圧倒的に高い理由。要するに男性が複数回結婚しているから生涯未婚率では男性の方が高いという分析。この点については納得できる。 ところがそのさきが頓珍漢。 シングルマザーの貧困は統計的に明らかであって、そういう人は高い経済力を男性に求める。そこまではいい。しかし『結果的に初婚男性にとって、再婚女性と結婚する際の障害になる、と筆者は見ている。』という見解。なんで?要するに初婚男性より再婚男性の方が経済力があるということを何の説明もせずに前提にしている。 文脈からすると、年下初婚男性との結婚をすればいいという前提で、年下だと経済力がないから、ということらしい。 さらに対策を筆者はシングルマザーの経済力向上に求める。シングルマザーの経済力が高くなれば年下で収入の多くない初婚男性との結婚がしやすくなるというのだ。 さらに『再婚男性に強く見られる「若い女性への願望」を見直さなければならない、と思う。』いやそんなことしても問題解決にならないでしょ。 貧困男性は結婚できない。貧困女性は収入のある男性を頼って結婚する。それだけのことですべて説明できるのに筆者はそれを否定したくて他の要因を挙げたがっているらしい。 女性の生涯未婚率が高いのは経済的に独り立ちしていれば結婚する必要もないからでしょ。 若いうちは子供が欲しいということが結婚の動機になるけどある程度以上の年齢だとそれはなくなる。 だからその分は男性は余ってしまう。でもそれだけだと男女差は説明できない。 男女差があるのは女性が経済力のある再婚男性を頼って結婚するケースがあるから。 単身女性の貧困はシングルマザーに限ったことではない。未婚女性も同じ問題を抱えている。 男性が貧困だから結婚できないのだから、未婚女性の経済力向上があっても、結婚する必要がなくなるだけで貧困男性と結婚する理由なんかない。 再婚男性に強く見られる「若い女性への願望」を見直したところで貧困男性に女性が回ってくるわけでもない。 未婚女性の生涯未婚率が上がる要因にはなっても、未婚男性の生涯未婚率が下がる要因にはならない。 確かに男女差はなくなるかもしれないけど。 「結婚はお金で買えるのか」をデータで検証してみた 若い女性の理想の相手の条件とは? 天野馨南子 https://moneyforward.com/media/marriage/64308/ 調べてみると著者はこちらで女性は金目当てで結婚する、ということを否定している。 正社員の女性に無職男性が振られた話について『やっぱり女性はお金』という話ではないと否定。その根拠は結婚相手としてどんな相手を選ぶかというアンケートで『高収入』が高くないことを挙げる。 『家事や育児をしてくれる人、浮気をしない人』の方が重要だとか。 いやそれおかしいでしょ。そんなの建前でしょ。 家事や育児をしてくれて浮気をしなければ無職でもいいってアンケートじゃないでしょ。高収入でなくても、正社員で安定した収入があることなんて当然の前提のアンケートじゃないの。 結婚相手としてどんな相手を選ばないかを聞いてみればすぐわかる。 無職や低収入が上位に上がるはず。 無職の男性が正社員女性に振られるのは当たり前。『やっぱり女性はお金』という表現も間違いはない。正社員にもなれない男性が不甲斐ない、魅力も感じない、ということを『金目当て』と表現することに違和感はありうるとは思うけれど、決して間違いじゃないはず。 金がないことではなくて、職を獲得できないということが男性としての魅力がないということだ、とかなんとか言い訳できるかもしれなけれど、そういうことも金がないとダメという表現で間違いないと思う。 調査としての妥当性を欠くデータを使ってこんな頓珍漢なこと書いて研究職やってられて新聞に記事が載るなんて驚き。新聞側にチェックできる人もいないのかね。
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Last updated
2018/08/14 03:38:40 AM
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