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カテゴリ:Books
今日は学校の図書館で、My Man BLUEっていう絵本を見つけた。分厚い本なら読むのが苦痛になるからいつも手に取らないけど、絵本だから、と思って読んでみた。黒人の男の子の話。彼がBLUEという大人(彼もまた黒人)にいろいろなことを教えてもらってたくましくなるという短い物語だ。
黒人の男の子には父親が居ない。「家族の中で男は僕だけだから」という記述がある。そしてまた黒人の男性も息子をどういう理由かで失っている。 黒人の家庭は母子家庭が多い。きっと、黒人の少年はこの男性に、自分の想像する父親像を重ねていたのかもしれない。もちろん、ダイレクトにそのような記述は出てこないけど、BLUEはいつだって少年にとって父親のようだった。「女の子に手を上げてはいけないよ」「人はなぜ銃をで人を撃つのか、その人は本当は恐怖心があるからなんだ、君も大人になれば分かる」・・・。 この題材、このエピソードは日本人には書けないだろう。だって私たちは暴力や銃に日常的に囲まれているわけではないから。もちろんこの本のほとんどは、BLUEと少年との平和的なエピソードだ。公園に行ったり、ホットドッグを食べたり、街を二人で歩いたり・・・。普通に読めば、普通の少年と男性の友好関係のお話なのかもしれない。ただ、時々彼らにしかわからない痛みや深い問題を読む人に投げかけてくる。作者は、父親の居ない黒人たちへ、この本の中に出てくるBLUEの言ってる言葉を受け止めて、父親の言葉のように大事にして欲しかったのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.10.06 07:54:08
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