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その他の事ですが、アメリカ政府に提出する報告書の原稿らしい文章について、アメリカの有名な人類学者から、直々に意見を求められたようです。
それは、主に、戦前にアメリカに輸入された、古い日本映画と、日本文学の内容分析、それに加え、西海岸に居る、一世日本人で、強制収容された人々を対象とした、面接調書の分析です。 これも先に記載した件と同様に、明らかに戦争とそれに続く、占領後にとって必要な日本人の心理を知るための参考資料。南青年は、その資料の内容について、データーが偏っていることと、歴史的視点が欠けていること、天皇の問題についての考察不十分であることなどを,指摘されたとのことです。 この報告が、アメリカ政府に委嘱された、ルース・ベネディクトの手によるリポートとして政府に提出、また、名著『菊と刀』の原資料だったことを知ったのは、戦後のようです。 その後、上司の教授からシカゴ大学のマッサーマン教授の研究室を薦められました。 マッサーマンの猫と云えば、精神医学や心理学の分野では有名。その後まもなく、話はご破算になった、理由は分からないが、敵性外人という身分が問題視されたのではと感じたようです。敵国で、戦時中です、受け入れを拒否されても当然です。その時期、南青年の学友が、ヨーロッパ戦線で、若い命を落としたのです。戦争は終局に近づいた。 ついに、東京の大空襲が始まり、新聞を見ると、東京の上空から撮った写真が掲載され、火炎の炎で覆われた、我が東京の痛ましい姿を目にしたのです。 友人に東京の空襲に参加人も何人か居て、大学に戻ってきて「東京の高射砲はよく当たる」と言われ、寂しい思いをしたようですが、やがて原爆投下のニュースが伝わった。 友人たちは「これは(原爆投下)恥ずかしいことだ!ルーズベルトなら、非武装の人々の上に落とさなかったに違いない❕」ルーズベルト大統領は国民に惜しまれながら亡くなり、トルーマンが大統領になっておりました。 アメリカの良識ある人々の最初の反応は皆、同じ思いのようでした。 アメリカ人は加害者意識を持っているが、本当の加害者は、最初に戦争を始めた日本の軍部であることは忘れてはいけないと感じたようです。悪夢のような5年間は終わった。 そして、日本に降りたった、マッカーサーと天皇の並んだ写真が新聞に大きく出た。 これで、アメリカ政府は、アジアの反共戦線の砦として、日本の天皇制を維持することに決めたのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年12月10日 09時32分34秒
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