8月14日(月曜)未明4時ごろ、異変で目が覚めた。
右耳の辺りに異変が起きているのが分かった。
右耳の中や周辺の側頭部の辺りで、「ゴッゴッゴー」、「グジュグジュグジュ」というような音が響いているのだ。
何か液体が中に入っているような感覚もある。
音は止まることなく頭の中で響いている、轟音にも似たような感じで、何かとてつもなく恐ろしいことになっているのではないかと不安になる。
頭の中から膿とか、脳みそが溶け出して耳から出てきているのではないかという感覚になる。
右耳が下になるように頭を傾けて、そーっと耳に手を当ててみる。
何も出てきていないようだ、特に指が濡れたりもしていない。
しかし、恐ろしい音は鳴り響いているままだ。
30代半ばの頃、私の右耳は突発性難聴になったことがあるのだ。
この時は、痛みとかそんなものはなく、聞こえなくなっていることにすら気づいていなかった。
普段の生活では反対側の左耳は聞こえているので気づき難いのかもしれない。
確か、電話の声が異常に聞こえにくいことで「あれ?」となったのである。
ただ、このときは突発性難聴とか知ってる由もないので、何だろうこれ、そのうち戻るのか?と呑気なことを考えていた。
そして、会社の人と話しているときに、この耳の不調の話をしたのだった。
するとその先輩が、池袋のここの耳鼻科はいい病院なので行った方がいいよと言ってくれた。
たぶんこの言葉が無かったら、病院に行くのはさらに遅れていたと思う。
「突発性難聴ですね」とお医者さんから言われた。
「治りますか?」と呑気に聞いたわし。
「わかりません、回復するかもしれないし、回復しないかもしれません」と。
「え? 治らないかもということですか?」
急に真剣に聞き始めるわし、恐怖感というか焦りというか不安が襲ってきた。
症状が発生してから病院に行くまでに何日間あったかがかなり重要なポイントらしい。
はっきりといつ発生したかは分からなかったが、1週間程度は経過していたように思う。
薬での治療らしい。
ステロイド剤というものらしい。
症状発生からいかに早く治療を受けるかが最重要ポイントで、早いほど回復の確率は高く、遅くなればなるほど確率はどんどん低くなり、聞こえない状態が固定化してしまうらしい。
私の場合、この投薬治療で幸運にも右耳の聴力は回復してくれた。
但し、ある周波数帯だけは少し聞こえが悪い状態のままとなった。
ある周波数帯とは、男性の声の辺りかな、女性の声の周波数はよく聞こえるようになっていた。
聞こえが悪いと言っても、電話で男性と話すとき少し聞き取りづらいことがあるが、少しボリュームを大きくすれば問題無いというレベルだった。
そしてもう一つは耳鳴りが残った。
キーンという耳鳴りは今もあるが、もう長い付き合いなので慣れた。
そういう経験があるので、耳の状態には常にいろいろと気にかけている方なのだ。
そして、今朝未明の右耳の異変。
私はすぐに、右耳のすぐそばで親指と人差し指をこすって摩擦音を出しその聞こえを確認した。
聞こえている。
まだ聞こえているようだ。
頭を傾けたり、右耳の周りの側頭部をさすったり押してみたりしてみたが、中で響く轟音は止まない。
頭の中で、何が起こっているのか考えるが、まったく分からない。
暫くすると、耳の中から痛みが。
痛い、なんだこの痛みは、何が起きているんだ。
うずくまるようにして耐える。
あ、そうだ、また指をこすって聞こえを確認する。
さっきより音がかなり小さいような。
この痛みと轟音が鳴りやんだら全く聞こえなくなっているのではないかと。
急に冷や汗のようなものが出て来た。
暗闇の中で、不気味な音と痛みに耐えながら、殺すならひとおもいに殺ってくれぇーという気になる。
救急車を呼んだ方がいいのか、そんなことも考える。
ん?少し痛みと音が小さくなってきたような気がする。
30分? 1時間? それくらい経っただろうか、痛みと音は引いたようだ。
しかし、右耳の聞こえをチェックすると、明らかに聴力が落ちているのがわかった。
まずいな、これは。
さらにまずいのは、今日はお盆のど真ん中だ。
とにかくPCを立ち上げてネットで検索。
別府市の耳鼻科とか救急病院。
別府市の救急病院には耳鼻科が無い。。
医療センターとかいう(旧国立病院)は耳鼻科はあったが月曜は診療していない。
その他の耳鼻科の病院はすべてお盆休み、それも水曜までとか。。
HPを持っていない病院もあるので、受付開始時間を待ってから電話してみるが、すべて留守電になっているので、お盆休みなんだろう。
腐っても医者だろ、専門ではなくてもどういう状態なのかは、わしよりは分かるのではないだろうかと思い、とりあえず中村病院に行ってみた。
「うちには耳鼻科は無いんですよ、聴力を計る機器もないのでうちでは無理です」と。。
消防本部なら開いている病院を知ってるかもしれないので電話してみたらと教えてくれた。
また、医療センターなら事情を話せば診てくれるかもとも言ってくれた。
消防本部は耳鼻科のお盆休みの状況までは把握していないんだって。
とりあえず、家に帰る。
医療センターに電話してみたが、やはり今日は診療は無いし、紹介状が無いと診れないのでどこかの病院で紹介状をもらってから来てくださいと。
あー、詰んだな、諦めてお盆休みが終わるのを待つか。
ネットで耳の症状について調べていると、まぁ命に係わるような緊急性はないようなので少し落ち着いていた。しかし、聞こえの回復には何はともあれ病院にいくことが大切なのだ。
ふと、大分市の耳鼻科を検索してみようかと。
あら、2つ目に県立病院出て来たなぁー、あ、ここは耳鼻科もあるなぁー、でも休みなんじゃない?
調べてみると、お盆休みとかはないようだなぁー。
ん? 紹介状を持ってきてくれと書いているが、紹介状が無くても金払えば見てくれるとも書いているな。
しかし、ここの診療は午前中だけで、その受付も11時までだと。午後は予約の診療だけと。
もう11時回ってるし。。
ダメもとで電話してみる。
総合受付みたいなとこかな、今朝の状況を切羽詰まったように説明した。
親身な方なのか異変を察知してくれたのか、とりあえず耳鼻科の先生に繋いでくれるらしい。
耳鼻科の先生にも状況を詳しく説明した。
「今から来れますか?」
「え? 診てもらえるんですか?!」
「はい、聴力も落ちているということなので診た方がよいでしょう。」
「但し、予約の患者さん優先なので何時間待つかわからないですよ、
それと紹介状が無いので別途7700円掛かります、それもでもよいですか?」
「はい! 全然大丈夫です! ありがとうございます!!」
県立病院が仏様に見えた瞬間だった。
車を飛ばして、県立病院へ急いだ。
その前に、わしは愛用の小銭入れを落としていたのだった。
家の中も、ズボンのポケットにも、車の中にも無い、今までの人生で財布を落としたことなどないわしが小銭入れを落としたのだ、落としたすれば中村病院の駐車場か。
わしが先ほど停めていた場所へ行ってみた、無いか。。
ん? 植え込みのレンガの上に黒い四角いものが見えた。
あーー! わしの小銭入れだぁー、あったぁーーー!!
とてもうれしかった。
お盆なので、10号線が渋滞していないことだけ祈る。
13時頃までには着くと思いますと言って電話を切ったが、12時15分頃に着いた。
渋滞は無かった、よかったのだ。
2時間、3時間待つつもりで来た。
あれ、意外と早く呼ばれたぞ、30分も待ってないぞ。
若い男性の先生だ。
まずは経緯と症状を説明した。
そして、まずは耳の中を見てくれた。
見終わったようだ。
「あ、鼓膜に穴が開いてますね」と。
「え? 鼓膜に穴!?」
まったく想像していない言葉に、頭の中が??だらけになった。
鼓膜が破れたら全く聞こえなくなると思っていたが、そんなことはないらしい。
太鼓の皮や、スピーカーのコーンのようなもので低音の響きに影響が大きいので、鼓膜が破れると低音が聞こえにくくなるらしい、高音はそれほどでもないと。
後で確認したが、右耳だけで聞くと、TVの男性アナウンサーより女性アナウンサーの方が聞こえやすいのだ、本当だな。
自然に穴が開くことがあるのか聞いたが、普通は無さそうだった。
虫の可能性もあるとのことだった、虫が耳の中に入って暴れたとかも原因としてあるらしい。
え、えー、むしぃーー、が。
普通は、耳かきとかで破ってしまうとかも多いらしい。
後は気圧の変化とかという話も出た。
気圧の変化? あ、土曜日は自転車で山の上から下ってくるんですが、このとき耳が詰まったように感じになることがありますとも話したが、直接は関係なさそうだった。
耳の中の画像を画面で見せてくれて、「ここに穴が開いてます」と。
わしは、鼓膜が破れたのだから、障子の紙が破れたような状態を想像していたのだが、
実際の穴は小さく、タイヤのチューブに空いた穴をちょいと引っ張って見やすくしいるような状態と言えば分かるだろうか。わかんないよね、わしもようわからん。
ま、穴の大きさは患者それぞれ様々なんだと思う。
その後、細かい聴力検査をしてもらい、最後は顕微鏡で見てもらって異物等が無いかの確認・掃除をしてもらった。
で、治療方法は、経過観察!!
え? そんだけ?
皮膚を擦りむいたりしても、自然とかさぶたが出来て最後は元通りになりますよね、それと同じように鼓膜は自然治癒能力が高いらしいのだ。
炎症対策として抗生物質を3日分だけ処方してもらっただけだ。
次は2週間後に診療予約してくれた。
聴力の低下は、鼓膜が破れたことによる影響と思われ、内部の器官は問題なさそうとのことだった。
つまり、鼓膜の穴が閉じれば聴力も戻るだろうということなのだ。
ちなにみ、骨伝導スピーカーといのはこの鼓膜を揺らすわけではなく、骨を通じて感音器官に振動を伝えているので鼓膜が破れててもちゃんと聞こえるらしいよ、ネット情報だが。
突発性難聴というのは、一度罹ると二度は罹らないという話を昔調べたことがありそれを信じていた。
なので、今日は、また発生したのかぁーーという絶望感もあった。
しかし、今日のは難聴ではなく、鼓膜に穴が開くというまったく別の原因での聴力低下だった。
不安なのは、わしも歳なので、膝を擦りむいたりしたときの傷の治りが遅いということだ。
若いときはあっというまにかさぶたできて治ってていたような傷も、今は中々治らない。
鼓膜の穴が3ヵ月、6ヵ月経っても塞がれない場合は、別の治療法となるらしい。
あ、これはネット情報ね。
治療費は2千円ほどで、それプラス紹介状が無い分として7700円で、合計1万円程だった。
結果としては、慌てなくて盆明けでもよかったのかもしれないが、過去の経験や原因の分からないままの不安解消としては、今日診断してもらって正解だったと思う。
問題発生したらすぐ動かないとね、仕事でもなんでも。
最近の若いお医者さんは、患者に対する言葉が丁寧だなぁーと、教育が変わってきているのかもな。
「耳の中を見させてもらっていいですか?」
「聞こえの検査をさせてください、いいですか?」
というふうに、患者に対して何かを行う場合に、丁寧に許可を取ってから行うようだ。
時代は変わったのか。
ん? いや待てよ、いつも行っている病院はそんなことないなぁー。。
なので、こんな丁寧に聞かれたら、
「はい! よろこんで!!」と答えそうになった。
歳と共に、いろいろと不具合が出てくるよなぁーわしの身体。
なんか勝手に、80代まで生きるだろうって思っていたけど、最近は70代くらいで終わるかもなぁーというふうに考えるようになり、それに合わせて自転車ライフワークを考えるようになってきた。
もっともっと登れる脚に早くしていかないと、中央アルプスの山々の峠に生きているうちに行けなくなってしまうぞ!と思うようになっているのだ。
最後にお医者さんに聞いた。
「お風呂とか自転車、運動とかしてもいいんですか?」
「ええ、大丈夫ですよ、水泳とか耳に水入るようなのは止めておいてください」と。
自転車OKということだ。
え? お前、60代で終わる人も多いんだよって?
し、知っているが、、そこを考えると近すぎて。。
おまけ:
「はい! よろこんで!!」とは言わなかったが、実際は、
「はい! もちろんです!!」とテンション高めで返事してた。
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