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別ヴァージョンの人間史 by はやし浩司

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2006年11月01日
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カテゴリ:子どもの問題
●観察学習

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子どもの世界には、「観察学習」と
呼ばれる、よく知られた現象がある。

子どもは、まわりの人たちの様子を
見ながら、自ら学習していく。

それを「観察学習」という。

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 子どもの世界には、「観察学習」と呼ばれる、よく知られた現象がある。子どもは、まわりの人たちの様子を見ながら、自ら学習していく。それを「観察学習」という。

 この観察学習のすぐれている点は、子どもが自発的に学んでいくという点で、それがよい方向性をもっているものであれば、きわめて効果的であるということ。(もちろん、その反対もあるが……。)

 たとえばあることをして、隣のA君が、先生にほめられたとする。すると、その子どもはそれを見ながら、「自分も同じことをすれば、先生にほめられる」ということを学ぶ。そしてつぎの機会に、その子どもは、A君がしたことと同じようなことをして、先生にほめられようとする。

 子どもは、さまざまな経験を通して、自分自身の精神力を、(強く)していく。これを発達心理学の世界でも、「強化」という。わかりやすく言えば、(やる気につなげていく)ということ。たとえば(何かをする)→(先生にほめられる)→(それがよいことだと学ぶ)→(さらに同じことを繰りかえす)と。

この強化が重なって、子どもは、自発的に、かつ、前向きに行動するようになる。

 観察学習は、直接、自分で経験するのではないという意味で、「代理強化」と呼ばれている。が、そのモデルは、必ずしも、現実のものとはかぎらない。テレビや本の主人公をモデルにすることもある。映画のヒーローを見ながら、モデルにすることもある。

 たとえば私は子どものころ、自分がその子どもであることを忘れて、よくこう言った。「ぼくは、女と子どもは相手にしない」と。多分、何かの映画の中で出てきたセリフを、そのまま口にしていたのだと思う。それを口にしたとき、どこか、自分がヒーローにでもなったかのように気分がよかったのを、今でも、よく覚えている。

 で、この観察学習には、二面性がある。先にも書いたように、それがよい方向性をもっていればよい。しかし、ときとして、それが悪い方向性をもつこともある。

 たとえばB君ならB君が、何か悪いことをして、得をしたのを、ある子どもが見たとしよう。万引きでもよい。B君が、万引きをして、その子どもがほしかった、ゲーム機器を手に入れたとする。それをその子どもが見ていたとする。

 このときその子どもは、万引きをすれば、自分のほしいものを手に入れることができるということを、学習する。が、こうしたケースでは、それが発覚すれば、当然のことながら、罰を受けることになる。(万引きをする)→(罰を受ける)、と。それを見ながら、今度は、その子どもは、「万引きをすることは、悪いことだ」ということを学習する。

 そこで重要なことは、子どもは、子ども時代に、できるだけ多くの経験をし、行動のレパートリーをたくさんもつということ。もちろんその中には、ここでいう観察学習も、含まれる。それは多ければ多いほど、よい。万引きをして得をした子どもだけではなく、万引きをして、親に叱られる子どもも、同時に観察しておかねばならない。

 まずいのは、たとえば親子だけのマン・ツー・マンの世界をつくりあげ、その中で子どもを育てること。子ども自身は、一見、ものわかりのよい子どもになるが、レパートリーが少ない分だけ、小回りができなくなる。臨機応変に判断し、行動できなくなる。判断するとしても、どこか偏(かたよ)ったものになる。

 話が脱線したが、私は、「子どもの先生は、子ども」と考えている。だから私が主宰するBW教室では、ある学年(小学4、5年生)を過ぎるころから、上級生といっしょに座らせて、勉強させるようにしている。

 こうすることによって、上級生から(勉強ぐせ)を受け継ぐことができる。言うなれば、これも観察学習ということになる。

 この方法のすぐれている点は、1年先、2年先の自分の未来像を、子ども自身がもつことができるということ。わかりやすく言えば、未来に向かう(地図)を手に入れることができる。

 またまた話が脱線したが、この「観察学習」という言葉を、心のどこかに留めておくと、子どもを指導する上で、役立てることができる。子どもが、子どもの目を通して、そのとき、何を見、何を考えているかを知る。それだけでも、子どもの指導法が、大きく変わってくる。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 観察学習 強化 代理強化 モデル)






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最終更新日  2006年11月02日 09時09分24秒
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