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別ヴァージョンの人間史 by はやし浩司

別ヴァージョンの人間史 by はやし浩司

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2006年11月04日
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カテゴリ:友人より
Mさんへ

拝復

 メール、ありがとうございました。たいへんx10、興味深く読ませていただきました。この日本でも、ここ数年、貧富の差がひどくなってきたように思います。浜松はまだようほうですが、郷里の田舎のほうへ行くと、それを強く感じます。

 そうそうその浜松ですが、HONDAなど、大企業の工場が、どんどんと他県へと移転しています。SUZUKIもYAMAHAも、です。今、残っている工場は、もう、ほとんどないほどです。

 Aタワーに始まって、「音楽の町づくり」だとか、「花博」だとか、金持ちの道楽のようなことばかりしているうちに、こうなってしまいました。ここ20年のことです。工員を大切にしないのも、浜松の特徴です。

 日本の将来も心配ですが、この浜松のことも心配です。この町は、いったい、これから先、どうなるのでしょうね。市のおバカさんたちは、「市街地の活性化」という言葉を、お題目のように唱えていますが、市街地が活性化するかどうかは、あくまでも、「結果」です。結果としてそうなるのです。

 駅前だけ、500億円単位の、莫大な費用をかけて、化粧して、それですむという話でもないのです。すべきことは、市の産業を活性化させること。それとも、浜松を、花木(かぼく)の町に変身させようとでもいうのでしょうか。

 基本的な部分で、市の行政は、おかしいです。近視眼的というか、浜松の中からしか、この浜松を見ていない。

 ……とまあ、暗い話になってしまいましたが、中国から見ると、それがよくわかっていただけるのではないかと思います。

 プライベートな部分は省略させていただきましたが、以下のように、Mさんのメールを、マガジンに転載したいのですが、よろしくご協力ください。どこか都合の悪い点があれば、ご連絡ください。

敬具

+++++++++++++++++++

上海に住む、Mさんより、近況が届いて
います。

+++++++++++++++++++

はやし先生

ご無沙汰しております。お変わりありませんでしょうか?

前回メールを送ってから、あっという間に、いつの間にか、11月になってしまいました。

また、我が家のPCには日本語版ウィンドウズと、中国語版ウィンドウズが入っていまして、日本語版がウイルスに感染してしまったりして、なかなか、メールできませんでした。

10月半ば過ぎより上海K大学という学校の日本人向け中国語講座に通っています。週3日、1日3時間ですが、ひさしぶりの授業で、疲れ気味です。

先生は若い女性で、去年は日本の早稲田で、中国語を教えていたとかいう先生です。

生徒は駐在員の妻3人、駐在員なのだけど、中国語の全くできない会社員、こちらで会社経営している友人を手伝いに来たという、父母子の3人。計7人です。同じ時間帯に私たちのクラス以外にも日本人、韓国人向けのクラスがたくさんあります。

学校自体は語学を教える学校ではないので、商売(?)として開講している講座です。3か月のコースです。1時間当たり、450円程で教えてもらっています。日本にいる間も、少しだけ中国語を習いに行きましたが、非常に高額でした。こちらの人には決して言えないくらい。

最近バスによく乗ります。学校に行くときは、時間がないのでタクシーですが、帰りはバス。このバスが日本では見かけないほど古いです。路線によっては新しいものも走っていますが、私が使う路線は古い車ばかり。幸い、今まで故障に遭遇したことはありませんが、先日煙を出してとまっているバスを見かけました。タクシーも、ボンネットから煙を出して止まっているのをよく見ます。こういったトラブルに巻き込まれたときのためにも早く中国語をマスターしたいです。

最近気がついたのですが、外に出ると常に緊張しています。予期せぬ出来事が起こるのを恐れています。タクシーに乗って、道を間違えられたり、ごまかされたりしたらどうしよう。スーパーのレジで何か聞かれて、分からなかったらどうしよう。小さなことなのですが、言葉ができないということは、すごいストレスです。今までは、そのストレスを感じる余裕がなかったのだと思います。

こちらの人は、よく道を尋ねてきます。それに答えることができないのもストレスです。市場で話しかけてきたおばあちゃんに応対できないのも寂しかったです。顔見知りになった果物屋のおじさんとも話ができません。キャッチセールスの人を無視したら悪口を言われ、(これは中国語の先生に教わっていたので分かった)、言い返せず、悔しい思いをしたり。

見ていてほっとすることもたくさんあります。

バスや地下鉄の中で、お年寄りがいるとすぐ席を譲る人が多いです。譲る人がいないと、バスの切符切りの人が適当な人をどかして座らせています。

世話焼きの人も多いのかな? 近所のおまんじゅう屋さんに行った時、肉包(肉まん)しか分からないで行ったのですが、あいにく肉まんは1つだけしか残っていませんでした。全部で5個ほしかったのに、ほかのものの名前が分からないで、お店のお兄さんともめてたら、そばにいたおばさんたちが集まってきていろいろ口出ししてきます。何を言っているのか分からないけれど、適当に入れてあげなよ、とか、代わりにこれでいいじゃない、みたいな事を言っていたのではないでしょうか。

結局、中身の分からないおまんじゅう4個と、肉包1個を買いました。中身の分からないものは肉菜包という肉と青梗菜のおまんじゅうでした。

上海では物乞いをよく見かけます。中国語の先生いわく、彼らは職業(?)乞食だから無視してください。本当に援助の必要な人(働くことが困難な人)は、国が助けているから。私も見て見ぬふりをしています。中には赤ちゃんを連れて、道端に座り込んでいる若い女性もいます。

でも、子供は商売道具なのだそう。先日、ショッキングなことがありました。夜、私たち4人で外を歩いていたときのこと。夫が少し離れて私たちの前を歩いていました。そこへ、5歳くらいの子供を抱えたみすぼらしい身なりの男性が近づいていきました。後ろから見ていて物乞いの人だな、と思っていました。夫に何か話しかけて、その後、後ろにいた私たちを見て、離れていきました。「子供要らないか?」と夫は聞かれていたのです。お金をくれ、ではなく。抱えられていた子供は一見、眠っているようでしたが…。

上海は都会かもしれません。でも、都会という点よりも空虚さのほうを強く感じることがよくあります。新しいビルがどんどん建ち、高級マンションも次々売りに出され、それを買う富裕層たち。反対に、取り壊される建物、廃墟となっているビル、物乞いの姿。

上海は短い秋を迎えています。キンモクセイが、いたるところで香っています。
今の季節が一番過ごしやすいのかも知れません。すぐに寒くて長い冬がやってきます。

 上海、Mより。


【Mさんへ、はやし浩司より】

 数週間前、オーストラリア人の家族たちが、私の家にホームステイしていきました。来る途中、上海に寄り、数泊したそうです。

 で、その中の1人が、こう言いました。ホテルは豪華。しかし一歩、外へ出たら、道路は未舗装で、石ころだらけだった、と。

 おまけに、その中の1人が、スリにあい、カードとか、身分証明書、それに、小切手などを盗まれてしまったそうです。

 みな、かなり印象を悪くしたようで、中部国際空港に着くやいなや、中国の悪口ばかり。当然です。

 ……ということで、あれだけの大国をまとめるのも、たいへんだなあと思ってしまいました。

 で、アドバイス。(生意気にも……!)

 外国へ行ったら、バカになって、その国に溶けこむしかないですよ。どこかで突っ張っていると、やがてその国から、はじき飛ばされてしまうか、あるいは、自分がおかしくなってしまうかのどちらか、です。『郷に入れば、郷に従え』です。

 中国の最大のよさは、あの(広大さ)にあると思います。日本のそれとは、比較にならない。スケールがちがう。揚子江にしても、今では、600キロもの船旅ができる川に変身しました。一度、行ってみられたらどうでしょう? せっかくのチャンスですから……。

 いえね、中国の人たちは、日本の歴史は、自分たちの歴史の一部と考えているでしょ。『東洋史』という視点で、日本を考えているわけです。日本に生まれ育っていると、そういう史観は、なかなか理解できませんが、中国へ行ってみると、それがよくわかります。

 そういうふうにして、中国を見なおしてみるのも、よいかもしれません。私は、率直に言えば、Mさんが、うらやましいです。どうか、その(うらやましいと思う部分)を、十分、楽しんできてください。 この日本だけに住んでいると、自分が、どんどんと小さくなっていくのが、実感としてわかります。

 いやですね。ホント!

 何かとご苦労もあるようですが、どうかまたメールを送ってください。楽しみにしています。

                               はやし浩司より





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最終更新日  2006年11月04日 10時57分03秒
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