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別ヴァージョンの人間史 by はやし浩司

別ヴァージョンの人間史 by はやし浩司

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2008年10月05日
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カテゴリ:英語のことわざ
●All’s well that ends well.
終わりよければ、すべてよし。

「結果」がよければ、それまでの苦労は報われる。
子どもの世界で言えば、たとえば目的の学校へ進学できれば、それまでの苦労は報われる。
が、このことわざには、「裏」がある。
反対に、「終わりが悪ければ、すべて悪かったのか」ということになる。
ある母親は、自分の息子が高校入試に失敗した夜、息子にこう言ったという。
「小さいときから、あちこちの塾へ行き、音楽教室へも通ったけど、すべて無駄だった
わね」と。
しかしほんとうにそうだろうか?
そう言われた子どもは何と答えればよいのだろうか。
そのあと、その子どもは、どうすればよいのだろうか。
『終わりよければ、すべてよし』ということわざの裏には、そんな意味も隠されている。


●All lay loads on a willing horse
人はやりたがる人に、仕事を任す。

だれかに仕事を頼むとき、乗り気でやってくれそうな人に、仕事を頼む。
もとからやる気のなさそうな人には、仕事を頼まない。
こうして乗り気で仕事をやってくれそうな人は、つぎつぎと仕事を頼まれ、伸びていく。
そうでない人は、そうでない。
子どももまたそうで、伸びる子どもは生きざまそのものが、前向き。
何かテーマを与えると、「やる!」とか、「やりたい!」とか言って、食いついてくる。


●All roads lead to Rome.
すべての道は、ローマに通ず。

ローマが全盛期のときには、すべての道は、ローマに通じていたという。
それが転じて、「人の流れは、そのときどきにおいて、もっともパワーのある人に
向かう」という意味に使われるようになった。
今風に言えば、「すべての教育は、受験に通ず」ということか。


●All that glitters is not gold.
光るものがすべて、金とはかぎらない。

たとえば子どもの計算力がある。
計算力があるから、算数の力、つまり考える力があるということにはならない。
よい例が、かけ算の九九をペラペラと口にする幼児がいる。
そういう子どもを見ても、だれも、「算数の力がある子ども」とは思わない。
同じように、経文をソラで唱えることができるからといって、その人が仏教に
精通しているとは、だれも思わない。
計算力は、訓練で伸びる。
子どもの力は、見かけだけで判断してはいけない。


●All things are different before they are easy.
どんなことでも、できるようになる前は、むずかしい。

パソコンの世界では、毎日のように、こんな経験をする。
それができないときは、「どうしたらいいのか?」と、悶々と苦しむ。
しかしいったんできるようになると、「どうしてこんなことができなかったのか」と、
思うようになる。
そしてそれができない人がいることのほうが、不思議に思えてくる。
同時に、パソコンをいじっている人なら、みな、できるように思えてくる。
子どもの教育も、また、しかり。
一般的には、達成率を、50~70%程度にするとよいと言われている。
簡単すぎる問題を、サラサラとしても、達成感は、ない。
しかし難しすぎる問題で、行き詰まってしまったら、これまた達成感はない。
適当にヒントを与えながら、また教える先生も、いっしょに苦しむ様子を見せながら、
50~70%くらいできるようにするのがよい、と。


●All work and no play makes Jack a dull boy.
勉強ばかりしていて、遊ばない子どもは、つまらない人になる。

子どもの仕事は、「遊ぶこと」。
そう心得て、子どもの遊びを大切にする。
が、中には、学校から帰ってくると、毎日、2時間も書き取りをしているという子どもが
いた。
当時、小学2年生だったが、その子どもの祖母は、それをたいへん喜んでいた。
しかし異変はやがて起きた。
目を激しくまばたきするようになった。
眼科へ連れていくと、「チックです」「塾通いが原因です」と。
そこでその祖母は、すべての塾をやめてしまった。
が、それがかえってまずかった。
その子どもは、そのまま、バーントアウトし、何もしなくなってしまった。


●Any port in a storm.
嵐の中の港。

日本でも、『溺れる者、藁をもつかむ』という。
嵐の中では、どんな港でも、ありがたいという意味である。
しかし言い方を変えると、「どんな港でもいい」と考えて、おかしな港に身を寄せると、
ときに自分の人生を破滅させてしまうことになりかねない。
数か月前、ある教材販売会社の社長が逮捕された。
何でも1年で、100~200万円の指導料を取っていたという。
その解約に応じず、それで逮捕された。
が、それでこうしたインチキ教材会社が消えたわけではない。
会社の名前を変え、教材の表紙だけを取り替え、今もどこかで活動しているという。






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最終更新日  2008年10月05日 06時36分09秒
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