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カテゴリ:心の問題
●催眠術
催眠術については、今さら、改めて、ここに説明するまでもない。 あの催眠術を使えば、心の奥の奥、深層心理までコントロールすることが できる。 こんな実験を、私は、直接、目撃したことがある。 実験者(催眠術師)が、被験者(女性、30歳くらい)にこういう暗示を与える。 「あなたは目をさましたあと、隣の部屋に行って、ハサミをもってくる」と。 で、そのあと被験者は催眠術から解かれ、我に返る。 が、そのあとのこと。 被験者は席を立ち、隣の部屋に行こうとする。 それを見ていたほかの人が、「どこへ行くのですか?」と聞くと、 「ちょっと、隣の部屋まで……」と。 そこで「どうして隣の部屋に行くのですか」と聞くと、 「ハサミを取りにいくのです」と。 「なぜ、ハサミを取りにいくのですか?」 「あら、……どうしてかしら?」 「ハサミで何を切るのですか?」 「でも、ハサミを取りにいかなきゃ……」と。 その女性は、自分の意思でハサミを取りに行くようにみえた。 が、実際には、他人によって作られた(暗示)に、操られていただけ。 ハサミが、なぜ必要なのか、それについては、まったく考えていなかった。 ●もうひとりの「私」 乳幼児期(0~2歳)から幼児期前期(2~4歳)にさしかかってくる と、子どもは、「いや」という言葉を連発するようになる。 母「お外へ行こうか」 子「いや」 母「じゃあ、おうちの中で遊ぼうか」 子「いや」と。 そういう子どもの反応を観察していると、子どもの意思というよりは、 子どもの意思そのものが、さらに奥深い意識によって操られているのがわかる。 何も考えず、条件反射的に「いや」と言う。 子どもの心の中で、自立に対する意識が芽生え始めているためと考えてよい。 その意識が、親の言いなりになることに対して抵抗する。 同じような現象がおとなの世界でも、見られる。 私のワイフでも、虫の居所が悪くなったりすると、何かにつけて拒否的な態度 を示すようになる。 私への嫌悪感が、ワイフを裏から操る。 「あれもいや」「これもいや」となる。 ●残った物欲 ……ということで、9800円のソーラー電波時計は買わなかった。 が、ここでまた別のおもしろい反応が、脳の中で起きた。 視床下部の指令を受けて、ドーパミンが放出された。 そのドーパミンが、線条体を刺激した。 私の線条体の中には、物欲に反応する受容体ができあがっている。 「何かほしい」と思うと、それを自分の意思で止めることがむずかしくなる。 アルコール中毒の人が、酒のコマーシャルを見たときのような反応が、脳の 中で起きる。 ニコチン中毒の人が、タバコの煙をかいだときのような反応が、脳の中で 起きる。 それが何であれ、この反応が一度起きると、簡単には止められない。 そのモノがほしくなる。 とくに私は、デジモノに弱い。 9800円の時計については、買うのをやめたが、「時計がほしい」という気持ちは、 そのまま残った。 そこで私がしたことは、その横にある、安物の時計を買うことだった。 値段は、980円。 10分の1の値段。 ベルトが布製の、けっこうしゃれた時計だった。 色は茶と白と黒の組み合わせ。 小ぶりで、軽いのも、気にいった。 で、買った。 その日は、一日、その時計を腕につけて遊んだ。 こうして物欲を満たし、やがて私の脳は、落ち着きを取り戻した。 Hiroshi Hayashi++++++++AUG・09++++++++++はやし浩司 ●9月の抱負 +++++++++++++++++ 明日から9月。 講演の季節。 私は最近、講演に招かれると、できるだけ 先方の地で、そのまま旅館に泊まるようにしている。 来週は、F県のN町と、伊豆半島のA温泉で、 それぞれ一泊することになっている。 楽しみ……というより、そういう楽しみを 用意しておくと、心もはずむ。 講演旅行も、ずっと楽しくなる。 言い忘れたが、私はいつもワイフを連れて行く。 ワイフの趣味は、旅行。 それを満足させてやるのも、夫の役目。 ++++++++++++++++++ ●料理は最低 N町の旅館では、鮎の塩焼きが出るという。 A温泉では、伊勢海老の姿焼きが出るという。 結構な料理だが、私たち夫婦は、基本的には小食。 回転寿司でも、2人で、7~8皿が限度。 ときには、6皿。 それ以上は食べられない。 だから旅館を予約するときも、料理はいつも最低の料理を注文する。 追加料理は、なし。 不要。 そのかわり、風呂の設備のよい温泉を選ぶ。 湯質がよければ、文句なし。 ●幻覚 今日、はじめて、私は(幻覚)なるものを見た。 子どもたち(小4生徒)たちにワークをさせていたときのこと。 シーンと静まり返っていた。 そのとき私は腕組みをして、目を伏せていた。 たぶん、そのとき眠ってしまったのだと思う。 ほんの瞬間のできごとだった。 目をさますと同時に、ななめ右前の子どもを見た。 見たというより、目に入った。 そのときのこと。 その子どもの背後に、黒いスーツを着た男が立っていた。 その男が、見た瞬間、くるりと体を回すと、そのままドアのほうへ 音もなく消えていった。 私は思わず声をあげた。 「どちらさんですか?」と。 今から思うと、それは幻覚だった。 脳の中で、夢と現実が、ごちゃまぜになった。 が、私はワイフにそれを話すまで、それが幻覚だったとは思わなかった。 あとでワイフに電話をして、そういうものを見たと話すと、ワイフは、 「ヘエ~、あなたは幻覚を見たのね」と言って笑った。 幻覚? もしそうなら、私は生まれてはじめて、幻覚を見たことになる。 あるいは脳みそが、とうとうおかしくなり始めたのか? 死ぬ直前の母も、よく幻覚を見ていた。 理屈の上では、視覚野を通して入ってきた情報と、夢として見る 情報が、脳のどこかで交錯したと考えられる。 実に奇怪な経験だった。 で、その話を子どもたちにすると、私が真顔だったせいもあるが、 何人かが、「先生、こわい!」と言い出した。 「本当にこわいのか?」と聞くと、「こわい」と。 1人の子ども(男児)は、体を小刻みに震わせていた。 「冗談かな?」と思ったが、本当に震わせていた。 いつもは大胆な言動で、みなを笑わす子どもが、である。 それを見て、「そういうこともあるんだ」と思った。 Hiroshi Hayashi++++++++Sep.09+++++++++はやし浩司 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年09月01日 09時39分19秒
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