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楽天・日記 by はやし浩司

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2009年10月31日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
●逆・母子分離不安(byはやし浩司)

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母子分離不安というと、子どもだけの
問題と考える人は、多い。
しかし子どもほどではないが、母親側の
母子分離不安も多い。

称して、「逆・母子分離不安」(筆者)。

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「母子分離不安」というと、子どもだけの
問題と考える人は多い。
つまり母子分離不安になるのは、子どもだけとはかぎらない。
母親側の、母子分離不安というのも、ある。
「子どもから離れられない」
「子どもがそばにいないと不安」
「子どもの様子がわからないと心配」と。

そして幼稚園や保育園でも、用もないのに、
出かけて行っては、そこで子どもの様子を見る。
園の先生が、「だいじょうぶですよ」「心配ないですよ」
「任せてください」と言っても、(実のところ、
そういう母親がいると、園にとっても、迷惑なのだが)、
そこにいる。
そこにいて、じっと子どもの様子を見ている。

ふつうの「母子分離不安」と逆の立場になるから、
「逆・母子分離不安」ということになる。

このタイプの母親の特徴としては、

(1) 静かで、いつも憂うつそうな顔をしている。
(2) 子どもから視線をはずさない。
(3) 表面的には、穏やかでやさしい母親に見える。
(4) 強く注意したりすると、おどおどしてしまう。
(5) 歩くときも、手をつないだりして、離れない。
(6) 「私は愛情豊かな母親」と誤解している。

原因は、母親側に、何らかの情緒的な欠陥、あるいは
精神的な未熟性。
とくに情緒的な欠陥、たとえばうつ病が原因となることがある。

当然、子どもにも、影響が出てくる。
そういう点では、母親の愛情を、過剰なまでに受けている。
そのため溺愛児プラス、過保護児プラス、過関心児を
統合したような症状を示す。

(1) 静かでおとなしい。
(2) ハキがない。積極性に欠ける。
(3) 全体に幼稚ぽいしぐさや、言動が目立つ。
(4) 人格の核形成(=この子はこういう子というつかみどころ)が遅れる。
(5) 他の子どもたちと交われない。
(6) 柔和でおだやかだが、積極性がない。
(7) 乱暴な指導になじまない。
(8) いつも親の視線を気にする、など。

T君(小1)という子どもがいた。
その子どものばあいも、親が授業を参観しているときと、
していないときとでは、別人のように違った。

親がいないときは、比較的表情が明るく、
積極的だった。
ものもしっかりと言うことができた。
親がいるときは、比較的……というより、明らかに
「いい子」という様子を見せた。

で、私はときどき「参観はもういいですよ」と
促した。
しかし効果は長つづきしなかった。
1、 2回くらいは、参観をやめるが、またやってきて、
いちばん奥の席に座って、じっと子どもを見つめていた。

私もその視線を強く感じた。
ときに私の体を、ズキンズキンと突き抜けた。
授業もやりにくかった。

が、そういうこちら側の気持ちは、理解できない。
どこまでも身勝手で、自分勝手。
しかし母親のかかえる心の問題は、それをしのぐほど、大きい。
根も深い。
無理に引き離したりすると、母親自身の精神状態が、おかしくなってしまう。
それがわかっているから、私の方が、引きさがるしかなかった。

この問題は子どもの問題ではない。
(たいていの母親は、「この子は私がそばについていてあげないと、
何もできません」と言うが)、母親自身の問題と考える。
もっと言えば、母親自身の心の問題。
それを治す。

しかしそれは「教育」の範囲を超える。
父親の協力も必要だが、たいていのばあい、父親(夫)も、
もてあましていることが多い。
それ以上強く言うと、家庭内騒動の原因となったり、
そのまま母親が子どもの手を引いて、園をやめてしまったりする。

子どもは、小学3年生前後(満10歳前後)に、
急速に親離れを始める。
親はそのときだけの様子を見て、「私たち親子は、いつまでもそういう
関係がつづく」と考える。
しかしこのタイプの子どもは、思春期に入るころ、豹変する。
「このヤロー! こんなオレにしたのは、テメーだア!」と。
母親を激しく罵倒したりする。
抑圧された別の心が、そのとき爆発する。

あるいは、極端なマザコンのまま、おとなになる。
比率としては、豹変して親を罵倒するようになる子どもが、70%、
マザコン化する子どもが、30%と、私はみている。
どちらであるにせよ、よいことは、何もない。
ひどいばあいには、そのまま激しい家庭内暴力へとつながる。

子どもを、自分の心の隙間を埋めるための道具に利用してはいけない。

【症例1】

 毎朝、子ども(年中・女児)といっしょに幼稚園へやってくる母親がいた。
そして門のところで子どもを手放すと、そのまま門の端のほうに移動して
立っていた。

 毎朝のことなので、園のほうも、あきらめていた
強く言ったこともあるが、そのときは、園の別の隅に移動し、やはり
そこで立って子どもの姿を見ていた。

 ときどき家に帰ることもあった。
家までは、歩いて、5~10分程度。
しかし昼ごろになると、またやってきて、そこに立っていた。
たいていそのまま、帰りの時間まで、そこにいた。
いつも子どもの手を引いて、家まで帰った。

【症例2】

 「娘が病気で幼稚園を休んでくれると、うれしい」と、その母親は言った。
「娘といっしょに、一日を過ごせるから」と。

 その子ども(年長・女児)の髪は、芸術とも言えるほど、こまかく編んでいた。
私が「ずいぶんと時間がかかるでしょう?」と聞くと、母親はこう言った。
「いえ、1時間ほどですみます」と。

 毎朝、1時間!

 その母親の口癖は、いつも同じ。
「死ぬまで、(この子と」いっしょ」。
「子育てが生きがい」。
「この子は、私がいなければ、何もできません」。

 「結婚したら、どうします?」と聞いたこともある。
母親は、臆面もなく、こう答えた。
「結婚はしません。するとしても、養子で、家(うち)に入ってもらいます」と。

 で、ある日、その母親は、こうも言った。

「私、夫なんか、いてもいなくても、どちらでもいいような気がします。
娘さえ、家にいてくれれば……」と。

 母親の実家は、かなり裕福な資産家だった。
毎月生活費の大半を、実家からの仕送りで、まかなっていた。

【症例3】

 T君(中2)が、激しい家庭内暴力を繰り返しているという話は、その隣に住む
母親から聞いた。
最初は、親子で怒鳴りあう声が、近所中に聞こえたという。
が、そのうち静かになり、T君の家庭内暴力は、ますます激しくなっていった。

暴力が激しいため、家の中のガラス戸などは、すべてはずしてあったという。
父親も母親も、中学の教師をしていた。
母親は、T君が幼稚園へ入るころ、教師の職を辞した。

 父親も母親も、T君の部屋の前を通るときは、両手ではって歩いたという。
立って歩いている姿が見えると、T君は、容赦なくモノを投げつけた。

 そのT君は、小学3年生ごろまでは、学校でも優等生(?)だった。
勉強も、スポーツもよくできた。
おとなしく、親や先生の指示にも従順だった。
私もそのころまでのT君しか知らない。
で、T君の話を聞いて、心底驚いた。
 
 隣に住むその母親は、こう言った。

「T君が子ども(幼児)のころは、母親が毎日、手をつないで、近くの
ピアノ教室に通っていました。
いつもいっしょなので、たいへん仲のいい親子に見えました。
母親は、明らかに溺愛していました。
ただ教育ママで、T君が学校のテストなどでまちがえたところがあったりすると、
夜遅くまで勉強を教えていました」と。

 そう言えば、T君には妹が1人、いたはず。
それを聞くと、その母親は、「そう言えば、妹さんは、父親の実家から、学校に
通っていました」と。
 
(補記)

 子どもは、小学3年生前後(満10歳前後)に、急速に親離れを始める。
男児だと、それまでは学校であったことを話していたのが、急に話さなくなる。
親や近親者を、露骨に毛嫌いし始める。
(本当に嫌っているというよりは、生意気な態度をわざとしてみせる。)

 女児だと、それまで父親と風呂に入っていたのが、入らなくなる。

 そこで大切なことは、

(1) じょうずに、親離れできるように、子どもを仕向けてやる。
(2) 子離れイコール、親子の断絶ではない。おおげさに考えない。
(3) 親自身が、子離れし、親は親で自分の人生を大切にする。
(4) 夫の役割を認め、夫に積極的に介入してもらう。
西洋では『子どもを産み育てるのは、母親の役目だが、
子どもに狩の仕方を教えるのは、父親の役目』と教える。
母子関係の是正と、社会性を教えるのは、父親の役目と心得る。


(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW 母子分離不安 母子分離不安症 逆母子分離不安 逆・母子分離不安 母親の分離不安 子離れできない母親)





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最終更新日  2009年10月31日 19時14分16秒



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