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さてそのK氏の訴えを棄却して、最高裁第二小法廷は、一九九九年の九月、次のような判決 を言いわたした。いわく「単身赴任は社会通念上、甘受すべき程度を著しく超えていない」と。 つまり「単身赴任はがまんできる範囲のことだから、がまんせよ」と。もう何をか言わんや、であ る。 ルービン報道官の最後の記者会見の席に、妻のアマンポールさんが飛び入りしてこう言っ た。 「あなたはミスターママになるが、おむつを取り替えることができるか」と。それに答えてルービ ン報道官は、「必要なことは、すべていたします。適切に、ハイ」と答えた。 日本の常識は決して、世界の標準ではない。 たとえばこの本のどこかにも書いたが、アメリカでは学校の先生が、親に子どもの落第をすす めると、親はそれに喜んで従う。「喜んで」だ。親はそのほうが子どものためになると判断する。 が、日本ではそうではない。 軽い不登校を起こしただけで、たいていの親は半狂乱になる。 こうした「違い」が積もりに積もって、それがルービン報道官になり、日本の単身赴任になった。 言いかえると、日本が世界の標準にたどりつくまでには、まだまだ道は遠い。 Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司 ●ある中国人夫婦 話を先に進める前に、ここで意識について、簡単な実験をしてみたい。 常識の実験と言い換えてもよい。 まず、こんな話。 それを聞いて、みなさんは、どう考えるか、それを静かに心の中をさぐってみてほしい。 みなさんは、みなさんの常識で、まず判断してみてほしい。 こんな話。 ある商店街に、1組の中国人夫婦が移り住んできた。 中華料理店を始めた。 当初はそれなりに繁盛していたが、そのうち商店街全体が不況の嵐の中に飲み込まれた。 一軒二軒と、シャッターをおろし始めた。 そのときのこと。 となりの美容院が、ときどき店を閉めるようになった。 それに対して、中国人夫婦が激怒した。 となりの美容院へすごい剣幕で、怒鳴り込んでいった。 「店、開けるあるね!」と。 それだけではない。 道をはさんで、菓子屋があった。 昔からの菓子屋で、その菓子屋だけは客足が落ちなかった。 そこで中国人夫婦は、今度は菓子屋へ行き、こう言ったという。 「客を回してほしい」と。 美容院を経営している女性は、この中国人夫婦に憤慨した。 菓子屋を経営している夫婦も、憤慨した。 「何という、常識知らず!」と。 ●常識 この話を聞いた私も、最初は、そう思った。 「どう考えても、この中国人夫婦のとった行動は、常識にはずれている」と。 が、もしこんな話を知ったら、たぶん、あなたは別の考え方をするようになるだろう。 こんな話だ。 ●周囲との調和 この4月にオーストラリアへ行ったときのこと。 ボーダータウンという、南オーストラリア州とビクトリア州の、ちょうど州境にある町へ立ち寄っ た。 友人がそこに住んでいる。 で、少し郊外へ行くと、みな、日本では想像もつかない広い土地に、広い家を建てて住んでい る。 土地だけでも、5、6エーカー。 日本風に言えば、数千坪から1万坪。 家も広い。 T氏の家は、居間だけでも40畳以上。 それにどれも20畳以上もある部屋が、5~8つとつづいている。 そこで私が心配になって、こう聞いた。 「税金はどうなっているのか?」と。 さぞかし税金が高いだろうと思ってそう聞いた。 が、答えは意外なものだった。 「家の広さで、税金は決まらない」と。 オーストラリアでは、ランド・バリュアー(Land Valuer)という人が税金を査定する。 「この家なら、いくらで売れるか」ということを基準にして、決める。 しかも家を買う側は、売買価格の1.4%の税金を払うだけ(ビクトリア州)。 売るほうには、税金はかからない。 あとは毎年、決められた税金を払うが、その中心は、ゴミ収集のための税金。 またその程度。 そこでその地域の住人たちは、家を含めた環境の価値を高めようとする。 価値が高くなれば、売るときに有利。 たとえばとなりの家の芝生が、だらしない状態になっていると、隣人たちがすぐ文句を言いに行 く。 実は私の二男も現在、アメリカに住んでいる。 その二男もこう言っていた。 「芝生を伸ばし放題にしておくと、すぐ文句を言われる」と。 だから二男は、毎週のように芝を刈っている。 が、この日本では、そうではない。 となりがどんな家を建てようが、それはとなりの人の勝手。 イタリヤ風であろうが、和風であろうが、あるいはビルであろうが、その人の勝手。 土地の価値にしても、駅に近ければ近いほど、原則として高い。 中国では、土地は、原則として、国のもの。 家にしても、建ててから70年は住めるという条件がつく。 が、思考回路は、欧米人のそれに近い。 町の商店街にしても、商店街全体がたがいにもり立てあいながら発展していくもの。 そういう考え方をする。 そこで先の中国人夫婦のような考え方をするようになる。 「シャッターをおろせば、その影響は自分の家にも及ぶ。だから許せない」と。 また客にしても、たがいに回しあう。 それが中国では常識になっている。 Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年07月26日 06時58分44秒
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