ある教団の教祖の言葉
(高橋信次先生の言葉より)『その教団では、「実相のみ実在、この世は善のみで悪はない、不幸はない」と、簡単に現実的不幸を否定します』と書かれてあります。 「実相の世界」とは神の世界のことでしょうから、神が悪や不幸をつくられることはないのですから、神の世界は善のみだということは間違いはありません。神の世界は善そのものであっても、人間の世界には悪があります。神の世界が善だから、その善なる世界だけを観れぱ人間世界の悪も消えて、善なる世界になるということはありません。人間世界の悪をなくするには、人間が悪を犯さないようにする以外に無くする事はできない筈です。 (高橋信次先生の)「その教団では人間がつくり出した悪もないと、簡単に否定しているところに間違いがあるのであります。」と書かれてありますが、たしかにそうであります。 どうしてそういうことになったのか、という原因の追及と反省、その反省の結果の改善ということがないのです。「神は悪をつくられないからといっても、人間が勝手に正しい生活の軌道を離れて作ってしまった悪は存在します。神は悪をつくられないからといっても、そのことを知っただけで人間が勝手につくり出した悪が、消えてしまうことは絶対にありません」と高橋信次先生はいっていられます。 「神仏より調和のエネルギーは、各人の毎日の生活行為、正しい生活の中から与えられる」というのでありますから、やはり、どこが悪かったか反省をして、今まで間違った生活をしていたら、それを正しい生活に切り替える、そうすると心が明るく大きくなって調和のエネルギーが神仏より供給されるということになるわけです。 神仏より供給されるという言葉を使いますと、今までなかったものが新らしく与えられるのである、という意味に受けとられがちでありますが、そうではありません。 ~正法誌 第35号 1981年7月号より抜粋~ 【心と波動の世界・総合版】http://sefuti.seesaa.net/人間の道【著者情報】(「BOOK」データベースより)大島久枝(オオシマヒサエ)1942年(昭和17)3月東京都にて出生。高橋信次先生に師事する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)