自宅から会社までの距離は徒歩約7～8分。
普通に歩いたらね。

だいたいいつも速足、駆け足で約５分。
信号に引っかからないように気を付けるのがポイント。


近いからついつい朝は油断しがち。
今朝もそうだった。
ちょっとギリギリだなーとおもいつつ家を出た。

したら家を出てちょっと行った所に、前方に人がが倒れてる。


Oh、おじいさん、何しとんねん…。
簡便しておくれ。


見なかったことにして通り過ぎる？
イヤイヤ人としてそれどうなん？
ちょっと葛藤。


とりあえず声をかけました。
「どうしましたか？大丈夫ですか？？」


おじいさん意識はある様子。
大丈夫なら大丈夫と早く言っておくれ。
なんか肩のところに血がついてるけど…
手をすりむいてたのでその手の血がついたのかな…？
それにしてはちょっと量が多い気がするけど…


私が見た時にはすでに倒れていたので、どういった状況化は謎。
起き上がろうとするけど、頭うってたら動かさないほうがいいんだよね…


えっと…困ったなぁ。遅刻しちゃうなぁ…。
おじいさんより自分の遅刻が気になる薄情者。


救急車呼ぶべき？
その場合、救急車くるまでは待機すべきだよねぇ…
う～～ん。

派遣なんでまず派遣先に電話をして、勤務先に連絡入れてって…
２重でめんどいな、なんて頭の隅で考えてたら
前方から若い女の子がやってきて
「どうしましたか？大丈夫ですか？？」
と声をかけてきた。

まぁ、私との時間差は15秒ぐらいなんですけどね。


おじいさんが言うには
「勝手なものでね、飲んでるんで…」
と、酔ってこけた様子。

朝から何やっとんねん！ちょっとイラっとしちゃった。


いやぁ…
お年寄りだしね？足元おぼつかなくて
こけたり、倒れたりすることはあると思うんです。
なるべくなら私だって親切にしてあげようと思うし、手を貸してあげたい…。

でもさ…でもさ…、杖ついてるおじいさんが、酔ってこけたとね。
なんていうか自業自得感が否めない。しかも朝だよ、朝。

年金暮らしだろうからね、お仕事とか関係ないだろうから
何時から飲もうが関係なんでしょうけど…


私みたいな非情な人間からしたら、迷惑。
はっきり言っちゃったけどね…
朝は特に時間ぎりぎりで動いてるから…
お年寄りだからって無条件に親切になんてしてられない事もあるの！


自分の親も体弱ってるからね
いつ何時人様にお世話になるかもしれないって考えたら
なるべく知らない人にも親切でいたいとは思ってる！

でもね、杖ついて歩いてるような人が朝から飲んでこけたとか
気の毒っていうより、何してんの？って冷たいまなざしになっちゃうわ。
みんながみんな暖かい心をもって生きてるわけじゃないの。
私みたいに、冷たい人だっているの。
私みたいに、自分本位な考えで動いてる人間だっているの。


やや冷たい眼差しで、おじいさんを観察してたけど
倒れてたところに腰掛けるぐらいに起き上がって
「すいません、すいません、大丈夫です…」
力なくだけど言ってた。
その言葉が真実かどうかを見極めて対処してあげるには
私にはちょっと時間が微妙だったのと
若い女の子が私より親身におじいさんの顔色を窺ってたので

色々葛藤はしたんだけど…
まかせちゃおうかなって………
遅刻したくない欲望のほうが勝ってしまった。

「大丈夫ですか？帰れますか？」
聞くと何度もうなずいてる。

うん、いいや。行っちゃおう！
「帰れるんですね？それじゃ…私ほんとに急いでるので…」
「行きますけど、大丈夫ですね？」
念だけ押して、若い女の子に会釈だけして走り去りました。


私って、非情だな。なんて思いながらロスした時間分、必死こいて走る。
あの信号が変わるまでにわたりきらないと遅刻する！
あ、ちょっと無理かも…。じいさんに時間使いすぎた…。

もっと一層動けない感じだったり、意識がもうろうとしてる感じなら
遅刻する覚悟もすぐに決めたんだけど、な。
とかね…なんか自分本位な事考えながら必死に走った。


おじいさん頭打ってないか聞いてあげたらよかったんかな…
もっと話をきいてあげたらよかったかな…
若い女の子は、急いでる風じゃなかったけど置き去りにして悪かったな…
私の対応は大人としてどうだったのかな…
もっと親切に、親身になってあげるべきだったのかな…
私は冷たい人間やな…



ぬぐい切れない罪悪感と、後味の悪さと
遅刻せずに間に合った安堵感と……
複雑な気持ちで、今日は朝から残業までお仕事を頑張ったのでした。