|
テーマ:DVD映画鑑賞(14213)
カテゴリ:観たもの・読んだもの
久々の読書会。
夏休み特別企画で前回『ハウルの動く城』を皆で観たので、 今日はそのディスカッション。 私は映画館で一度見て、DVDも買って子どもと4~5回観たと思う。 それだけ観たにもかかわらず、なんだか難解で消化不良な感じがいつもあった。 どの登場人物にも感情移入できず、何やらモヤモヤとしてしまうのである。 それでもおもしろくておもしろくて、何度も観てしまう。 不可解な登場人物たちの行動や、謎が謎のままで終わるのも、私には理解できない だけで、何か大切な意味があるような気がしていたのである。 メンバーの1人は、見事にジェンダー視点からの解釈をしていて、 ものすごく衝撃を受けて感動してしまった。 この話は自分を押し殺して生きている、地味で真面目な少女ソフィが 愛を通して次第に精神の自由を得る物語なのだった。 物語の最中に何度も若返ったり老婆になったりするが、これは彼女の心の動きを 表しているらしい。 映画を観ただけじゃ、私はまったく意味がわからなかった…。 ソフィがそんなに何かに縛られているようには感じなかったし、90歳になってしまう のは、ただただひどい出来事だとしか思えず、ラストも呪いはどうなっちゃったの…? と思ってた。 でも実は、ソフィの存在が女性のジェンダーを象徴している。 姿が老婆になることは、世の中のしがらみや束縛から解放される象徴だったのだ。 ほぉ~…なるほど~…! 他にも男性の評論が紹介されていたが、それはハウル側から観た解釈で、 また全然違った意見であった。 どちらも「そうか~!なるほど~!!」と思わせられてしまった。 いろんな解釈のできる映画だ。 原作の作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズは女性なので、たぶん女性側の視点の方が リアルなのだろうけど、映画の作者・宮崎氏は男性なので、男性側の視点・解釈も 大いにあるんだろうな。 『ハウルの動く城』の解釈と作品の素晴らしさを観て、『ゲド戦記』の原作者 ル=グゥインは10年来渋っていた映画化のGOサインを出したらしい。 しかし映画のあまりの出来の悪さ(解釈のひどさ)に、今では怒りをあらわにしているそうな。 監督・宮崎吾郎氏の父・宮崎駿氏も納得できず、険悪な親子関係になっているのは有名。 ディスカッションでも『ゲド戦記』を映画館で観た人がチラホラいて、酷評していた。 理由は、どう観ても「戦争肯定」「勧善懲悪」的なメッセージが強いかららしい。 さしたる理由もなく親を殺す主人公。「悪を倒せば平和になる」のラスト。 『ハウルの動く城』は、ハッキリとした表現ではないにしても、強く戦争反対の メッセージが伝わってくる。 大国の魔女(アメリカ的?)『サリマン』に対し、戦争には加担しないと食い下がるハウル。 加担して、人間の姿に戻れなくなっていく魔法使い達。 悪魔との契約も城もソフィが壊すことで、様々なしがらみからハウルを解放したともとれる。 それに対して『ゲド戦記』は悪の象徴(イスラム的?)『クモ』を倒すことで平和が訪れる。 (らしい。私は観てないけど) 今日の会でも「ハウル以来、もしかしたら何かしらの圧力があるのかもね」という声が あったけど、なるほどそうかもしれない。 日本のアニメ(特にジブリ)は多くの子どもの、まっさらで純粋な心に強く影響するものだ。 ジブリの影響力はすごいもんな。今や世界中に広がっている。 何らかの政治的圧力があっても不思議じゃない。 そう思うとかなり怖い(T-T) 今回のディスカッションでまた、物事をもっと深く読み取る力が欲しいと強く感じた。 私って本当に日本的現代人なんだな。アメリカに洗脳されまくってる。 想像力がまったくない。 多くの偏見とジェンダーに縛られて生きている。 そういうことに気付くだけでも、こういう会に参加している意味があるというものだ。 また、今度は違った視点から『ハウルの動く城』を観てみようと思う。 …あ、そういえば、さっきうちのテレビが壊れたんだっけ…(T∀T) まだ買って5年も経っていないシャープのAQUOS! 電源入れても、ウンともスンとも言いません・°°・(>_<)・°°・。 修理は土曜日。テレビのない生活に耐えられるだろうか…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[観たもの・読んだもの] カテゴリの最新記事
|