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スピッツ公式サイト内「トンガリヴィレッジ」が、いずれ完全に終了する可能性があることから(今回は一部リニューアルだけみたいですが)、駄文ではありますが、そちらのレビュー欄に書いたブックレビューをこちらに移行したいと思います。
金のゆりかご (集英社文庫) 集英社 北川 歩実 この本は、脳に刺激を与え知能の高い天才児を育てることを目的とする幼児教育センターが舞台となり、そこの母体を作った研究者や、そこで昔教育を受けた主人公、そして今まさにそこで教育を受け「天才」と世間から騒がれる少年などが登場し、9年前にセンターで起きた事件の真相に近づきながら、脳は人間が操れるものなのか、など、読者全体への問いかけから、次第に読者一人ひとりに、「命に優劣はあるのか」「あなたならどうするか」と迫ってくる、サイエンスミステリーです。 重い気持ちになりながらも展開にひきつけられ読み進み、最後は意外な結末に「あら~」。 サイエンスミステリーと書きましたが、人物の描き方も巧みで、それぞれの立場の人がそれぞれの悩みや不安をかかえて生きていたり、最終的に、科学的な理論で事件を解明していくのではなく、人と人との思惑のぶつかり合いや、子を思う親の気持ちが、さまざまな悲劇へとつながったりするところが、ストーリーを奥深いものにしているような気がします。 話は二転三転しますが・・・・・ 作者が一番問いかけたかったことに対するあなたの答えは? 作成日時 2009年09月13日 23:41 満足度 ☆☆☆ 終末のフール (集英社文庫) 集英社 伊坂 幸太郎 あと3年しか生きられない・・・・ 不治の病ではありません。 小惑星の衝突による地球滅亡です。 あなたならどうやって過ごしますか。 読みながらずっと、どうにかして小惑星の衝突は避けられないのか・・・物語なんだから・・・と思っていましたが、そのうち、読書してない時にも心の底に「どうせこの世は終わるんだから・・・」なんて、まるで自分もこの話の世界で生きているような錯覚にとらわれてしまいました。 いろんなしがらみから解き放たれた時、人はどういう行動をするのか。 登場人物の行動を、あなたはどう思われますか? 作成日時 2009年09月16日 20:57 満足度 ☆☆☆☆☆ 秋の森の奇跡 (小学館文庫) 小学館 林 真理子 いつまでもときめいていたい。 いくつになってもそう思います。 主人公は42歳。 夫のふとした一言から疑惑が広がり、知り合いの男性の甘美な誘惑に心を動かされます。 うぬぼれていられることの心地よさ。 みなさんはどうお感じになるでしょうか。 しかし同時に主人公は親の介護問題に直面します。 主人公の気持ちの揺れはリアルな迫力で私たちに迫ってきます。 作成日時 2090年09月30日 21:35 満足度 ☆☆☆ ラッシュライフ (新潮文庫) 新潮社 伊坂 幸太郎 お見事!なのです。 今回この小説を読むのは2回目なのですが、展開が分かっていても引き込まれる力があります。 画商と新進女性画家、空き巣に入ったら盗品メモを残して被害者を思いやる泥棒、新興宗教の教祖に引かれている画家志望の青年、お互いの配偶者を殺害する計画を立てる女性医師とサッカー選手、連続不採用で落ち込む失業者・・・・これらの5つの視点で話が同時進行で進み、巧妙に絡み合うのです。 許される者もいれば許されざる者もいます。 物語後半、いつの間にか登場人物と一緒に「だまし絵」の中をさまよっている自分に気がつきました。 みなさんはいかがでしょうか。 作成日時 2009年10月24日 21:11 満足度 ☆☆☆☆☆ オーデュボンの祈り (新潮文庫) 新潮社 伊坂 幸太郎 伊坂祭り続行中(笑)。 大変奥行きのある気持ちの揺れ幅が広いストーリーでした。 「しゃべる案山子」とか「皆に知られていない島」とかが登場するあたり、私個人的には、春樹チルドレンといわれる伊坂さんの作品の中で、村上春樹さんのにほひがかすかに漂う小説だと感じました。 罪を犯した主人公と一緒に後悔の念にさいなまれたり、 悪の塊のような警察官に憎悪の念を抱いたり、 時に描写される島の美しさに想像の中で見とれたり、 深い悲しみを負った夫婦の純粋な愛に心うたれたり、 はらはらドキドキしたり・・・・・。 最後に登場人物のバラバラの行動が一つにつながる時の爽快さは、伊坂ワールドの真骨頂。 しばらく伊坂祭りは続きそうです。 作成日時 2009年07月09日 00:03 満足度 ☆☆☆☆☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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Jan 12, 2012 03:37:18 PM
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