〔指導される方のために〕指先を動かすだけでも団員はついてくる
指導者編、今回は「指揮」についてです。指揮者になりたての方、あるいはパート練習などで突然指揮をする必要が出てきた方がまず不安になるのは、「自分の指揮がわかってもらえるだろうか」ということではないでしょうか。その不安どおり「わからない」ことも多々あるんですが(笑)、ある程度慣れてきた方でもこの不安はなかなかぬぐいされないようです。この不安が出てきたら、大抵の方は全身が硬直し、「指揮をわかってもらうため」にどんどん振り方が大きくなっていきます。特に歌い始めの部分を振るときは、ピアノで始まるところでも、「ここからですよ」という感じで大上段に振りかぶってしまうことが・・・。思い当たるフシがある方、ご自分が歌われるときはどうしているか振り返ってみてください。新しい曲の練習が始まってまだ楽譜を必死に追っている頃は別として、歌い始めや終わる時など大切なところでは、指揮者の指示を見落とさないように気をつけていませんか?ということは、自分が振っているときも団員は「ここぞ」というところでは自分をきちんと見てくれているということです。人差し指一本を動かすだけでも歌ってくれますし、親指と人差し指をくっつけるだけで音を切ってくれるのです。ほんの小さな動きだけでも十分に意図は伝わる、ということを念頭において指揮をしていただければと思います。ただし、新しい曲の練習を始めたばかりの時は、上述のようにみんなまだ楽譜を追っていますから、指揮よりも、声を出したり机を叩いたりして、リズムやテンポを示すほうがわかってもらえます。