チェックも縞のうち

2013/12/03(火)22:53

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DVD(46)

チャン・イーモウ監督のHEROでは、シーンとしてはドニー・イェンの出ているアクションシーンが、私の一番のお気に入り。けれども登場人物としてはチェン・ダオミンの始皇帝が最もお気に入りなんです。何しろ主役ですもの。え?主役は刺客のジェット・リーだろって?とんでもない。始皇帝暗殺の物語ですもの、主役は始皇帝に決まってるじゃないですか。とかなんとか、要するに一目惚れしたんですよ、このチェン・ダオミン大王に。 で、このチェン・ダオミン大王がもっと観たいなぁ、と思っていて見つけたのがコレ「復讐の春秋〜臥薪嘗胆〜」です。いやホント麗しいです。美しいです。何が?って、アレもコレもとにかく美麗なんです。監督が映像の美しさで有名な方だそうで、そういうところが評価されたらしく、いろんな賞をとっている作品です。 屋外ロケはあまりなく、室内で撮られていることが多いのですが、それは光と影を巧みに操るためなのでしょう。そういう映像の美しさはもちろんですが、登場人物の生き方なども本当に美しいです。そして私が一番素晴らしいと感じたのは、編集にあまり頼らず、まるで舞台演劇のような演出です。 シーンの中心になる一人の人物だけでなく、周りに配された他のキャラも側できちんと演技をしている。当たり前のようで当たり前でない、このことが、その場の緊張を見事に画面に映し出しているのです。そしてその緊張感に見ている者も囚われ、画面から目を離すことができなくなるのです。 チェン・ダオミン大王がまた麗しいんですよ。とはいえ、凛々しく麗しい大王なのはほんの数話分だけ、41話のうち5〜6話でしょうかねぇ。なんせ副題の臥薪嘗胆からもわかるように、苦難の大王の物語です。ほとんど艱難辛苦に耐える、憔悴した様子のことが多いです。でもそれがまた良いの。刑具にかけられ息絶える寸前だったり、馬に引きずり回され危機一髪だったり、そういう場面に目が釘付けになる自分の中に、実はたくさんS的要素があるんだと気付かされました。 憔悴した時の前髪の、一筋二筋の乱れがたまらなく美しいのです。ストレートの黒髪ってなんて美しいんだろう、と感じる瞬間です。中国の歴史物が好きなのは、男性が長い黒髪を下ろしていることが多いから、というのが大きな理由かも。日本はほとんどありませんよね。やっぱり気候風土の違いなんでしょうか。あったかいんですよ、ハーフアップって。中国本土ってかなり寒そうだし。

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