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いつもお世話になっております。
アルトコーヒーの野村です。

私事で恐縮ですが、この度共同経営者との方向性の違いから、
​​アルトコーヒー​​（上海艾侬兰貿易有限公司）を離れることになりました。
最後の最後までサービスの提供が続けられず、
突然のご挨拶になってしまい誠に申し訳ございません。


２００３年１０月、上海に来ました。
はじめは、上海で１年ぐらい生活してみよう、海外に住めば何かやりたいことが
見つかるかもしれないなー、、、そんなぼんやり考えている程度でした。

住み始めてすぐ、日本人街である古北区にカフェドカルモがあることを知りました。
お店に伺い、直接オーナーのKさんにお手伝いさせてもらえないかとお願いすると、
日本人を探していたこともあり、条件付きでお手伝いさせてもらえることになりました。

それから約３ヶ月、上海の生活にも少しずつ慣れてきました。
この頃の上海には、名のあるコーヒー店としては、スターバックスが出店されていたのみ。
中国人も今後はコーヒーを飲むようになる、そんな話は周りからよく聞かされました。

ビジネスチャンス、若いからリスクも低い、ダメなら日本に帰るだけだろう、
そんな話を真に受けたのか、挑戦したいという気持ちが日に日に強くなっていきました。

資金には限りがありました。生活費も考慮すると、残りはギリギリ。
そんな中では、もちろんいいアイデアは出てきませんでした。

考えていても、埒があきません。
難しくことをやめ、シンプルに一人でできることからやっていこう、と。
一人でできることなら、、、と、まずは、珈琲豆の配達を始めることを決めました。

告知用のブログを立ち上げ、コーヒーの知識や上海生活などを書いていきました。
ホームページはゼロからHTMLを学び、お金もないので下手くそながら自分で制作し、
焙煎機はそのままでは使えるものがなかったので、オリジナルで制作や改造を行いました。

配達には電動自転車を準備し、ロゴデザイン（当初はAltneulandCoffee）は、
大阪でお世話になっていた方にお願いし、できるところから少しずつ進めていくと
何人かの方から珈琲豆を買いたいとの連絡をいただくようになりました。

２００４年４月に上海艾侬兰貿易有限公司を設立。
翌年、新しい仲間を共同経営者として迎え、
２００５年１０月北外灘に店舗を構えました。
スタートしてから約３３００名のお客様とご縁を持たせていただきました。
（総勢１４名のスタッフが働いてくれました）

お客様の数は決して多くありません。
でも、一人ひとりのご縁を大切にできたおかげで、
ただのお客さんとお店の関係ではない、特別な人間関係を築けたのかもしれません。

誕生日にケーキやプレゼントを頂いたり、
配達に行った先のご家庭でお食事に招いて頂いたり、
ご飯を食べてないだろうと煮物を頂いたり、
お店が殺風景だからとお花を持ってきて頂いたり、
お客さんとスタッフ数十名で忘年会、新年会を開いたり、
野村の行動をただ微笑み温かく見守ってくれたり、
服装が手抜きになったと突っ込んでもらったり、
調子にのってると聞いたと直接お店まで説教しに来てくれたり、
火災でお店がボロボロになったときには、直接の連絡や励ましのお手紙を頂きました。
「なんでこんな目に遭うんだ！」私のグチを、一晩中聞いてもらったこともありました。
東日本大震災では、「被災地へ元気の出るコーヒーを送ろう！」との呼びかけに、
日本人学校の生徒さんにご協力頂き、子供達のメッセージ付き珈琲４８００パックを、
現地まで赴き避難所や仮設住宅へお届けすることもできました。

数え上げれば切りがありません。
経験してきたこと全てが今の私の血となり肉となっています。

アルトコーヒーがここまで続けられたのも、
ご縁を持って頂けた皆様のおかげです。

上海に来るきっかけになった兄とその友人のTさん、上海で始めて働いたカフェドカルモの皆さん、
会社設立に協力し動いてくれた経営者のKさん、最初の名義人になってくれたS爺、
会計士のMさん、最初のスタッフになってくれたやる気に満ちたYさん、
配達に行けばいつもお土産を持たせてくれた昔からのお客さんであるYさん、
香港からでも日本に帰国してからでも姉のように気にかけてくれるKさん、
結婚したつもりで一緒に事業を育てようと言ってくれた共同経営者のSさん、
車で買いにきてくれたMさん、家族ぐるみでお付き合いしたMさん、
褒め上手のAさん、青島にも呼んでくれたMさん、グチをずっと聞いてくれていたTさん、
お姉さん的存在だったIさん、お兄ちゃんというよりお父さんだったKさん、いつも優しいTさん、
たくさんのお友達を紹介してくれたYさん、こだわり屋のIさん、元気がなくなると来ていたNさん、
ネタ持ちで毎回笑わせてくれたSさん、もっと中心地にお店を作れいつも言っていたKさん、
上海に来た際に必ず寄ってくれたMさん、フランスから来てくれたJさん、世界を旅したSくん、
２時間かけて配達したOさん、世界を広げてくれたCさん、最後まで頑張ったAちゃん、Nさん、
ロゴを作ってくれたコンテンツレーベルカフェのOさん、上海での起業を応援してくれた家族、
関係してくれた皆様に、この場を借りて心からお礼申し上げます。
本当にありがとうございます。

上海という場で、夢であった自分のお店を構え、挑戦することができました。
ビジネスだけでなく人間として成長する場を与えていただき、
そのおかげで、ちょっとだけ自信も持てるようになりました。（そんな気がします、笑）
自分にとって「大切なモノ（コト）」が何かを、本当の意味で気付かせてもらいました。

コーヒーで点となるきっかけが生まれ、人と人が線となってご縁が繋がり、
ひとつの事業を中心として面となり、アルトコーヒーを成せたのだと実感しております。
本当に、本当に、ありがとうございます。




【今後のこと】


コーヒーは私のライフワークです。
なので、きっと死ぬまでコーヒーを語っているでしょう。。
ただ、個人的には別でやりたいこともあるので、
今後はコーヒー以外の分野にも挑戦をしていきたいと思っています。

場所は、上海にいるかもしれませんし、上海ではないかもしれません。
ただ、どこにいても、やることは基本的には変わりません。

・出会いと繋がりを大切にすること
・困っている人の役に立つこと

これができれば、どこで何をしていても、私の心は満たされそうなので、
頑張って生きていきたいと思います。

これまで多くの方にいただいてばかりいたものを、
これからはできるだけ社会にお返ししていきたいと思っています。



最後になりますが、

皆様のご健康とご発展を心からお祈りすると共に、野村はアルトコーヒーを離れ、
一緒に働いてきたスタッフもアルトコーヒーを離れることになりましたが、
今後とも新生アルトコーヒーを宜しくお願い致します。


約９年の長い間、ご支援頂き本当にありがとうございました。





それでは、またどこかでご縁があることを願っております。
またお会いしましょう。



アルトコーヒー代表　野村浩哉（２０１２年１０月２３日）
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