ひだまりじょさんいん

2006/12/17(日)22:11

産む力・産まれる力を取り戻して!

お産のこと(20)

今日は、助産師会主催のお産の集約化問題について考える講演会に参加してきました。 集約化問題ってご存知ですか? 産科医不足から 「健診は近くの産婦人科でも出産は大病院で」 という出産場所の集約化を 厚生労働省と産科婦人科学会が全国的に推し進めようとする動きです。 その裏では、助産師がノーマルなお産を扱う機会を 奪い、つぶそうとしている圧力も働いています。 近くの産婦人科もどんどん閉鎖していってるように思います。 「お産難民」なんておかしくないですか? さて、お産の集約化問題の根底には医療費の問題もあるようです。 これは日本に限ったことではありません。 カナダでも日本と背景は違うようですが、 産科医不足からお産の集約化を進めていったようです。 結果、開業医だけでなく多くの病院が閉鎖し、 そのことでマタニティーサービスの質も低下し、 搬送にヘリコプターなどを使わないといけない状況がふえ、 医療費も増したということでした。 地域での出産機会が減少するどころか、 医療費の増大、安全な出産は困難という結果です。 今日講習してくださった先生は、 長野県の産婦人科の先生です。 とても地に足のついた考え方をされています。 目線が産む人たちとおなじなのです。 「産む力を最大限に生かすお産がいかに人として大切か」 そうすることがいかにお産のリスクを減らすか、 そのあたりをきちんと臨床的に研究し 数値としてだしていくことを提案されています。 そういう研究がされたらすごいことが起きると思います。 自然なお産の力がより多くの人にわかってもらえるチャンスです。 現代社会は自分たちの生み出したリスク社会だといわれています。 産科領域でもリスクを強調することで、 産む人に恐怖の種を着実に植え付けます。 そのことが正常なお産への扉を閉じるお手伝いをすることにもなりえます。 恐怖を植え付けるのでなく、 リスクの低減を促し、 女性の産む力、赤ちゃんの生まれてこようとする力を支えるケア をすることが正常分娩では重要です。 と講演者の産科の先生がおっしゃってました。 それを聞いてとても嬉しかったのです。 リスクの低減は助産師の仕事です。 一人一人の方に寄り添い、 誰でもないその方を見て、 正常なお産をしていただく為の アドバイスをするのです。 それから、今の社会問題になっている家族関係の問題・いじめの問題 そのあたりも女性が産む力を取り戻すこと、 赤ちゃんが生まれてこようとする力をサポートすることで (自然分娩推奨で) ずいぶん良くなるのでないかということもいわれています。 なるほどとおもいます。 日本が施設分娩へと移行した年から生まれた子どもが、 親になっていってます。 いろんな社会問題、虐待、子殺しなどと相関が見て取れるところもあるようです。 今の親が、「親に愛されなかった思い」 そういうものも引きずってる気がします。 子どもが可愛いと思えるお産は、 自然に自分の力で頑張れるところまでがんばってこそだと思います。 すると、オキシトシンというホルモンが 母性をめざめさせます。 自宅でお産を扱っていくということは、 今の世の中では、どんどん難しくなってくるでしょう。 自然なお産への理解がないからです。 病院分娩が悪いといってるわけではありません。 施設にはそれぞれの役割があります。 そして病院の中でも自然出産は可能です。 自然なお産は子どもに生きる力をあたえ、 母親が自分の子どもに愛情をおくれるようにしてくれます。 私も自然なお産の守り手として頑張っていこうと思ったのでした。

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