世界史工房李香日録

2005/09/12(月)02:36

『冬の旅人』

大阪で河合出版から出る予定の論述問題集の会議。執筆メンバー4人で書けた分の原稿を持ち寄り,検討を加え,修正していく。だから,原稿を書く事前の準備も,それを検討していく本番の会議も,やたら密度が濃くて消耗度も高い。 今回も,ぎりぎりまで原稿を準備していて,睡眠時間3時間。 その大阪の会議への往復と,さらに12時過ぎに帰宅後の数時間で皆川博子の『冬の旅人』を読了。1880年にイコン(聖像画)技術習得のため17歳でロシアに渡り,数奇な運命の果てにロシア皇帝一家の随員として1917年を迎える日本人女性を一人称で描いた,歴史小説。幻想小説でもある。 体調が体調だったので,少しづつ読み進めるつもりだったのが,意に反して読み通さずにはいられなかった。 麻薬的な傑作。

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