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カテゴリ:焼き鳥・串焼き
私がブログの中で何度も「焼き鳥好き」と書いているせいか、美味しい焼き鳥屋情報が掲示板やコメントに寄せられるようになった。その中ですごく気になったのが、今回紹介する「凪山丸」だ。このお店、実は持ち帰り専門の焼き鳥屋さん。一応、店名を「凪山丸」と紹介したが、正直言って自信がない。というのも、このお店、どこを見ても店名らしき文字が見当たらないのだ。「凪山丸」という文字は写真右下のガラス戸に張ってある紙に小さく書いてあったモノ。「持ち帰り専門 焼鳥店」の文字の下に小さく「凪山丸」と書いてあったから、私は「これが店名なのでは」と思ったのである。
場所は八坂駅を左に出てガードをくぐり、1つ目の交差点で右折して江戸街道に入る。踏み切りを越えて50メートルほど先の右手にセブンイレブンが見えてくるが、その手前にある。 商売なのだから、普通は店名をドーンと大きく出すモノだと思うが、本当に見事に見当たらない。ただ、赤い提灯がズラリと並び、赤地に白文字で「やきとり」と書いた暖簾があるから、焼き鳥屋であることはひと目でわかる。 行ってまず驚いたのは、焼き鳥の種類の豊富さだ。普通の焼き鳥屋では正肉、ネギマ、つくね、皮、タン、ハツ、レバー、シロ、砂肝、軟骨、手羽と大体12種類ぐらいだ。多いところでも、これに豚バラ、コブクロ、セセリが加わるくらい。それがこのお店では優に20種類以上あるのだ。 次に驚いたのが、その値段だ。スーパーの入り口前などでよくやっている持ち帰り焼き鳥は、大体1本80~100円が相場だ。それがこのお店、100円以下のモノはほとんどなく、130円という値段の焼き鳥が多い。中には180円のモノある。持ち帰り専門でこの値段をつけるということは、よほど焼き鳥に自信があるということなのだろう。 私は豊富な種類を皆さんにお伝えしたくて、携帯電話のカメラでパシャパシャ写真を撮っていたのだが、すぐにお店の親父さんから「お兄ちゃん、写真は止めてくれないかな」と言われてしまった。私が呆気にとられていると、親父さんは焼き鳥を焼きながら、ポツリポツリとお店のことについて話し出した。 「この店にわざわざ遠くから勉強しに来る人がいるんだよ。焼きトンで有名な東松山からも来るよ。で、みんな言うんだよ。種類がすごいって。そりゃそうだよ、それがココのウリなんだから。他じゃこんなにないだろ。お客さんが来てくれる理由はコレなんだよ。だからさ、種類を教えたくないんだよね」 私も営業妨害をする気はサラサラないから、せっかく撮ったけど、写真はココでは載せないことにした(気になる人は直接お店に行ってみてください。選ぶのに迷うほど種類豊富ですから)。 その後も親父さんといろいろ話をしたのだが、それによると親父さんが焼き鳥屋を始めたのは会社を定年してからで、12年前のこと。それからスーパーの前などで修行し、5年後にはすでに人に教える立場になったのだとか。それから転々として1年ほど前に現在の場所にお店を構えるようになったという。 「当分はココでやっていこうと思っている」と親父さん。 終始優しく話してくれた親父さんが、一度だけ少しムッとした表情を見せたのは、私が「これ全部、親父さんが串を打ってるの?」と聞いた時だった。「そんなの当たり前じゃないか!」と言わんばかりの顔で、「そりゃそうだよ。それが仕事だから。1日1000本はつくってるよ」と返答。これにはまたまた驚いたね。1日1000本ですよ、1000本! 機械で刺す大量生産モノじゃないからこそ、値段は少し高くなっているワケだ。私はタンとカシラ、若鳥、鳥カシラ、娘肉(こにく)を注文。「塩がオススメだね」と親父さんが言うので、タレ好きの私だが素直に塩にしてみた。 家に帰ると、早速ビールをプシュッと開けてひと口飲んでから、まずは若鳥を「いただきま~す」。旨い! 焼いてもらってから家に帰るまで20分かかり、すっかり冷めているのだが、旨い。しかも食べてみてわかったのだが、串にギッシリと肉が刺さっている。値段が高いと思ったのは大間違い。この量なら適正価格どころか安いよ。 塩で頼むと辛味噌がついてくるのだが、この辛味噌がバカウマなんですよ。これだけで商品化できるんじゃないかと思うくらい。その辛味噌をつけて食べると……美味しい! いやあ、ビールが進む、進む。 特に美味しかったのがタン。これは絶品です。焼きあがってすぐのヤツをビールと一緒に食べたら最高だろうなぁ。 親父さんがこの地で落ち着いているうちに、何とか全種類を制覇したいモノだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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