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東村山グルメ日記

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マサ@東村山

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2005年07月01日
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カテゴリ:ノンジャンル
 東村山に地酒ならぬ“地ソース”があるのをご存知だろうか。実は私もその存在を知ったのはつい最近のこと。東村山にソースメーカーがあるなんて凄いことなのではと思った私は、「飲食店ではないけど、これはどうしても記事にしたい」と思い、知り合いを通じて取材を申し込んでみた。考えてみれば、いくら地元企業とはいえ、個人のブログ取材のためにわざわざ時間を作るワケはないのだが、ナントこの会社、社長自らが取材に応じてくれた。
 というワケで今回紹介するのは、東村山のソース会社「ポールスタア」だ。

ポールスタア

 場所は東村山駅東口を出て、ロータリー正面の道をひたすら真っ直ぐ約1キロ歩いた左側にある。私は何度か目の前を通っているのだが、まさかこの会社がソースを作っているとは思わなかった。
「どうも、はじめまして。お待ちしていました」。事務所に行くと、気さくなおじさんという感じの人が出迎えてくれた。この人が社長の桜井憲一さんだ。私が取材に行ったこの日は、会社は休みだったのだが、わざわざ事務所を開けて待っていてくださったのだ。個人のブログ取材のためにここまでしてくれるなんてありがたい話だ。早速、私は話をうかがってみた。

桜井憲一社長

もともとは醤油会社

――HPを見ると、1977年に会社設立となっているのですが、なぜ東村山でソースを作ろうと思ったのですか?
「もともとは3代続いた『桜井醤油店』だったんです。でも、醤油はキッコーマンとヤマサが強くて、地場の醤油はやっていけない状況で、1970年代は全く売れなかったですね。で、父が亡くなったのを契機に、醤油じゃ食べていけないから、醤油をベースに焼肉のタレを作ろうと思ったんです」
――エッ、最初は焼肉のタレだったんですか?
「そうなんですよ。焼肉のタレを作るために工場長と責任者を務められる人を探していたら、今はおたふくソースに吸収されたユニオンソースという会社の工場長をたまたま紹介され、来てもらったんです。で、その工場長がソースもできるから、『じゃあ、売れるかどうかわからないけど、ちょっと作ってみてよ』となったんです」
――どうして最初から焼肉のタレとソースの2本立てにしたんですか?
「だって焼肉のタレだってゼロから作るワケだから、ソースをゼロから作っても同じじゃないですか。まあ、ある意味、怖いもの知らずだったんですよ。先入観があったらできなかったかも(笑)。でも最初の5年くらいは焼肉のタレで商売していたね」
――結局、醤油をやめて良かったのですか?
「良かったね。間違いなく醤油より売れたから。今なら地元の手造り醤油ということで人気になるかもしれないけど、もし続けていたら、潰れていたでしょうね」


無添加で商品差別化

――社名をどうして「ポールスタア」にしたんですか?
「桜井醤油店っていかにも家業じゃないですか。私は全国で売っていきたいと思ったから、社名を変えようと思ったんです。辞書を引くと北極星には『先駆ける』という意味があるんです。できれば業界をリードするような味とか商品を作りたいと思い、この名前にしました。まあ28年前は、横文字の社名がブームだったということもありますけどね(笑)」
――新規参入だから、他社との違いを出す必要があったんじゃないんですか?
「そうなんですよ。それで無添加を始めたんです。キッカケは当時、取り引きしてくれてた埼玉生協さんが『無添加のソース、作れないの?』と言ってきたことでした。差別化するにはこれしかないと思って始めました」
――その当時は添加物全盛だったから、無添加のソースを作るっていうのは大変だったんじゃないですか?
「最初はいっぱい失敗しましたよ。防腐剤を入れないから、売った商品の10%が膨らんじゃって、容器がパンパンになっちゃったこともありました。原因はソースの中に入っている野菜や果実が痛んだこと。これは確実に熱を入れることで解決しました。あとですね、今でも他のメーカーは使っていますけど、色を黒くするために着色剤のカラメルを入れてるんです。ウチは入れないから、最初は醤油を使って色を付けてたりしてましたが、今では黒糖を使ったりして色を出してます」
――味に関してはどうですか。「これがポールスタアの味」というのはすぐに決まりましたか?
「焼肉のタレの方はすぐに決まったけど、ソースの方は『これでイケる!』と決まるまで10年かかりましたね。ソースの味は酢とスパイスの強さで決まるんですけど、独自の味を出すのがむずかしかったんです。結局、酢はまろやかなモノを使って強さを抑え気味にし、スパイスもまろやかにして、フルーティーで甘めにしました」
――28年間、試行錯誤しながらソースを作ってきて、うれしかったことはありますか?
「そりゃあ、やっぱりお客さんから電話で『お宅のソース、美味しかったよ』って言われた時は何よりうれしかったね。ただ……」


あのデニーズソースも!PBは絶好調だが…

――「ただ」?
「ウチは販路が弱いから、お客さんから必ず『また買いたいんだけど、どこで買えばいいの?』って言われるんですよ」
――そう言われれば、スーパーとかであまり見かけませんよね。でも売上はいいんですよね?
「それはこの『デニーズ』さんのソースのようにPB(プライベートブラント)を手がけているからです。とんかつ屋の『井泉』さんのソースも一部はやってますし、イトーヨーカドーに置いてある『スエヒロ』ブランドのステーキソースとかもやってます。でもPBじゃ、『ポールスタア』という社名は一切出ないから、いくら売っても自社ブランドの知名度アップにつながらないから、ある意味、むなしいんですよね。だから今、一生懸命に自社ブランドを売ろうとしているワケです」
――自社ブランドと言えば、例えばソースなら「RS(ロイヤルスパイス)」、焼肉のタレなら「桃花林」、ステーキソースなら「花亭ビストロ」と、いろんなブランド名がありますけど、これはどうしてなんですか?
「最初はもちろん『ポールスタア』でいこうと思ったんですけど、明治製菓が商標登録をしていて使えなかったんですよ。会社登記をクリアしたから大丈夫だと思ったんですけど。一応、譲ってくれと交渉したのですがダメで、それで商品別にブランドを作ったんです。でも明治製菓が5年前に手放したので、すぐに商標登録し、合わせて使うようにしたんです」


主力ソースのラインナップ

まず使って欲しい!

――自社ブランドを売るために何か行っていますか?
「ウチの一番主力の500ミリリットルのソース(写真左の3つ)を3年前から思い切り安くしています。このソースがウチの目玉商品であり、戦略商品なんです」
――でも、この会社のソースは無添加だし、結構コストはかかっているんじゃないんですか?
「かかってます。だから儲からないんですよ」
――本当に儲からないんですか?
「儲からない(笑)。でもウチは大手のようにTV宣伝できるワケじゃないし、価格でアピールするしかないんですよね」
――でも、あんまり安いと最近の消費者は嫌がったりしますけど。
「でもやっぱり安さですよ。一番最初に商品を手に取るキッカケは安さなんです。高いと『もし失敗したら』って誰もが思うハズですから。商品には自信があるんですよ。問題は販売力だけなんです。手に取って買って、使ってもらえればわかってもらえると思うんです」

ソース以外の人気商品

商品には自信あり!

「商品にはホント自信あるんですよ。この『しょうが焼のたれ』なんか、ほら見てください。ラベルの下の部分までギッシリ沈殿してるでしょ。これ全部、生姜だから。これは美味しいですよ。焼いたお肉にサッとかけるだけでいいんだから。この『トマトガーリックソース』も生協さんで人気なんですよ。それからコレ、『すき焼き割り下』、これは『浅草今半』の割り下より間違いなく美味しいです。だってウチねぇ、昆布が凄くいいんだもん。質もいいし、量もたっぷり。だからウチで使った昆布、引き取り業者が喜ぶんですよね。まあ、そんなことで威張っても仕方ないんだけど、本当にそうなんですよ。これはすき焼きに使っても旨いし、きんぴらに使っても旨いですよ」
――じゃあそんな桜井社長イチ押しの商品を教えてくださいよ。

8月から発売予定の使いきりタイプのステーキソース

「それはコレだよ。8月1日から発売する使いきりタイプのステーキソース。これはランチタイムには行列ができるハワイの『オンジンズ・カフェ』というお店の女性シェフが作ったソースなんです。『おろしステーキソース』なんか水分の53%が大根おろしですからね。かけたら大根おろしが盛り上がるんです。こんなステーキソース、他にないですよ」

――では最後にまだ「ポールスタア」のソースを使ったことのない人にひと言お願いします。
「日本にはいい醤油とか、いいソースとか、いいタレとか、いい味噌がいっぱいあります。でも人間の舌って保守的だから、ブランドを変える、商品を変えるというのがむずかしいんですよね。例えばソースをブルドックさんからウチに切り替えてもらうのは至難のワザです。でもドレッシングが顕著なんですが、定番がありながら皆さんいろいろ試してみるじゃないですか。同じようにいろんな醤油、ソース、タレ、味噌を試してみるといいと思うんです。そういう流れでウチのソースやタレを使ってもらえればと思います」


 話を聞き終えて思ったのは、社長の桜井さんがすごく人がいいということだ。「この人の作るソースならきっと美味しいだろう」と思わせるひたむきさと誠実さが感じられた。聞けば、商品に使っている酒とみりんは同じく地元の日本酒メーカー「豊島屋酒造」で作ったモノを使っているという。まさに“東村山のソース”ではないか。東村山に住む人にはぜひ一度、使ってみて欲しいと思うのだが、問題はどこで売っているかだ。
「マルフジ、オザム、あまいけには置いてあるかな。電話していただければ送りますし、直接この事務所に買いに来てもいいですよ」と桜井さん。
 東村山の“地ソース”、ぜひお試しを。


【DATA】
住所:東村山市久米川町3-28-2
フリーダイヤル:0120-59-7110
電話:042-395-0554
ホームページ:http://www.pole-star.co.jp
メールアドレス:request@pole-star.co.jp





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最終更新日  2012年04月19日 09時48分51秒
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