東村山グルメ日記

　東村山駅西口の再開発として進められている“東村山ヒルズ”。高さ約１００メートルのビルは完成すれば、街のランドマークとなるだろう。でもその中身はというと、大半がマンションで、商業施設は生協が入る程度。とてもじゃないけど魅力を感じないし、90億円ものお金をかけてつくるモノかどうか疑問だ。
　どうやらそう思っているのは私だけでなく、ここにきていろんな人が声を上げ、行動を起こし始めている。さしあたっては明日８月５日午後１時半から市民センター別館第３会議室で「第５回　ど～なってるの？西口再開発」が行われる（詳しくはこちら）。



　東村山駅西口のロータリーは狭いし、西口から伸びるバス通りは道幅が狭くて歩行者は歩きにくい。西口から近い、駅の北側にある踏み切りも複数の道が通っているため、歩行者はもちろん、車の通行も危ない。だから私は西口の開発・整備はするべきだと思う。
　ただ今回の再開発事業は、本当に必要な優先事項、例えば歩道の整備や危険な踏み切りの改善などが全くの手付かず状態。ロータリーの問題に関しても、現状とあまり変わりない。（詳しくはこちらを参照）

　しかも再開発地区を地図で見ると、何ともイビツな形。その原因は、再開発組合の理事長と副理事長、事務局長の土地が残されているためだ。（詳しくはこちらを参照）。東村山ヒルズが完成した暁には、この３人の土地は間違いなく一等地になる。疑いたくはないが、地図で見ると、誰もがおかしいと思うハズで、「何か裏であるんじゃないの？」と勘ぐりたくなる。

　私は再開発計画を白紙に戻せとまでは思ってない。そこまで時計の針を戻す必要はないと思っていた。しかし、この再開発を決定した２００３年２月13日の都市計画審議会の内容を知ると、「これほど大きな事業を、こんないい加減な見切り発車的な審議会、それもたった１回の開催で決めていいのか？」と考えてしまう。（詳しくはこちらを参照）


　最近のニュースでは北海道の夕張市が財政破綻し、１９９０年から続けてきた「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」の中止が決定した。これは決して東村山市と無関係な出来事ではない。岡山県の津山市では再開発ビルの借金が膨らみ、運営が破綻。市の財政を圧迫している。
　東村山ヒルズがそうならないと説明できる人がいれば、疑問を抱いている人に説明して欲しいし、説明する義務があると思う。

　市も説明の必要性を感じて何度か住民説明会を開いているが、「まず開発推進ありき」で、集まった住民からの質問にキチンと答えていない。これでは不安が増すばかりだ。（詳しくはこちらを参照）


　西口再開発を推進している人は、この東村山ヒルズが街の活性化と財政の建て直しに役立つと信じていると思う。私もそういうモノをつくってもらいたいと願っている。しかし、今のままではまず間違いなく街の活性化にはつながらないと思う。
　理由はまず第１に、ほとんどの東村山市民が東村山ヒルズが建てられることを知らない、もしくは建設を知っていても、その内容を知らないこと。第２に、内容を知っても誰も東村山ヒルズに「早く完成しないかなぁ」などと期待を寄せていないこと。この２点だ。
　こういう状況の中、１００メートルのビルを建てたところで、誰も「面白そうだから行ってみようか」とはならないだろう。

　私は東村山駅の西口には東村山市の魅力がいっぱい詰まっていると思っている。ちょっと歩けば畑や果樹園があるし、北山公園、正福寺、そして八国山緑地と自然や文化財がある。新宿から電車でわずか30分の場所に、カエルが泣き、トンボが飛び、カブトムシやクワガタの採れる自然があるのだ。
　そして西口には武蔵野うどんの名店が多いし、焼き団子を売るお店も数多くある。歩いて楽しい、見て楽しい、食べて楽しい、まさに憩いの場だ。遊歩道を整備し、お年寄りや地域の人のために巡回ミニバスを走らせたりすれば、「西口に行ってみよう」という人は増えるハズだ。
　これら西口の魅力を生かすための東村山ヒルズであって欲しいのだが、とりあえずは「早く完成してくれないかなぁ」と大人から子供までがワクワクするような内容に見直して欲しいと思う。そうしないと、街の活性化ができないばかりか、市の財政をさらに悪化させる原因になりかねない。

　西口再開発を進めている皆さん、本当にこのビルの内容でいいんですか？　これで西口周辺は、そして東村山は活気付くと思いますか？　もっと知恵を出し合いましょうよ。もっといいモノをつくりましょうよ。秋津に住む人も萩山に住む人も、恩多町や青葉町に住む人も自転車やバスに乗って行きたくなるような、ワクワクするような東村山のランドマークをつくりましょうよ。


【東村山ヒルズ問題に関連するブログ】
＊「なんとかしようよ！東村山」
＊「税金の無駄づかいにＮＯ！　東村山駅西口再開発を見直そう！」
＊「はてなのゆりさん」


【東村山ヒルズに関する過去の記事】
＊２００６年02月02日「番外：“東村山ヒルズ”の中身が知りたい！」
＊２００６年06月13日「あきらめずに、もっと考えようよ！東村山ヒルズ」