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テーマ:●食べた物の画像♪(88238)
カテゴリ:とんかつ・定食
もう2年以上も前からずーっと気になっていたお店がある。それが今回紹介する「つくし」だ。場所は久米川駅南口を右に出て久米川通りを渡り、タバコ屋と美容室の間の通りに入る。そのまま50メートルほど進んだ左側にある。
入り口の左横には、ちょっと古びてはいるがメニューのディスプレイがあるし、入り口には主な定食メニューが書かれた紙が張られている。ごく普通の定食屋という感じで、「何だ、入りにくい外観じゃないし、気になるなら入ればいいじゃん」と思うかもしれない。でもねぇ、写真を見てもわかるように、いつ行ってもお店の電気が消えているんですよ。 だから私は「このお店はつぶれて閉店しているんだ」と一時期思っていたんだけど、1年半ぐらい前かな、入り口に張ってあるメニューの紙が新しくなったんだよね。 「あれ? このお店って、営業してるの?」と思い、機会あるごとにチェックしているんだけど、相変わらずいつも電気が消えている。 で、忘れかけていた頃、秋津の寿司屋「吾妻寿司」に行った時のこと。たまたまカウンター席に座っていたおばあちゃん2人が「アンタ、東村山のどこに住んでるんだい?」と話しかけてきた。久米川駅近くに住んでいることを話すと、「久米川なら『つくし』っていうお店に行ってみるといいよ。何でも美味しいよ」と言うではないか。まさか秋津であのお店の名前が出てくるとは思わなかったので、私はおばあちゃん2人に「あのお店って営業してるの?」と日頃抱いていた疑問をぶつけてみた。 すると「やってるわよ」と笑いながら答えるではないか。 そうなんだ、やっぱり営業してるんだ……以来、またマメにチェックし始めたのだが、やはりお店の電気はいつも消えている。 そして年も押し迫った昨年12月29日。仕事納めのこの日、思いのほか早く仕事が終わり、午後8時ごろ久米川駅に降り立った私は、「ちょっとあのお店、チェックしてみるかな」と軽い気持ちでお店の前に行ってみた。すると……。 電気がついてるじゃないの! 「これは入らねば」と思った私。入り口の引き戸を開けてみた。しかし、中には誰もいない。 「すみませ~ん」と声をかけると、「は~い」と奥から声がして、優しそうなおばちゃんが出てきた。ひょっとしてもう閉店時間なのかなぁ……と何だか不安になった私は「まだ、やってますか?」と思わず聞いてしまった。 おばちゃんは「大丈夫ですよ」とニッコリ。私はようやく安心してカウンター席に座った。 店内はカウンター5席に2人掛けのテーブルが2卓あるだけで、とってもこぢんまりしている。私は「カキフライ定食」(700円)を注文すると、お客が私だけという気軽さもあって、おばちゃんにいろいろと聞いてみた。 どうやらこのお店、30年以上も前からあるらしく、以前は飲み屋として営業していたのだという。15年前に建て替えてから今の定食屋になったのだが、「あんまりお客さんが入っても、私が大変だから」と飲み屋時代の常連さんだけを相手に営業しているのだとか。お店の電気を消しているのは、普通のお客さんがお店に入りにくくするため、わざとしているらしい。 確かに小さいお店だし、おばちゃん1人で切り盛りするのは大変かもしれないけど、まだそんな年じゃないでしょと話すと、「何言ってるの。私は今年で72歳になるおばあちゃんだよ」と言うからビックリ。いやいや元気なおばあちゃんだよ。 明るく話しながらテキパキと手を動かし、「はい、どうぞ」と出してくれた「カキフライ定食」がコレ。 ご飯と味噌汁にきんぴらごぼう、白菜の漬け物、そしてカキフライ。すでにこの構成から“おふくろの味”的な家庭料理っぽい雰囲気が漂っている。 カキフライは普通サイズが4つ。濃いキツネ色のコロモは、義母がつくってくれるカキフライに似ていて、個人的には好みのタイプ。さてさて、気になっていたお店の味はどうなのか。早速、いただきま~す。 【コロモ】★★★☆ カラッと揚がったコロモは、カリッとした食感で旨い。見た目だけじゃなく味も、義母がつくるカキフライに似ている。 【カキ】★★☆ 大きさは普通で、カキ汁も出てこない。ごくごく普通のカキだと思う。 【ソース】★★☆ お皿に添えられているのはレモンのみ。タルタルソースはない。ソースをかけても、醤油をかけても旨かった。 【値段】★★★ カキフライは4個と少ないが、700円なら妥当と言えるだろう。 【総合評価】★★★ これは人によって評価が分かれるだろうなぁ。このお店のカキフライは、見た目の雰囲気通り、“家庭でつくるカキフライ”って感じなんだよね。コロモはちょっと揚げすぎなくらいでカリッとしていて、中が柔らかい……普通と言えば普通なんだけど、私は好みなんだよね。 店内の壁にはズラリとメニューが張られていて、ジックリ見ていると「焼きそば 300円」という文字を発見。「300円は安いねぇ」とおばちゃんに話すと、「ウチの目玉商品(笑)。これを頼んでお酒を飲む人もいるわよ」とのこと。「それじゃあ…」と、「カキフライ定食」を食べ終えた後、「焼きそば」を頼んでしまった。 具はキャベツともやしだけなんだけど、これが結構旨いんだ。「カキフライ定食」とあわせると、値段はジャスト1000円。いやあ、お腹いっぱい。満足、満足。 「電気が消えてても、遠慮なく入って来てくださいね」 帰り際、おばちゃんはこんな言葉をかけてくれた。ということは、私も常連さんの仲間入りをしたってワケなのかな。気になっていたことが解決した上に、こんなうれしい言葉をかけてもらい、私はウキウキ気分で家路についた。 【DATA】 住所:東村山市栄町2-10 【過去のエントリーはこちら】 *エントリーNO.1「かつ秀」 *エントリーNO.2「新々飯店」 *エントリーNO.3「若松」 *エントリーNO.4「ひの食堂」 *エントリーNO.5「じゃがいも」 *エントリーNO.6「たけくらべ」 *エントリーNO.7「野島うどん」 *エントリーNO.8「あさひ」 *エントリーNO.9「中華洋食 一番」 *エントリーNO.10「巴屋」 *エントリーNO.11「寿楽」 *エントリーNO.12「味っ子」 *エントリーNO.13「とんとん」 *エントリーNO.14「扇屋」 *エントリーNO.15「まごころ亭」 *エントリーNO.16「和楽」 *エントリーNO.17「味よし」 *エントリーNO.18「Big Orbit(ビッグ・オービット)」 *エントリーNO.19「磯久亭」 *エントリーNO.20「CAFE ROSE(カフェ・ロゼ)」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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