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それでもなお平穏な日々

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Oct 31, 2005
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カテゴリ:社会
 自民党改憲案が呈示され様々な方面で意見交換が行われている。
近年ブログ等の普及で、こういった議論が今まではサイレントマジョリティとされていた層においても活発に行われるようになったのは喜ばしい。今までは「新聞の読者投稿」でもなければ見ることは出来なかった声である。
新聞、特に朝日のような恣意的なフィルターがかかることなく、本当の声で意見が交換できる環境が整ってきたことこそネット時代がやってきたことの証明だと思う。
しかし環境は整ったものの、それを使う人間は「ネット環境以前」から存在していた人間であり当然それ以前の教育を受けている。そしてその教育の「ひずみ」の影響は未だに色濃く世相に反映されているのだ。
本稿ではその「ひずみ」を明らかにし、それを作り出した「絶対的平和主義の誤謬」について述べてみたいと思う。

今回の参考サイト
【FFS本舗氏のblog:http://plaza.rakuten.co.jp/ffshonpo/】
必要な部分は引用して論を進めていくが、一度ぜひ全文に目を通していただきたい。

【以下本文】

 戦後教育は往々にして戦前を全否定する傾向がある。
しかし現代というものは過去から連綿と続く連鎖の末端であり、独立して唐突に現れたものではない。
年表とその上の出来事を丸暗記することで行われている戦後の歴史教育はこの点を全く無視している。
例えば、太平洋戦争は開戦に至る間に様々な経緯と事情が存在する。米国から突然ハル・ノートを突きつけられて逆切れした日本が狂犬のように世界相手に戦争をしたわけではない。
突きつけるまでの米国の経緯、突きつけられた日本の葛藤、開戦を決意する経緯、そしてそれらを作り出した歴史的背景や世相。
まずは、これらをことごとく省みずただその結果のみを肯定あるいは否定することは思考停止に等しいことを理解する必要がある。

 さてFFS本舗氏のBlogに目を向けてみよう。
当該日記は以下の書き出しから始まる。

>軍隊による国家防衛は可能だと思いますか?
>俺は不可能だと思います。

 歴史上、軍隊による国家防衛に成功した例は無数にある。いやむしろ戦争の結果が客観的に勝者と敗者を作り出す以上、その数だけ国家を防衛した例は存在しているのだ。氏はこの点を完全に忘却、あるいは無視しているようである。

 更に氏はこれに関して次の問いを投げかけようとする。

>「軍隊さえあれば国は守れるのか?自衛隊を自衛軍に強化すれば国は安全になるのか?」

 一見しても何か「あれ?」と思える文章だが、実は既にこの時点で論理の破綻の兆しが見える。
その「破綻」とは何か。
 それは『改憲論者がいつ「軍隊さえあれば国が守れる」と主張したのか』だ。
答えは「していない」である。改憲論者どころかおそらく北朝鮮のような全体主義国家ですら「軍隊だけで国が守れる」とは考えていない。国連しかり多国間協議しかり、地球上の全ての国家は何らかの外交的手段をもって他国との協調を模索している。
氏の主張・問いかけにはこういった事実を意図的(か無知故か)に無視し、「改憲論者=戦争愛好者」という誤認識に他者を誘導しようという意図が垣間見える。
子供アニメじみた善悪二元論は、所詮思考能力に乏しい幼児向けのおとぎ話である。
『大昔、悪の軍隊は戦いに負けて滅びました。悪の軍隊から解放された善良な国民は、平和を愛し世界の人たちと仲良く暮らしていました。けれどもしかし、悪の軍隊の復活を目論む闇の勢力は滅んではいなかったのです。』
世界は絶対悪と絶対善の2面しか持たないデジタルな存在なのかどうか、その判断はここをお読みの諸氏にお預けし次に進むこととする。

>◎戦前の軍隊は国民を守ったか→
>戦争中日本軍は日本人を守りはしませんでした。
>軍隊は国民の命よりも軍隊自体を優先していたことは皆さんも聞いたことがあるでしょう。 
>沖縄戦における捨石作戦・集団「自決」の国民への強要・軍事病院からの国民の締め出し等は軍隊が国民を軽視していたことの例としてよく挙げられることです。
>同じことが二度と起こらないという保障はないでしょう。日本が戦前の思想に逆行しかねない状況の現在においては特にそう思います。

この文章はまさしく詭弁である。それを証明するためにこう書き換えてみよう。

◎安保の頃の大学生は勉学したか→
安保の頃の大学生は勉学しませんでした。
大学生は勉学よりも政治的革命的行動を優先していたことは皆さんも聞いたことがあるでしょう。
東大における学生闘争・新宿における暴動・浅間山荘事件・よど号乗っ取り・革命闘争・内ゲバによる殺し合い等は大学生が勉学を軽視していたことの例としてよく挙げられることです。
同じことが二度と起こらないという保証はないでしょう。大学生が安保の頃の思想に逆行しかねない状況の現在においては特にそう思います。

 いかがだろう。こうするとその滑稽さ狭量さが引き立ってくる。
戦前の軍において国民の命が軽視された事例があることは誰も否定しない、強調され過ぎたとは思うが。
つまり「一部の例をもって全体を図る行為」は、それを行った人物の視野の狭さを明確にするだけだということだ。
そしてそれを培ってきたのは、他でもない「戦後の絶対的平和主義教育」である。
軍を悪として単純に否定する教育は、軍の存在・必要性、戦争という事象、情報収集の場を奪い続けてきた。
この文章はその具現化に過ぎない。

>◎他国からの攻撃を防ぎきることは可能か→

 軍を悪とした戦後教育は、軍とその意味する「戦争」を否定するだけでその意味についての教育を行ってこなかった。
またそうした教育を受けて培われた視野の狭さは「否定するためにこそそれを学ぶ」という姿勢をまさしく否定し続けた。
(その最たる例が旧社会党である)
 氏は軍隊の存在意義、戦争の持つ意味、戦争を抑止する全ての構造を完全に無視しているか知らないのである。
現代に限らず、あらゆる時代において他国からの攻撃を「受けた場合」完全に防ぎきることは不可能だ。
子供のアニメに出てくるスーパー兵器を装備したヒーローのロボットでもない限り、あらゆる損害を受けずに勝利することは確率的に不可能であることを認識しなければならない。
ここで言いたいのは氏が「軍隊の存在する意味、目的」を完全にはき違えているということだ。
 では軍隊は何のために存在するのか。
他国からの攻撃を躊躇させる「抑止力」、いざ戦争となったときに被害を局限し少しでも有利にその戦争を終わらせるための実力行使機関。
少なくとも自衛隊はそのために存在する。
日本は他国に対して戦争を行わない主義を掲げ、それが国民の骨の髄まで染みこんでいる平和国家だ。
(これは自衛官でも変わらない。自衛官も全て日本国民としての教育を受けて自衛官になっているのだ。)
この戦後60年の積み重ねを「たかだか憲法の改正」ごときで変えることが、変わってしまうという妄想こそ根拠がないのである。

 さて氏はそのブログにおいて国土防衛を「無傷の勝利」と誤解している。
1か0かデジタルでしか勝敗が出ない戦いなど無い。戦いはその双方に犠牲を強いるからこそ悲惨であり、避けるべきものだという当然の現実から目を背けている。
この論法は「無傷で勝てるなら戦争しても良い」という、それこそ戦争肯定の軍国主義へ回帰しかねない危険性を孕んでいる。
 「全てを守れないから不要」という論法は成り立たない。損害0は理想だが、損害1は損害10よりもより理想に近い。
たとえわずかでも損害を減らす可能性があれば、その手段・準備を講じることは国としての義務なのである。
実際に日本はそのためにMD構想や防衛力の整備をずっと行っている。わずかでも被害を減らす可能性を追求し続けているのだ。
氏の論法は「保険は病気を防がないから不要」といった暴論と全く同じでしかない。
 自衛軍の意味云々については、おそらく氏の若さ故の純粋さなのだろう。
氏の自宅の前で、暴走族がガソリン入り火炎瓶に火を付けながら「オラァ、殺すぞ!」と叫んでいても同じことが言えるのならば、氏の信念は本物と言えるだろうと付け加えておく。

>◎軍事力は抑止力となりうるか→
>軍事力が抑止力になりうるという考え方自体がすでに破綻していると思いますね。

 第二次大戦以降の冷戦期、幾多の紛争が「米vsソ」の全面核戦争に至らなかった理由、通常戦力による全面衝突に至らなかった理由、それは核兵器によるMADから来る抑止力の存在である。
最も近い歴史上を省みず、20世紀初頭にまで話を遡らして自論を補強する氏の論法は滑稽である。
近代史、特に第二次大戦以降の歴史教育が絶対的平和主義の名の下に軽視されてきた証拠と言えるだろう。

>まあ、他国への信頼に任せる面がある以上、この考え方に否定的な人は多いでしょう。では、どちらが有益だと思いますか?国土防衛の意思を武力という形で示し、他国の敵愾心を煽る方法と、戦う可能性自体を減らす努力をし、他国との協調を進めるやり方と。

 この部分の根本的な問題点は、リスクマネージメント意識の欠如である。
戦争は「相手の意志」で一方的に起こされる可能性もある。こういった危機に対して準備をする、その際の準備は一般には「外交努力」と「軍事力(防衛力)の整備」になるが、氏の論法ではここに関する認識が致命的に間違っている。
氏はこの二つが「排他的」なものであり「同時平行的」に行うことが出来ないと認識しているのだ。まさしくデジタル外交である。
 関係の改善と防衛力整備は排他的なものではない。
真に日本の国益を考えるのならば「関係改善の努力をしつつ最悪の事態にも備える」ことが必須である。
経済活動でもこういった認識は必要だが、ことは「国民の命」に係わる金銭にかえられない重要事項である。
これを両立させない博打打ちの絶対的平和主義なぞに「国民の生命」を賭けるようでは、それこそ政府の責任だけでは済まないだろう。

>どちらにもリスクがあることを認めるならば、俺はより国にとって有益なほうをとりたいですね。

 リスクは考えなければならない。では国にとって最大のリスクは何か。
それは不意に攻められ為す術もなく蹂躙され、多数の国民の生命を失い、国家として滅亡してしまうことだ。
このような致命的リスクを無視する氏の思考法は「絶対的平和主義」の悪しき側面の具現化としか言いようがない。

>◎俺の立場→
>俺は「軍事力によっては国は守れない」と考えます。

 結論から言えばこれは不完全である、若しくは誤答であるとなるだろう。
なにしろ前提条件で当人が自ら言っている「軍隊さえあれば国は守れるのか?」を満たしていない。
上でも書いたが改憲論者を含めた多くの人が「軍隊だけで国を守れる」とは欠片も思っていない。
外交と軍隊は排他的ではない。同時並行して初めてお互いの欠点を補うことが出来るものなのだ。
外交努力では「戦争になったときに何も出来ない」。
軍隊では「外交は出来ない」。
 軍隊を絶対悪と見なして否定することが氏の論法を破綻させていることは各段毎に示してきた。
これらを踏まえた上で氏の問いかけに関する答えを考えて欲しい。
そうすれば何が国にとって国民にとって必要なものであり、耳に優しいきれい事がいかに危険であるか理解していただけると思う。

 私を含め多くの人が受けてきた戦後の絶対的平和主義の教育は、戦争について、軍隊について考える場を奪い続けてきた。
本来ならばその影の部分を踏まえた上でより理想に近づくべく議論すべきだったのだが、日本はそれを怠ってきた。
改憲の時期に来てその膿が吹き出すように出てきたのも事実であるが、膿は出しきっておかねば後々禍根の元となる。
否定するにしろ肯定するにしろ、それについて学ばねば語る資格はない。

 日本が世界の中で平和を享受し、国際協調のもとで一層発展するために、私たちは現実を見なければならない。
遠い未来の理想を実現するため近い将来の現実を解決する姿勢こそが今、日本には求められていると私は考えるのである。





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Last updated  Oct 31, 2005 09:23:49 PM
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