東北楽天の嶋基宏捕手(30)が30日、今季取得した海外FA権を行使せず、チームに残留すると表明した。コボスタ宮城(仙台市)で報道陣の取材に答えた。
嶋は秋季練習後、安部井寛チーム統括本部長に残留の意向を伝えた。「梨田(昌孝)監督が就任し、新しい環境でプレーしたい気持ちが強い。星野(仙一)副会長にも恩返しできていない」と理由を説明した。
その上で「きのう(29日)ソフトバンクが日本一になるシーンを見て、もう一度、東北の方と優勝を味わいたいと思った。来季は2年連続最下位の悔しさを晴らしたい」と強調した。
安部井本部長は「いいニュース。チームの立て直しには、嶋選手のリーダーシップが絶対に必要だと伝えた」と語った。
嶋は今季、6月中旬に左肋骨(ろっこつ)を骨折し、約1カ月離脱したが、正捕手として117試合に出場。打率2割1分9厘、4本塁打、18打点だった。主将も務め、チームを引っ張った。昨季は国内FA権を行使せず残留した。
青山浩二投手(32)、聖沢諒外野手(29)は30日、FA権を行使するかどうか態度を明らかにしなかった。
海外FA権を今季取得した青山は球団と数回交渉を重ねたが、金銭面で折り合いがついていない。権利を行使して残留できるかどうか、球団に確認しているという。「残りたい気持ちは強くなっているが、納得できないところもあり、決めかねている」と話した。
国内FA権を今季取得した聖沢は「残る方向では考えているが、まだ決められない。権利なので時間を有効に使いたい」と述べた。
FA権を持つ後藤光尊内野手(37)、牧田明久外野手(33)は残留する見通し。藤田一也内野手(33)、松井稼頭央外野手(40)は複数年契約を結んでいる。
岡山県倉敷市のマスカットスタジアムで行う秋季キャンプ(11月2~18日)に参加する33選手を発表した。コボスタ宮城で行われている秋季練習は31日までで、選手、スタッフは11月1日に移動する。キャンプ中の休養日は5、10、14日。
参加選手は次の通り。
投手 塩見、浜矢、小野、森、安楽、釜田、戸村、西宮、大塚、入野、加藤、横山貴、辛島、古川、福山▽捕手 小関、下妻、伊志嶺▽内野手 阿部、三好、内田、銀次、伊東、西田、中川、岩崎▽外野手 聖沢、福田、岡島、枡田、島内、フェルナンド、北川(河北新報)