2006/11/24(金)18:25
『動物園の鳥』坂木司著+『死にぞこないの青』乙一著 読みました。
とうとう読み終えてしまいました。『青空の卵』に続くシリーズ完結編。
ひきこもりの探偵・鳥井真一とその友人、坂木司。この二人を取り巻く人々。
「青空の卵」「仔羊の巣」の8つの物語を通して知り合った多くの友人たちとの
交遊を通して、鳥井は徐々に外の世界へと飛び立とうとする。 (bk1より)
鳥井さんや坂木さんにもう会えないの!?と思うとすごく寂しい。
シリーズ終盤になってくると鳥井さんちに集まってくる人ってかなり増えてきました。
・・・でもっていつの間にか自分もそのうちの一人と錯覚してしまってたんですね。
シリーズが終わってしまう=今後、鳥井さんの部屋には入れてもらえない…
そんな被害妄想に陥ってしまいそうです。
うーん、でも巻末に「鳥井家の食卓」と題して、鳥井さんの料理のレシピが
紹介されているので、挑戦してみようかな!?
そして鳥井さんちの食卓気分を味わうのだ(笑)
いつか、また。彼らのその後を知ることが出来たらいいなあと願っています。
続けて読んでしまったのは乙一さんの『死にぞこないの青』です。
飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きだった
羽田先生から嫌われてしまう。先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり
授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。
クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に
「死にぞこない」の男の子が現われた。書き下ろし長編小説。(bk1より)
ふと未読だったことを思い出し、手に取ったのだけど
“いじめ”を取り上げているところは『動物園の鳥』と共通してます。
共通してますが…こちらの内容はかなり黒々しています。
教師の言動からクラス中がいじめをはじめるようになった、なんてつい先日
ニュースでも聞かれた話なのが更に怖い。
いじめを受けているマサオの心理描写がものすごくリアルというか巧みというか
そう思ってしまう、思わざるおえない、と、どんどん追い詰められていくのが
読んでいて辛いです。
乙一さんらしく、転んでもただでは起きない展開が終盤待ち受けているわけですが
(これはフィクション、作り話ではあるけれど!!)
ラストのマサオの気持ちの変化には強いメッセージが込められているように思います。
僕なんて、きっとただの逆らわない羊だったんだ。
羊は静かに食べられて餌になる。
だけど、それじゃだめなんだ。
なぜなら、そんな悔しいことってないのだから。
内容は180度異なる二冊の本だけど、どちらも“いじめ”について考えさせられる本でした。