ひいちゃんにっき(発達障害とともに・・・)

読んでほしい詩

私の知人のKさんの詩を紹介します。Kさんは先ごろ、障害を持つ息子さんを亡くされました。これはその息子さんへの想いを綴った詩です。

あっちゃん、ありがとう


           あっちゃん、ありがとう
          あっちゃん、大好きでした。みんな好きよ。
          お母さんを助けてくれてありがとう。
          足が悪いのに歩いて生きたね。足の爪がつぶれていた。
          いつも気にかかって爪切りを使おうとして、
          私が血が出るからいけないと言うと、笑ってやめていたね。

          50年。でも短かった。
          何にも要求しなかったね。
          あたえられるだけで文句も言わなかった。
          お母さんは、何もしてあげられなかった。ごめんね。
          でも、いつも黙って私を見守っていた。
          私が苦しむと、あっちゃんも困った顔をした。

          洗濯物を必ずとりいれて、風呂場のマットをして、
          バスタオルをたたんで、いつでもお風呂を使えるように、
          私の靴を揃えて、いつでも出掛けられるように、
          新聞を取って来て、チラシを見て、いつか言ったね。
          黄色い財布から1万円札が、はみ出している写真を見て、
          「あっ、お母さんの好きなお金だ」ギョッとしたよ。

          9月22日の夜の満月を窓から2人で見た。
          とても満月を見るのが好きだったね。
          私の手製のお萩餅を2つも食べていた。
          漬物が好き、レタスが好き、刺身が好き、
          肉が好き、教会が好き。
          あっちゃん、お母さんずっといるよ、と言うと安心した顔をした。

          貴方がいなくなったらどうしよう。
          休みの続きのときには外に出た。
          あっちゃんドライブするか、と言うといそいそ車に乗った。
          時々、私も70歳になって、いつまでえあっちゃんを乗せるのかと
          ぐちを言って、困らせた。

          海岸線を走って、海と船を見せる。
          育ったまち元浜が好きだった。
          自転車が好きだった。散髪好き、
          一番好きは、作業所へ行くこと。

          何故か寝る時、えんぴつを2本、枕ももとに置いた。
          勉強したかったね。
          今度生まれ変わったら、優秀な勉強のできる人になってね。

          不自由な身体と弱い頭でがんばったね。
          また、その条件を黙って引き受けて・・・・・・・・・
          貴方でなくてもよかったのに。
          貴方が引き受けました。





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