ひいちゃんにっき(発達障害とともに・・・)

特別支援教育ってなに?

特別支援教育ってなに?


特別支援教育における基本的視点

(1) これまでの特殊教育は、障害の種類と程度に応じて盲・聾・養護学校や特殊学級において教育を行う等により、手厚くきめ細かい教育を行うことを基本的な考えとしていた。また、通常の学級に多く在籍すると考えられるLD、ADHD、高機能自閉症により学習や生活についての特別な支援を必要とする児童生徒に対する教育的対応については、従来の特殊教育は必ずしも十分に対応できていない状況にある。
これらの障害のある児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な対応を図ることが特別支援教育における基本的視点として重要である。


(2) また、障害のある児童生徒にとって、自立や社会参加は重要な目的である。可能な限り自らの意思及び力で社会や地域の中で生活していくために、教育、福祉、医療等様々な側面から適切な支援を行っていくことが求められている。
障害のある児童生徒の教育については、自立や社会参加のための基本的な力を培うために障害の状態に応じて行う教科指導に加えて、自立活動の指導、すなわち、障害に起因して生じる種々の困難の改善・克服のための指導という重要な機能がある。この機能に関しては、近年の国際的な障害観の変化も踏まえれば身体機能や構造の欠陥を補うという視点で捉えることは適切ではなく、生活や学習上の困難や制約を改善・克服するために適切な教育及び指導を通じて、障害のある児童生徒の主体的な取組の支援を行うことを特別支援教育の視点として考えていく必要がある。


(3) 上記のことを踏まえれば、特別支援教育とは、これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく、その対象でなかったLD、ADHD、高機能自閉症も含めて障害のある児童生徒に対してその一人一人の教育的ニーズを把握し、当該児童生徒の持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するために、適切な教育を通じて必要な支援を行うものと言うことができる。もとより、この特別支援教育は、障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するためのものと位置付けられる。
この場合に、一人一人の児童生徒の教育的ニーズが何かについて、市町村の教育委員会は、児童生徒本人の視点に立って、専門家はもちろん保護者等関係者の意見等を踏まえて正確に把握するとともに、教育的支援を行う関係者、関係機関等の役割分担を明らかにして適切な教育を行うことが重要である。その際、都道府県の教育委員会は、市町村における教育的ニーズの把握が適切になされるよう、市町村に対する支援や連携について考慮する必要がある。
児童生徒一人一人の教育的ニーズは多様であり、また不変のものでもない。小学校又は盲・聾・養護学校の小学部に入学した者もその実態等に応じて就学先を変更することによりその者の教育的ニーズに対応した教育が可能な場合があることに留意する必要がある。また、小・中学校の特殊学級や盲・聾・養護学校等の利用可能な人的・物的資源を児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じて弾力的に活用して適切な教育を行っていくという観点からも、教育の場を固定したものと考えるのではなく、児童生徒の実態等に応じて弾力的に教育の場を用意するという考え方に立って取り組むことが必要である。


(4) 平成11年7月に関係法令が改正され、地方分権の実現に向けて国と地方公共団体との新しい関係の構築や地方行政体制の整備等が図られたが、この中で、就学事務等は機関委任事務から地方公共団体が行う自治事務に変更された。今後は、児童生徒の教育について、地域の実情を踏まえ、自己決定・自己責任の原則の下で各種事務を行うことが求められるため、例えば就学段階においては教育委員会が中心になって、一人一人の児童生徒の教育的ニーズを踏まえた適切な対応が図られることが必要である。
これまでの特殊教育は、障害の程度に応じて、教育や指導上の条件が整った場で手厚くきめ細かな教育を行うことを重視し、障害のある児童生徒の就学指導の制度としては、やや画一的な面があった。前述の「21世紀の特殊教育の在り方(最終報告)」の提言を受け、国は、学校教育法施行令を改正し、盲・聾・養護学校へ就学すべき基準(就学基準)と就学手続の見直しを行った。これにより、障害のある児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた教育的対応を適切に行うことが制度的に可能となり、今後は、地方分権の趣旨も踏まえて盲・聾・養護学校など特殊教育において整備された人的・物的資源を活用して、現行制度の一層の弾力化や効率的運用、教育、福祉、医療等の関係機関の連携の充実等により、一層質の高い教育を行うことが重要である。


文部科学省『今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)』より抜粋


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