移植日記 その後

2010/03/23(火)12:29

研修医

この時期になるととある研修医2人のことが思い出される。 ひとりはもう22年前に出会った研修医。 当時、摂食障害という言葉がぜんぜん知られてなかった。 私は食べては嘔吐を繰り返す、今で言う過食症になってた。 当時とある大学病院に通っていて そこの精神科を受診することを決意した。 春、研修医が外来に出て勉強をしていた。 その研修医の問診が始まった。 私は症状を説明すると、その研修医はひとこと 「嘔吐するわりにはぜんぜん痩せてませんね。 後からえらい先生に診てもらいますから待っててください」 もっと他に何か言われたかもしれないが、それしか記憶にない。 その後10年、精神科へ行くことはできなかった。 精神科へ行っても、痩せてないし何の治療もしてもらえないんだと思って。 2人目は6年ほど前、2回目の移植を受け、インシュリンフリーになって 退院する前日のことだった。当時担当だった研修医が私に放った言葉。 「インシュリンフリーになって退院するということだけど インシュリンを打たなくて済んでいるのは病院の計算された食事だから。 家に帰るともっと大量に食べるでしょ。そしたらインシュリンなしでは 生活なんかできっこない。だからインシュリンフリーなんて一時的なもの」 言葉は違うかもしれないけど、要するにものすごい低カロリー食だったから インシュリンが要らないように思うけど、あんたはすぐにインシュリンが 必要になるよ!ということを言ったのだ。 「何でこいつにこんなこと言われなきゃいけないんだ」というくやしさで 夜中、何時間も泣いたっけ。 その2人の研修医が何年、何十年経って医師になって そんな軽い、思いつきの言葉で他の患者を傷つけてはいないだろうか。 ちゃんと考えて発言する医師になっているんだろうか・・・ 春になるといつも思い出す苦い思い出。

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