過去写真でブログ旅 その42 ホーランエンヤ
とりあえず、緊急事態宣言が解除のようですので、今回で一旦切ろうかと思います。 2019年5月26日は、ご多分に漏れず、島根県に居た。正確には島根県と鳥取県の間を行ったり来たりしていたんだが、この日は鳥取県米子市から列車に乗って島根県に渡って揖屋駅で降りて、ホーランエンヤの還御祭を見に行った。 ホーランエンヤとは、松江城内にある城山稲荷神社の御神体を、霊験あらたかな揖屋の阿太加夜神社に運んで、スーパー豊穣の神にパワーアップさせて城山稲荷神社に戻すまでに行われる、10年に1度のお祭り。パワーアップする祈祷に7日間をかけるため、松江から揖屋まで、祈祷中の中日、揖屋から松江に帰るまで、の3度に分けて行われます。御神体をお運びするのに、船一艘では心もとないと、周辺の各地域がこぞって船を出し、踊りを奉納するようになったそうです。今回は、3回に分けられる祭りの中の3回目、帰りに該当する還御祭を見に行きました。 さて、揖屋駅を降りて、阿太加夜神社方面に歩いてきて、参道入口まで到着しました。 と、既に神社からご神体が出発しています。神社から船着き場まで直線距離で200メートルもないのですが、わざわざ参道を経由して600メートルくらいは練り歩くんですね。 参道は270度くらいの鋭角に曲がっているので、ヘアピンカーブを抜けた御神体と神職が船着き場のある意宇川に向けて進んでいきます。 御神体を運ぶ大行列とギャラリー・報道で、島根の片田舎が人だらけです。まもなく船着き場。 御神体の到着を待ちわびる櫂伝馬船。5つの地区から5隻の櫂伝馬船がご神体のお供をします。小さな船を含めると100隻以上の大船団で御神体を送り届けます。 櫂伝馬船が停泊中のところを下りサンライズ出雲が通過。これを見てた乗客は実にラッキー。サンライズが運行開始してから行われたホーランエンヤは今回を含めてわずか2回。前回まではおよそ10年周期と明確に決めていなかったために12年開いていたそうです。しかし、果たして10年後にサンライズ出雲はあるのか?? 御神体を納めた神輿船が先に離岸して待機します。 そして櫂伝馬船が次々と離岸して、神輿船の周囲を旋回しながら櫂伝馬踊りを奉納します。 先頭に居るのが水先で長い棒を横に持ち、船の進路を調整しながら他の船との接触を避ける。 その後ろに居るのが剣櫂で、歌舞伎のような化粧をしつつ相撲の化粧廻しのような着物を来て激しく動く役。一番うしろには采振と呼ばれる女装の役が居て、もった飾りを振りながら体の柔らかい踊りを披露します。 船頭が「ホーラ!」というと、櫂掻が「エンヤ!」と返して櫂を漕ぐ、というのがホーランエンヤという名前の由来らしいです。 櫂伝馬踊りでは、返すのではなく、掛け声として「ホー ラーン エンヤ! ヤーッサノサ!」と言っているように聞こえました。 意宇川はそこまで広い川ではないので、およそ2隻ずつ旋回して2周の櫂伝馬踊りを奉納したら、中海に向けて出発していきます。 115系が通過。レアですねぇ。 どうやら幟は折り畳める構造らしく、倒して低い橋桁をくぐって抜けていきます。櫂伝馬船は櫂が動力ですが、その他の船はさすがにモーターボートでした。行列をなしてどんどん中海へ抜け、松江に向かっていきました。 松江は大騒ぎだったようで、どうやら島根の津和野とか益田へ観光に来た客が、観光ガイドから「津和野なんか見ている場合じゃない。今日は松江に急げ!」とか言われるほどの一大イベントだそうで、いやはや、見に来てよかったかな、と思います。次は2029年です。 それだは、また。