関係力(相対性)経済学RELATIVITY ECONOMICS

2012/06/10(日)01:11

一人歩きし始めた日本熱

午後の遅い時間に、ニックが祖父と父親とやってきた。ぼくを連れて、ヒアさんの親族の夕食会に参加するためである。 そこへ、モンスーン(こちらの台風に当たる)のような強風が吹いたかと思うと、土砂降りの何倍かの雨が降り始めた。これがこちらの雨季である。こうなっては、車は運転できない。しばらく、みんなして家で雨宿り。 1時間も降っただろうか、あっさり止んだ。これもこちらの雨季である。みんなで2台の車に分乗して、ラーマ2通りにあるヒアさんの叔母に当たる高齢の女性宅に向かった。この叔母さんは、ヒアさんの従姉妹に当たる女性と暮らしている。従兄弟の女性はヒアさんと同い年で一度も結婚したことがない。叔母さんも相当の資産家だが、この女性もまたお金持ちで、会社を二つも所有しているくせに、自分は手作りの石鹸を造って(この石鹸は日本の友人たちの間で評判が高い)販売している。新しがり屋でIT製品が出るとじきに買う。もちろんIパッドも持っている。30000B(為替レートで78000円)したという。 いったん叔母さんの家に集結して、ぼくも3度目の訪問の「龍鳳楼」という中華料理専門の高級レストランに行った。ラーマ2沿いにある。総勢10名だったが、いったい何のためのパーティなのかさっぱり分からない。しかも、ぼくを交えての夕食会???どうも、ヒアさん一族に日本で買ってきたお土産物を渡すという口実で、ニックやNさんを連れて日本旅行を楽しく安全に成功させた礼のようであった。 ナムがぼくの目の前で、親族に日本旅行の素晴らしさを絶賛している現場を目撃した。ニックもそうだというが、10歳の男児の叙述力ってどのくらいのものかぼくには分からなかった。ニックが、家で雨宿りしている時に、トーキョーという話が出るたびに、泣く真似をして「おおお トーキョーディズニーランドに行きたいよぉ・・・・」と叫んでいる。行きの車の中で、ニックは母親に訊いている。「ママー・クラップ ルンコイチはいつまでもタイランドにいるの?」「そうだといいわね」「ママー・クラップ ルンコイチが 日本に帰って ここにいなくなると ぼくさびしくて耐えられないなぁ」(と言っているそうである。Nさんによる通訳だからほんとのことはわからない)。ニックの日本観は、ディズニーと結びついているだけだろうというと、それをニックは明確に打ち消した。「ディズニーなら 将来タイランドにもやってくるんだ でもトーキョーがいいんだ」と。 ナムも、東京で食べたバナナケーキを真似して、それのタイ版を試作中である。彼女の「クロミ喫茶店」をオープンする構想は本物である。ぼくは試食しては、どうも違うなぁと丸印をつけていない。ナムは、ディズニーやサンリオ製品をタイランドでネット販売できないかなどと、研究中でもある。今日初めて聞いたのだが、福井のぼくの義理の娘が、いろいろアドバイスを送っているらしい。 去るものは日々に疎しというが、逆に、ニックとナムのその一族の日本熱はずっと続いているし、むしろ現実味を増して嵩じている。 どうも、ヒアさん一族はそういう「お礼」?のために、今夜の夕食会を催してくれたのではないかと、推測される。そして、今年の12月には、ヒアさんの親戚が大農場を経営しているタイランド北部(チェンライではない)、ラオスの国境付近に旅行することが決まっている。ものすごく美しくスイスに似た土地柄だそうである。もちろんぼくが参加することが自明の前提になっている。従来は、N一族と言っても、Nさんの親戚が中心におつきあいが展開していた。今度はヒアさん一族との関係が濃厚になりそうな気配である。 このような効果を生んでいる日本旅行の大成功は、ぼくの功績なんかじゃない。ぼくは彼らの安全だけを願って、行動しただけで、成功はぼくの教え子たち、友人、教え子の子どもたち、そして妹や娘夫妻の陰陽の絶大な支援があったからこそである。 その後は、どうやらNさんやナムの大人は自分自身でで協力者を見つけて、ビジネスを考えているらしい。ニックは、もう一度日本に行って、温泉に入って着物を着たいらしい。あ、今日もニックはぼくの大きな下駄を履いて(「じゃりン子チエのチエみたい)、カランコロン中華料理店をのし歩いていた。

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