関係力(相対性)経済学RELATIVITY ECONOMICS

2012/11/27(火)22:53

ニコンワンを買ってもらった

大工事という前触れで、歯医者に行った。麻酔をぶすぶす打たれて、左下の奥歯の修理が行われた。約1時間半かかった。いままでで最高値のお金が請求された。率直に言っておきたい。そのお金はNさんが支払った。 ぼくの愛機ニコンD90は、シャッターがリリースできたりできなかったりで、病院の帰りにニコンショップのあるセントラル・ピンクラオ・デパートに行った。ちょっとお宅っぽい男の店員が、いろいろ試してみて、カメラ本体が悪いのではなくて、レンズがおかしいのだ、と言った。ぼくも、店の真新しいレンズで試してみたら、快適にカシャカシャとリリースできる。レンズがおかしいと同意した。で、彼の言うには、3000バーツかかり、3ヶ月を要すると。気が遠くなった。前回も3ヶ月要した。この1年で、このカメラは6ヶ月しか働いていない勘定になる。どうも、この国のメインテナンスの技術水準は一度ではすまないようである。何度も脚を運ぶ覚悟が必要と―こういうことは何度もあったので―つくづく思った。 この3ヶ月の間、Nさんに、ヒアさんから君がもらった韓国製のなんとかというカメラを貸してくれないか?と頼んだ。Nさんは、ノーはなかったが・・・ここからがNさんらしいところである。 前から、ニコン・ワンを買いたかったのよ。いっそのこと ニコン・ワンを買っちゃいましょう この韓国製のカメラはニックも使いたがっているので と言うなり、お宅っぽい店員と交渉を始めた。あきれて、もう黙って見ていた。そして、ニコンワンのもっとも高価なクラスのもの(交換レンズ付き)を買っちゃった。なんだか、やけくそになって、ぼくは黙って突っ立っていただけだった。 店を出て、中華料理屋で食事をして、帰ってきた。 Nさんは、どこでもいつでも見知らぬ店員としゃべくる。お宅っぽいニコンの店員と、どこでどういう風の吹き回しか、その店員もファンらしく、デービッド・フォスターのコンサートの話を熱を込めて延々とやっていた。それよりも、驚いたのは、歯医者にいたときである。ぼくが1時間半大口を開けて、大工事をされている間中、廊下で彼女の話し声が聞こえる。相手は主に女性だが、ときどき、男性の声も混じる。タイ語だから何をいっているのか、ときどきGRIPケララという単語が聞こえてくるので、ああ わが社の宣伝をやっているのかと、口を開けながら思っていた。1時間半ですよ。 治療が終わって、ふと話し相手を見ると、看護師とX線技師の男女二人、それとNさんの計4人がそこにいた。待合室に行って、なにを延々と話していたんだよ?と尋ねた。ぼくは、この病院Nさんの1時間半の長広舌を3人も聞かせているほど暇なのかと、思った。Nさんは、答えた。看護士の息子さんが、6歳で早くもレディボーイと診断され、多動ADHDと診断されたと悩んでいるので、彼女は意見を交換していたところであると。でも、彼女のせりふのほうが何倍も看護師のせりふよりも長かったので、意見を交換していたのではなくて、Nさんが若く美しい看護師を励ましていたのだと思う。それにしても、X線技師の二人もこの看護士も、Nさんの話を、よく聞いているものだと思った。プライバシーに属することを、技師は言うまでもなく、ドクターアンクルもぼくの看護士二人もその周囲も、みんな聞こえていたにちがいない。Nさんて、どういう人なんだろう? タイランドの人間関係の濃さをあらためて思った。

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