十四部 「対決」「ガルバ!シーズ!」僕は、急いで仲間のいる牢屋へ駆け込んでいった。 しかし、既に何者かが僕の背中へ刀を振り上げ、突き刺していた。しかし、それは、僕ではない。突き刺さったのは、僕が先ほどデータサブジェクトで作り出した影だ。誰かに見られているのは知っていたので、あらかじめ術を出していたのだ。しかし、相手もなんだか変だ。身長は僕と同じくらいなのだが、頭の上からすっぽりマントをかぶり、顔のあるところが暗くなっていて、怪しげに目が光っている。身軽で、まるで忍者のようだ。敵は三体。さて、どうやって助けるか。僕と、謎の忍者達は無言のまま向き合った。すると、素振りも見せずにとっさに、1人のマントをはおった忍者が、刀で襲ってきた。こっちにも、刀があればいいのにと、僕は思わず思ったが、それは攻撃するときだけだった。僕は、身軽に攻撃を交わしていった。しかし、時間が経つに連れて、疲れてくるし、1分もすると、三人全員で、一斉に攻撃を仕掛けてきた。さすがに、これは、身軽にはかわせない。と、なると。やはりこれか。 データサブジェクト。 今ではもうすっかり、見た目や形が変わっている。牢屋の中で、必死に魔術の練習をしたため、どんどん強くなっていったのだ。そして、僕は強くなったデータサブジェクトを操り、気持ちを集中させ、膜を僕の周りに張った。これは、高度な技術の魔術で、本にはこう書いてあった。 反膜のつくりかた。 反膜とは、自分を敵の攻撃から守るものであり、一般的に「バリアー」と呼ばれるものである。しかし、集中、意識の高まりによって、自分のみを守るだけでは無く、生きている相手の攻撃を跳ね返す役割もしている。相手の攻撃が膜に接触したとき、膜から同等の武器が現れ、相手を倒すだろう。 と、かかれていた。つまり、これは、自分のみを守る、「バリアー」の役割をしていて、生きているものには、集中力、意識によって、攻撃を跳ね返すことが出来るという便利なものだ。しかし、跳ね返せるのは生きているものが攻撃をしてきたときのみ。死んだものが攻撃してきたときには、跳ね返すことが出来ない。普通あり得ないことだが、もう慣れてしまった。 さて、もう敵は目の前まで来た。勢いよく刀を振り下ろす・・・。 どっちだ・・・、生きているのか・・・死んでいるのか・・・。 「バチィィン!!!」 勢いよく、膜に刀が入った。跳ね返らない・・・。ということは、このマントの忍者は死んでいる。もうそろそろ、時間も経ったな・・・。僕もそろそろ、終わりにした・・・。 「ガルバ!シーズ!」僕は勢いよく牢屋へ駆け込んだ。背後に、やられた忍者を残して。そう、この僕が勝ってしまったのだ!しかし、牢屋の中には、もっと驚くことがあった。 ガルバとシーズがいない!! ガロの接続書 クリックして次の物語へ・・・。 ジャンル別一覧
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