十五部 「ガロ」どういうことだ!?ガルバとシーズがいないなんて・・・。後ろには、魔力が無くなり砂となった、謎の忍者が数人いるだけで、後は他の気配が全く感じられなかった。試しに、データサブジェクトで気配感知の術を使ったが、やはり、ガルバとシーズはいないようだ。しかし、1人、別の牢屋の中に瀕死の状態の人が1人いた!敵か味方かは、僕にはわからなかった。が、話しかけてみるだけでも良いだろうと思い、近くへ寄った。だいぶ前から閉じこめられているのだろうか。来ているものもほぼ、ぼろぼろの状態でもう生気を感じ取れなかった。しかし、男はこっちに気づいたようだ。しかし、もうどうでも良いかのように、すぐにそっぽを向いて、また沈黙が続いた。 「あの・・・。」試しに小声で話しかけてみたが、なんの反応もない。聞こえないのか?耳が・・・。そんな、あの忍者のようなやつのことだけでもきこうと思ったのに・・・。と、僕が思っていると。男は口を開いた。 「奴は、ガロという名前だ。」 あまりの驚きに僕は動けなかった。ガロ・・・。あの忍者が・・・。と言うよりも、この人こんなに瀕死の状態なのに、こんなにはっきり言葉を喋れるなんて・・。ここは、味方と信じて良さそうだ。 「あの、ガロって・・・。」また男はとっさに口を開いた。 「奴は人間でもなんでもない。媒質に、魔力を注がれ、命令に従う。感情を持たない気味の悪い忍者のような奴だ。」 おかしい。僕が聞きたいことを相手は、知っている!しかも、早い!腰に、かなり強そうなデータサブジェクトが見えた。この人、かなり強い。でも、どうしてこんなところに・・・? 「あの・・・」 「ふふ・・・。どうしてオレがここにいるか知りたいんだろう?このオレのデータサブジェクトをみて、強い奴だとお前は判断したんだろう。オレは、黒い城の長に刃向かったものだ。今は、こうして処刑を待つばかりだが。体はちゃんとしているぞ。」 男はそう言うと、データサブジェクトに複雑なリズムで番号を刻み込んだ。すると、たちまち瀕死状態だった男が精悍な男の形へと変わった。 「今までお前を試していた。良い動きをしている。お前の名前は?オレは、 フラット・ヴァイノだ。」 「僕はカルス・セイトです。」(今まで本名を出さなかったのは奴らに気づかれたくなかったからだ。奴らって言うのはまだ言えない。言えるときが来るだろうか・・・。)フラットは、僕に話しかけた。 「お前何でここにいる?まさかお前も、黒い城の長を倒す気か?」 どうしよう。言うべきだろうか・・・。僕はとまどったが、顔には出さなかったと思う。しかし、フラットの鋭い目に僕の嘘が隠し通せるだろうか? 「僕は友達を救いに来た。」 と言うことにしておいた。疑いの目で見られたが、隠し通せたようだ。 「そうか、あんたの友達はここの上にいるんだな?ここはまっ、地下だからな。それじゃ、行くとしますか?」 と、フラットが永遠の錠を解き、聞いてきた。 「えっ、どこへですか?」 「何を言ってやがる。この城の長のところまでに決まってるだろ!?」 再会の接続書 クリックして次の物語へ・・・。 |