三十八部 「作戦開始」「作戦を開始する!」数時間前~ 「なんでこんな神が集まっているんだ?」 シールが問う。クロスが答えた。 「集めたんだ。時の暴走で、神が共鳴した」 「で、お前がその招集の神ってわけだ」 クロスが顔を赤らめて言う。 「まあ・・・・、馴染めないけど」 「ところで、本当にここが、黒い城か?」 黒くそびえ立つ、高い城を目の前にクロスが答えた。 「なにを証拠に・・」 「教えてくれた。黒い城の長がね」 シールが向く。 「会ったのか!?」 「いや、時の暴走で、未来の地域にも走ってしまったんだ」 シールが首を傾げた。 「わからねえ・・・が、ここに集められた神は信用して良いんだな?」 クロスが笑う。 「ああ、もちろん」 「それ、いくぞ少年」 「はい」 「待ってくださいよ~、先輩~」 「こら!クロスの目の前で、んなこと言うんじゃねえ!」 「先輩、急ぎましょう」 「シーズ、いいね?」 「もちろんです」 ヴァイノ兄弟とクロス、新城次(本名はデューク)とフォールにシール、シーズにセロが行くことにした。そして、残りのクロノと、アンドロイドのエアクス、そして、ガルバが残った。 黒い城の入り口は三つ。黒い城は崖の所にあり、左右、そして下方から行くことにしたのだ。下方はクロスが、右はセロが、左はシール達が行くことにしたのだった。 「ヴァイノさんたちは、あれからどうしたのですか?」 暗い城のなかを、走りながらクロスが言った。 「どういうことかな?」 兄のフラットが答えた。 「いや、兄のD・S(データサブジェクト)には、あなた達は共に崖を落ちたって・・・」 弟のシャープが答えた。 「確かに落ちた だが 死ななかった 私は我に返り わたしが兄の下に落ちて助けた 私は一度死んでいる もう死ぬことは不可能だ」 クロノは、シャープの喋り方に首を傾げた。それを見て、フラットが言った。 「こいつは、さっき言ったとおり、一度死んでいる。呼吸をしていないんだ。ところで、たしかに、そういえばお前クロスに似てるな」 「いや、それは関係ないです。」 「ある あいつは我々が崖から落ちた後 無二の親友と戦い 決着は知らないのだが 生きている」 クロスは見えない二つの顔の方に向いた。 「だからそれがどうしたって・・」 「お前だって気づいているんじゃないのか?」 フラットが言った。 「あいつは生きている。・・・おっと」 三つの影は立ち止まった。ドアがあったからだ。 「入るよな・・・?」 ドアを開け、光が入り、傷だらけの二つの顔を、クロスは見た。 「先輩、俺たち何をしているんスかね?」 「オレが知るか!大体なんだ、お前の名前は。{デューク}だと?」 「はい」 「先輩、一分後大きなドアが出てきます。その先は、まったく魔術を使っても読めません・・・。負、という事以外は」 デューク、シール、フォールも走っていた。シールが口を開く。 「どうするよ、オレら」 フォールが答えた。 「・・・・私たちは神です。そして、長は悪です。・・・私たちは既に、時の暴走という壁を乗り越えています。私は戦います!」 「お・・・オレもっす」 「・・・・・そうだな」 そして、三人は立ち止まった。 「ドアか?」 「まさしく」 次の瞬間、ドアはなくなり、後ろにドアがあった。 シールが重々しい口を開いた。 「なんだ・・・?この気配どこかで・・・」 {それはお前達が既に、私の籠(かご)の中に来たことがあるからだ} 心に、その声は響いた。 三人は後ろを見た。 後ろには、黒龍が大口をあけていた。 「そっちは?」 「問題ないです・・・!!」 「はあ・・・どうしてこんな事に」 「まあ、突っ切りますよ!」 シーズとセロは、敵に気づかれ応戦していた。相手はざっと、200人程度。しかし、倒しても人数は減らなかった。そして、突然黒い城の兵が攻撃を止め、まるで時間が止まったかのようになった。 「・・・・どうしたのかな?」 「さあ・・・、どうやらこれは、隊長が来たらしいですね」 すると、奥の方で声が聞こえた。 「いかにも!」 兵士が左右に列をつくって並んだ。そこへ、三人の兵がでてきた。 「ようこそ、黒い城へ。我が名はトム!」 「あひゃひゃ!あひぃっす。よろしくっす。・・・あひゃ」 「ニャロメって言うんだけどさ、ねえねえ、猫飼ってない?」 シーズとセロは、時間が止まったように動かなくなった。沈黙が続き、セロが口を開いた。 「あの~、どいてくださりますか?」 すると、即座にニャロメが答えた。 「ねえねえ、猫飼ってない・・・・!!!」 ニャロメは、シーズを指さした。 「猫がイルーッ!!!猫ーッ!!!!」 シーズへ走り出す。セロが技を出そうとした瞬間、目の前に火が出た。 「セロさん。任せてください。問題ないです。」 「お前は、俺たち二人が相手をしてやる」 「あひゃひゃひゃ」 「くっ・・・」 フラットがドアを開けようとした瞬間、クロスが言った。 「兄が生きているって、どういうことですか?」 フラットが手を止め、あたりはまた、真っ黒になった。 「あんたは、もう気づいているはずだ。カルスから、神の拍動を感じることをな」 そう言ってドアを開けようとした瞬間、ドアはもうなかった。あたりを見た瞬間、走ってきていたはずの通路はなくなり、目の前に一直線の階段があっただけだった。そして、クロスも消えた。 龍の接続書 ジャンル別一覧
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