従姉妹の娘
実は従姉妹が、鬱病のようなのです。従姉妹は私の5歳上、49歳です。最近、離婚しました。娘20歳と息子17歳が居ます。従姉妹の娘は、出産時に産道で止まってしまい、酸欠状態が続いた影響で、右半身が不自由な体になって生まれてきました。障害者の認定も受けています。でも、リハビリや本人の努力で、小学校から普通のクラスへ行き、今は普通の大学の3年生になっています。従姉妹の夫は高校の同級生だった人で、建設会社を経営していましたが、バブルの崩壊とともに、苦境に陥り、お決まりの倒産、本人はあまり落胆もせず、膨大な借金も徐々に返すと楽観的、ただ生活費のために、この4,5年従姉妹も働くようになり、小学校入学のお受験塾に今も勤めています。従姉妹一家は、家賃の心配の要らない実家へ、一昨年から戻っており、その頃から様子がおかしくなっていました。とうとう先日、最愛のはずの娘に、「あなたが生まれてきたから、私は変になった!」といってしまいました。従姉妹の父親は早くになくなり、従姉妹の母親の弟である私の父が、父親代わり、私とは姉妹のように育った人です。叔母は完ぺき主義者で、従姉妹の様子がおかしくなってから、片時もそばを離れず、世話を焼いており、それは傍目にも、やりすぎのように見えてなりませんでした。叔母は、従姉妹の夫に原因があると言い張り、従姉妹の娘の潔癖さも加わって、半ば強引に、離婚という運びになってしまいました。今従姉妹の娘の母親役は私に移行しています。死んだほうがいいのか、という20歳の女の子に、慰める言葉もありません。ただひたすら、ママは今病気なの、だから心にもないことを言うのだ、娘に甘えているのだあなたが生まれる前から、あなたの両親も周囲も、あなたのことを愛していたのだと、生まれたときに、みんなどんなに喜んだことか、と繰り返すことしか出来ません。心療内科のようなところへ行っているらしいのですが、半ば妹のような存在の私に、弱みを見せることを、従姉妹自身も、伯母も、良しとしません。従姉妹のことももちろん心配ですが、これから将来のある子供たちのことが心配でなりません。離したほうが、よいのでしょうか。でも従姉妹はもっと落ち込むでしょうし。従姉妹は娘の障害は自分のせいだと思い込んでおり、それは母親としてはしょうがない感情なのかと、今までも見てきました。自分の半ば分身のような娘に、甘えての言動であることは、間違いないように思います。お姉ちゃん、しっかりして!といいたいところですが、それはいわれても、つらいだけのように、思えて、まだ口に出していません。今夜も娘が泣きながら、電話を掛けてきました。もう死にたいというのです。私が実家の母に最初に感じた、悲しみを、まだ大人になりかけの、楽しいことだけ追いかけていい学生の、あの子が背負っていくのは、かわいそうでなりません。