コーヒーカップに口づけ　　（劇団コリン座　第２話）

ははは　座長のひっこりんだよ！ 面白かったよ　昨日 片桐さん ボタン ピコラちゃん とろちゃん キヨさん ティカップちゃん 物語をもり立ててくれてありがとう 引き続き続きをよろしくね それでは　開演だよ～～～ 雨の吹き付ける音を何気なく聞いている コーヒーサイフォンから落ちる琥珀の滴の音をじっと聞いている 雨の音と滴の音の違いを確かめている あたりを包むブレンドコーヒーの匂い 仕事が終わり　自由になった時間 私はこの一時が好きだ 書類を片づけた後の何もない空間 やっとゆっくり出来る安らぎ感を逃がさないように 心に焼き付けようとした。 そう、今しかない　こういう時には決まって彼が現れる 彼が来れば　すべてが終わり　すべてが始まる 胸騒ぎがする 来た！心の中のスイッチが入った やあ　ユキ隊長　仕事が入った 次の任務は　時間泥棒を捕まえてくる仕事だよ 有る少女の２０年という時間を泥棒した悪いやつを始末してほしい これは　司令官直接の願いでもあるので　よろしく！ ひっこりん司令官！何処から現れるんですか そこは机の下でしょ ははは　堅いこと言うな　お風呂から現れても良かったんだけど はいはい 私はこの人が上司なのが凄くいやだ しかし、組織という物はそういう物だ このコリン星人はとぼけた言い回しで凄く難しい仕事を押しつける ところで　今回の作戦メンバーと装備は？ ハハハ　机の上に置いたよその書類に書いて有る このコーヒーすこし酸味が強すぎるぞ ぼくは　キリマンジャロよりモカが好きだ またあ　司令官！それは私のカップよ　口つけないで！ ははは　それでは成功を祈る　バイバイ さあ　事件は２０年前の駅から始まる 昨日を思い出して 気ままに書いてね