ひっこりんの冒険

2005/12/30(金)12:18

リルンの熱い雪 劇団コリン座最終講演

劇団コリン座(38)

冷たい雪のふりつける夜のことだった 私はかすかに見える明かりを頼りに進んだ 戦火の中 部隊から離れもう何時間も経つ 傷ついた左足の感覚は既に無くなっている 自動小銃を杖代わりに力の限り明かりを目指して進んだ しかし、視界は吹雪に覆われ私の意識は無くなっていった 時はコリン歴0015年12月30日 コリン星統一政府が出来て初めての外宇宙生命との戦争末期 コリン星第3衛星リルンでのことだった 私の部隊は外宇宙生命との最終決戦で大きな損害が出た 部隊長以下主立った兵士はほとんど戦死していった 生き残った私も傷つき、戦線を離脱して司令部への自力撤退中のことだった 私はプーにゃん伍長 コリン星統一政府軍第1256歩兵大隊455小隊に所属していた ほほを刺す吹雪の中、コリン星での楽しかった日々を思い出していた 私には親の決めた許嫁ナナが居た 兵役が終われば結婚をする予定だった 「兵隊さん、兵隊さん」誰かの呼ぶ声に私は目を覚ました 私はベットの上に寝ていた 左足に力を入れたが動かない 痛みも今は感じない 「ここは?」 視力も徐々にだが回復し置かれている状況を判断できるようになった 私は山小屋のような部屋の中、暖炉の側のベットに寝ていた 傍らには少女が一人座っていた 「あっ!気が付いたのね 良かった、もう助からないかと思ったわ」 「私は・・」 「兵隊さんが倒れているのをこの子が教えてくれたの」 少女は暖炉の前で寝そべっている大柄な犬を指し言った 「待ってて、今何か暖かい物を作ってあげるから」 そう言うと少女は奥の部屋に消えていった 衛星リルンの戦火の中ひっそりと暮らす少女に助けられたプーにゃん伍長 傷つき倒れた兵士を必死に看病した少女との思い出が今鮮烈によみがえる やあ ひっこりんだよ 今年最後の劇団コリン座 開幕だよ 今回は純愛路線だ! プーにゃんの相手はだれだ? 山小屋で静かに眠る プーにゃん伍長

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