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カテゴリ:英語ヨモヤマ話
高校の美術の先生が、美術の時間におもむろに語り始めた。
「留学留学って言うけれど、高校生では早すぎます。もっと日本を知ってから海外に出なければダメなんです」 あの当時は、はぁ?って思っていた。 英語喋れるようになるんだもん、別にいつ行こうが関係ないじゃん。って。 でも、それをふと思い出す事件があった。 社会人になって、英会話教室に通っている時のことだった。 その時の会話のテーマはなんだったか忘れた。 しかし、「国債」について話題に上がった。 そこで、留学から帰ったばっかりのペラペラの子が言い放った。 「国債は、ニッポンがアメリカにしている借金。」と。 もちろんペラペラの英語で、自信たっぷりに・・・ 私は、え?と耳を疑った。「国債って、国が国民にする借金じゃなかったっけ?」って。でも自信がなかったから、あとでお家で調べよう・・・と思って黙っていた。 その場の多くの人は耳を疑った表情をしていた。 中の一人がおもむろに「国債って、国が国民にする借金だとおもうんだけど・・・」 私と同じ意見だった。 やっぱそうだよね、そうだよね。私も自分の知識が正しかったと納得しかかったその時、「ううん、違う。 国債は日本がアメリカにしている借金だよ」と、聞く耳持たず、先ほどの彼女が言い切った。 あー、多分絶対、この子が言ってることは間違ってる・・・ そう思ったけど、あまりに自信たっぷりに言われてしまったので、訂正する勇気など、もはや私にはなく、事細かに英語で反論する自信もなく(なんてったって相手は帰国子女のぺら子さんだったもので・・・)そのうち、話題も変わり、その場は過ぎ去った。 そして、私は高校の美術の先生を思い出した。 「留学したいなら、君達は、もっと日本を知ってから留学しなければならないんです」 あー、そういうことだったのか。 この事件はまだいい。 間違った情報を伝えた相手が日本人だったし、周りはみんな年上のおばさんたちだったから、きっと「はいはい、」って温かくみてたんだろう、彼女の意見でさえ。 でもね、これが相手が外国人だったら? 別に国債について間違った情報を与えるくらいならさして問題はないけれど、なんかもっと間違ってはいけないことを、日本を知らない外国人に与えてしまったら? 「日本をもっと知ってから留学しなければならない」 そうだな。 自分の国について、もっと正しい知識を身に付けてから留学する、それってとても大事なことなんだな。 ヘタに「自分を強く主張する」スキルだけを外国で学んでしまうと、間違った意見さえ、彼女みたいに堂々と主張してしまうことになりかねない・・・ 彼女は私の反面教師です。 ニッポンをもっと知ろう。 自分の子供が留学する時には、たとえそれが中学生であろうと高校生であろうと、しっかりと日本の基礎知識を叩き込ませたいと思っている。 でも、その美術の先生にプチ反論。 留学する時期が「高校生では早すぎる」とは決して私は思わない。 現に、高校で留学してた子達は、みんな英語上手かったもん。 ペラペラだったもん。 むしろ、英語を英語らしく喋れるようになることが目的ならば、早いほうが良い。 高校生でも遅いかもしれない。 まぁ、中学生で留学ってのはいろんな意味で危険そうだから、高校生くらいがちょうどいいのかな。 でもその時には、やっぱり、日本をちゃんと知ってから留学させたい。 そのことだけは、先生から教えてもらったことです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.10.01 17:06:40
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