hIMAGINE

2012/12/27(木)03:08

悶々のなれの果て(中)

出会い(43)

ディックとの二次会。 (私にとっては、実は三次会) ディックが目指したバーは見つからなかったので。 近くにあった日本酒バーに入った。 ディックはビールを飲んで。 私は日本酒を飲む。 そこで話したことはもうほとんど覚えていないけれど。 当初の私の目的。 時間を忘れる。 携帯メールを忘れる。 肉下君を忘れる、も。 叶うくらい。 いい酔いっぷりだった。 たまにちらっと気になったけれど。 携帯、カバンから出さないまま。 時間を過ごしていた。 日本酒バーで終電近くまで過ごし。 帰ろうとお店を出て。 二人で歩いていた。 ディックはさり気に。 手をつないできて。 頭にキスを降らす。 その様子が、あまりに肉下君に似ていて。 やっぱりあの肉下君の手腕は。 外国人並だったんだ、なんて。 本場ものとそう変わらない、なんて。 思わずおかしく。 ぼーっと考えていると。 ディックの唇が頭から頬へ。 頬から唇へ移ってくる。 ここで地団駄踏んでも仕方ないのですが。 今振り返ってみても、本当に最近の私の防衛体制、予算が削られすぎたのか。 まったく機能せず。 どういう状況が起きているのか。 判断することができない。 あ、キスされている。 唇ムチムチしている。 やっぱり黒人だから、唇厚いんだな~。 なんて。 確かその時は思っていたような気が…。 気が付くと腕を引っ張られ。 建物と建物、通りから見えない隙間に引っ張りこまれる。 (※あまり人通りがない小路地を歩いていました) あれ?と気が付いたときには。 上下の下着を剥されている状態。 ブラなんて。 20年近く毎朝毎晩脱ぎ着している私より。 とてもスムーズにホックをはずしてくる。 さすがに酔ってぼーっとした頭でも。 これはマズイ、と作動し始めた。 マズイとは思っているけれど。 怖いとか、今すぐ逃げ出したいというパニックではない。 この状況を何とか打開しなければ、とCPUの落ちた脳みそで考えていた。 本能的に。 大声を出したり、暴れたり。 力技で反撃したりしたら。 余計この人を興奮させる、と考え。 私が取った作戦は。 「ひたすら説得」作戦。 「お願いだからやめて」 「こんなことしたくない」 「こういうことしない、って言ったのにひどい」 「あなたは約束を破った」 「私は絶対したくない」 落ち着いた声で。 ひたすら繰り返し言い続けた。 私の胸に顔をうずめていたディックは。 顔を上げて。 ディ「・・・止めたいけど、止められない・・・」 と苦しそうに言う。 そう言いながらも。 荒げた呼吸を何度も繰り返しながら。 下半身からは手を引いてくれた。 (ちなみに事には至っていません) 荒い呼吸を整えているディック。 もしかして止めようとしてくれている? そう思ったのもつかの間。 またガバチョと覆いかぶさってくるディック。 ジーザス…。 さすがこの猛ったディック、本人の自主的回収は無理かも。 参ったな~と思った、その時。 ディックに押されるように。 一歩下がった私の足が。 何かグニッと踏んだ。 ぷしゅーーーーーーーーー。 私「ひゃーーーーー」 何だかわからないが、背中から水を浴びた。 ディックにも恐らくかかり。 二人して驚いて、飛び退く。 暗がりの中だったので。 正確にはわからないが。 たぶんそこにあった水道ホースか何か踏んで。 水が飛び出したのだろう。 押さえつけていたディックが離れたのをいいことに。 私はあわてて、落としていた傘とバッグを拾って。 「行こ行こ!」と、路地にディックと飛び出す。 路地に出て。 思わず安心して出たひと言。 私「神様が助けてくれた!!!」 思わず「ねっ」と、ディックを振り返る。 ディ「助けられたのは僕の方」 それは、性的衝動に駆られてコントロールが利かなくなっていたことを。 ディックもまずいと思っていたってこと? じゃあ二人とも助かったんだね。 私「よかったね。神様が助けてくれて」 と、無邪気にディックに笑いかけていた(←大バカ)。 すっかり終電がなくなっている時間で。 歩くか、タクシーを拾って帰らなきゃいけない。 私「じゃあ、私こっちだから」 そうさわやかにお別れを告げ。 ディックと別れた。 そのときの私の気持ちは。 晴れ晴れした気持ち。 危ないことになったけれど。 神様に助けてもらえた。 ディックも助かったって言っていたし。 みんなハッピー。 酔った幸せ脳の私は。 アホなことに。 そんな風に思っていたのでした。 しかし。 神様はきちんと。 お仕置きだべ~を、残していたのです。

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