超名演超感動超熱狂~ジョン・ウイリアムズ指揮サイトウ・キネン・オーケストラ
9月2日、松本市のキッセイ文化ホールで開かれたサイトウ・キネン・オーケストラのコンサートに行ってきました。後半で映画音楽の巨匠、ジョン・ウイリアムズさん指揮するこのコンサートのチケットは、14倍という高倍率での抽選。当選できて超幸運でした。写真はアンコールが2曲終わった時に、ウイリアムズさんの「SEIJI!」という再三の手招きに応じて車椅子の小澤征爾さんが登場し、ガッチリ握手をした場面。このあと、小澤さんは入口近くに移動して「帝国のマーチ」を聴きました。この日のプログラムは以下の通り。前半はステファン・ドゥネーブさんが指揮、後半がジョン・ウイリアムズさんです。前半は15:00から15:55頃迄。後半は16:15からはじまり、終わったのは17:30頃でした。ドゥネーブさんの「日本大好き」というメッセージも忘れられません。さて、入場前の様子から振り返ります。ホール前には、「チケット譲ってほしい」という札を持った人が何人も立っていました。中に入ると、売店コーナー。ホールに向かう階段の両側には、小澤さんとウイリアムズさんの写真入の巨大ポスターが飾ってあります。すごい人。この人たちがみな抽選で当選した人たちです。この日の聴衆は約1900人。これはオーケストラのメンバー表。響きもよく、とてもきれいなホールでした。これは二階席。なんと自分の席は2階席のほぼ中央。オーケストラがよく見え、バランスよく聴くことができます。全体をみると、パーカッションが多いことが目に付きます。このときになんと、トロンボーン奏者が「帝国のマーチ」の一部を吹きました。おそらくアンコールの最後に演奏すると思っていましたが、これで確信。続いて舞台裏からトランペット奏者が吹く「レイダースマーチ」のメロディ。これもやってくれるんだと、胸が高鳴りました。とにかく大編成のオケです。トロンボーンが4本、トランペットも4本でみなロータリー、ホルンは5本でした。木管は3管で、弦の配置は対抗配置ではなく、第1第2バイオリンが並ぶアメリカ型。ジョン・ウイリアムズさんは91才。さすがに歩くのはゆっくりでちょっと心配しましたが、立ったまま指揮。演奏を始めると大音響、大迫力でエネルギーに満ちあふれていました。静かな曲もありましたが、大抵は激しく盛り上がる曲なので、オケの面々にとっては非常に体力を使うきつい演奏ではなかったかと思います。とにかく、一糸乱れぬこの大編成のオケから繰り出される極上の演奏で、まさにサイトウ・キネン・オーケストラは日本最高のオケであることを確信しました。力強さ、分厚さをもちながらしなやかさ、つややかさもある弦。きれいな音色を奏でる木管群。ファンファーレ的な場面が多いブラス群の輝かしさ・切れ味の良さ・重厚さ、大忙しのパーカッション等々音のすべてに感動しました。吉野直子さんがハープだったのも素晴らしかったです。聴衆もレベルが高く、針一本落としても聞こえるのではないかという静寂と集中力。ただ一つ残念だったのは、アンコールの「ヨーダのテーマ」の途中でフライングで拍手をした人が一人いたこと。しかも2回も。アンコールはその「ヨーダのテーマ」、「レイダースマーチ」、そして期待の「帝国のマーチ」。聴衆はすぐさまスタンディングオーベーション。数回のカーテンコールの後、指揮者が去り、オケのメンバーも全員ステージから去りました。それでも拍手はなり続き、なんとオケの面々が登場。全員で礼をしました。そして、またステージを去りましたが、拍手は鳴り止まず、再び全員登場。そして、ドゥネーブさんとウイリアムズさんも登場。大喝采となりました。ジョン・ウイリアムズさんは30年ぶりの来日。スピーチの中では、小澤さんにボストンポップス管弦楽団に招かれたことへの感謝、音楽家としての尊敬の思いを語っておられました。自分にとっては、ジョン・ウイリアムズさんの指揮に接するのは、アメリカでの「タングルウッド音楽祭」以来。その時のオケはボストン交響楽団で、ウエストサイドストーリーの組曲を聴きました。これも30年以上前のことになります。今回のコンサートは、場内アナウンスも一切なく、非常にクオリティの高い、洗練された聴衆が集まったレベルの高いコンサートでした。また、ホールの場所が不便でしたが、終了後に駅まで送るシャトルバスが出たこともとても良かったです。とにかく、ここ数年で最高のコンサートでした。